案内が届いたのは直前のことだった。音楽・映画・舞踏・ペインティング・活花の一大ミックス・メディア・イベント(まあひらたく言やあ大アングラ大会だな)、「暗闇にノーチラス」――チラシには昔のディズニー映画の『海底二万哩』のノーチラス号のイラスト。
当日、バスで霞町の交差点まで行き(断じて西麻布交差点ではないのだ、ぼくのなかでは)、だらだら坂を上って材木町の交差点脇のSにたどり着く(これも断じて六本木ヒルズ交差点ではないのだ、ぼくのなかでは。材木町はクローバーのケーキでありラス前にTRexのメタル・グルー、オーラスにClashのLondon Callingを明け方4時に定番でかけていたニュー・ウェーブ系のディスコClimaxであり、霞町はバーRed Shoesなのだったのだ)。
開場が遅れたらしくまだドアには長蛇の列。まあクラブ系のイベントハウスなので年齢層は若い。
アングラだからだらだら、始まりも終わりも判然としない混沌の中でイベントは進むのかと思ったら、この日はバンドがメインのせいか進行が意外ときっちりしていて、ちょっとがっかり。
瓶博士とかいう空き瓶コレクター(その道では有名らしいがたぶんその道にいるのは全国で10人ぐらいではないかと思う)が、空き瓶インスタレーションの前で前座。ブルース系の歌を数曲歌う。映像はビデオと8ミリと16ミリフィルム。白塗りに簾仮面のダンサーが身をくねらす。浴衣姿のおねいちゃんが空き瓶に薔薇を生けまくる。ドラムセットの後ろでは白壁にグラフィティが描かれ続ける。
ワンセット終わって、ドリンクタイムの後、本命登場。あがた森魚だ。来年は還暦だ。ギターにOto(元じゃがたら、ひゅーひゅー)、バイオリンにはデビュー以来の仲の武川雅寛(元はちみつぱい、ひゅーひゅー[あくまでぼくにとっては。バンド名変えてしちぃ・みゅーじっくになっちまったムーン某は認めねー、レコードは持ってるけどさ])。後のメンバーはよく知らん。
あがた登場で瞬時にバンドがしゃきっとする。ベースが電動グラインダーで弦をこすり火花を散らす。やーやーやー、むちゃくちゃやってくれい!!。と、思ったらその後はあがた森魚ワンマンショーになっちゃった。なつかしいからいいんだけどさ。ちと残念。この間のアラン・プラテル・バレエ団もそうだけど、どーもバンドがそれも唄つきで入るとほかのものが添え物っぽくなっちゃう。それだけ唄の存在感というのは強烈なんだな。唯一活花おねいちゃんがそれなりに存在感を示していたけど、白塗りダンサーは完全にかすんじゃった…。
あがたは二セット唄って(休憩に空き瓶が当たる大ビンゴ大会あり)、ラストは「清怨夜曲」、やっぱいいわー。
アンコールに「大寒町」、うー涙がちょちょぎれる。
アンコールに「大寒町」、うー涙がちょちょぎれる。
ともあれアングラな夜はこうして更けていったのだった。みんな、みんな暗闇で脳散らせー!!!
文責:Y
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