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5月の課題本『新釈 走れメロス』

2007-06-02 11:18:06 | ・例会レポ
正直に言えば私の中では「きつねのはなし」のほうが評価が高かったのです。

・感心するけど感動はない。
・ 何を意図しているかがわからない。
・ 新釈と銘打ってはいるが同じテーマ同じシチュエーションを現代に持ってきただけ。原典を矮小化している。
・ 他の作品と共通する登場人物が楽屋落ちのようで、安易。
・ ブログなどで絶賛されているほどではない。
・ こういう焼き直しのような作品が話題になるほど本離れが進んでいるのか。
・ 面白い発想だと思ったのに実は編集者のアイディアとわかってがっかり。
・ 同じ下着を着続けるとか、桃色ブリーフとか、大学生の姿が古臭い。異臭悪臭が漂うようで嫌。
・ 桃色ブリーフで踊るのを恥ずかしいと考えることのほうが恥ずかしい(走れメロス)
出席者からはこのような批判的な意見が多数出ました。
好意的な感想として

・登場人物が他作品と共通するのは今まであまりなかった設定で、狭いようで広がりがある。
・ 「走れメロス」は逆説的な面白さがある。
・ 斎藤秀太郎の人物造型がよい。(山月記)
・ 原典を読んでみたくなった。
・ 昔の筒井康隆を連想した。(山月記)
・ 作者が自分のテリトリーで書いているから「新釈」と言っているのでは。
・ 真如堂とか哲学の道とか地名が出てくるだけでイメージが浮かぶ京都ってお得。
作品そのものの評価と言うよりもあくまで原典を踏まえての、また部分的なイメージとしての評価にとどまったようです。中島敦の「山月記」をかなりの人が好きな作品に挙げていたのはさすが日本一の読書会(byS山さん)です。
講師の感想は:
・ 才気、文章力、作品を生み出すストックは確立している。
・ ストックを作品にどう生かしていくかが作家の腕の見せ所であり、この作品は太宰治の「御伽草子」がヒントになったのではないか。しかし、作者固有の世界観が不足しており全体にレベルの低い解釈にとどまっている。
・ 作品の質よりも笑いや面白さで評価しているのはお笑いの世界と同じで、読者のレベルも低下しているのではないか。
と、辛口のものでした。
本歌取りの名歌は多いけれど、近代小説で「新釈」と銘打って原典を超えたものには未だ出会っていないような気がします。
少なくとも帯に書かれていたような「今から100年後誰かが森見さんバージョンの古典を新釈してたりするのかも・・・」と言う一節は強く否定したいです。
レポート:よぴかり

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2 コメント

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例会後日談 (アビイ)
2007-06-11 16:34:59
ずいぶん前に図書館で予約してあった「夜は短し歩けよ乙女」が来たので一応、読み始めました。
2章までは壁に投げつけたい衝動も起きず無事読了しましたが3章にいたって突然、読み続ける気力が一気になくなり、投げ出しました。
この本の面白さが私にはわかりません。
この本を絶賛する人たちはどこが面白いと思っているのか、聞いてみたいところです。
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太陽の塔 (ままりん)
2007-08-21 16:22:44
図書館で申し込んだのが届いたので、読んでみたら・・・これはとても面白かったです
「メロス」の原型?みたいな、ムサイ京大生の
青春物語ですが、ファンタジー大賞を取ったのも
納得。ただ、この後大いに期待されたはずの
作家としての成長が、行き詰まったというか、
違う方向に行っちゃったのかという気がします。
「夜は・・」も一応読んでみたいので、
気長に待ってます。
返信する

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