
ダフネ・デュ・モーリア著
茅野 美ど里訳
税込価格 : \3,150 (本体 : \3,000)
出版 : 新潮社 サイズ : 20cm / 589p
新訳の「レベッカ」、おもしろく、と言うか、興味深く読みました。読んでいない人もなんとなくストーリーは知っていると思いますが、マンダレーという広大な屋敷に後妻で入った若いヒロインが事故死した美しい前妻・レベッカの影におびえる、最後は驚愕の真相‥‥というサスペンス風というかゴシックロマン風なとられ方をしているようですが。
今回読んで思ったのは、前妻の存在や夫の気持ち(まだレベッカを愛しているのでは?)に悩むヒロインの気持ち、20も年上で身分違いでもある夫の顔色ひとつで一喜一憂する様がすごく細かく、くどくどと言っていいぐらい描かれていて、子の物語の主眼はそちらでは、と思いました。解説によると、作者デュ・モーリア自身も、夫の元カノの存在を意識していたそうだし。
10数年前、旧訳で読んだ時は特別な感想も抱かず読み流してしまったことを考えると、こういう細やかな女性心理を描いた本は、女性訳者のほうがいいのか。ただそう言うことを言うと、じゃあ男性作家の本は男性が訳すべきか、と屁理屈言い出す人がいても困るけど、デュ・モーリアに関しては、以前「Kiss me stranger とかなんとか」という短編を、最初吉田健一訳でアンソロジーで読んだ時は、ちょっと変わった暗い話、としか思わなかったのが、その後出た新訳のデュ・モーリア短編集で、誰か忘れたが女性訳者の訳で読んだら、すごくよかった、ということがあった。ので、少なくともデュ・モーリアは女性に訳してほしい。
今回の新訳本ではデュ・モーリアの人となりも書かれていて、同性愛傾向があったとか、その辺も興味深かったです。
(アビィ)
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