「最後のウィネベーゴ」をすすめていただいた某T氏から、最近のおすすめ本を教えてもらいました。再びご本人の了解を得て、以下にアップします。 ところで、「泣けるSF」と教えてもらった「最後のウィネベーゴ」はとても笑えるSFでしたわあ。
最近面白かった本は、
・『家のロマンス』加藤幸子(新潮社)
「家族とは何か」というテーマは多く見ますが、これは「家族(人生)にとって家とは何か」がテーマ。
・『また会う日まで』柴崎友香(河出書房新社)
(ジェフィー23注:芥川賞候補作「その街の今は」は大阪が舞台ですが、)これは東京が舞台。旧作『フルタイムライフ』なども面白かったです。
・『読書会』山田正紀・恩田陸(徳間書店)
二人がSF作品を中心に時々ゲストを交えて語った一冊。
・『レインツリーの国』有川浩(新潮社)
これは『図書館内乱』からの「スピンオフ」作品。非常にいいと思います。読むときはあとがきは先に読まないように。できれば『図書館内乱』も後から読んだほうがいいです。
・『クジラの彼』有川浩(角川書店)
これも「スピンオフ」的なラブコメ短篇集。自衛隊を題材にするだけでこんな面白さが生まれるとは、眼からウロコが落ちるよう。少女漫画風のほのぼのしたものばかりなんですが。
・『老いるということ』黒井千次(講談社現代新書)
こういうのがひしひしと迫るトシになりました。
・『睡蓮の教室』ルル・ワン(新潮社)
文革時代の少女の友情と離反を描いた作品。漫画の『自虐の詩』のような「人生に幸や不幸を問う必要はない」というテーマがずしりと迫って読み応えあります。なお『自虐の詩』は今夏映画になるそうです。阿部寛と中谷美紀だったかな。
・『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦(角川書店)
ウワサの一作でしたがこれはたしかに面白い。大森望さんが「ラブコメの傑作」と評してたと思いますが、ぼくは青春時代の無意味な営為をこれくらいバカバカしくも壮大に書いてくれたことに感動しました。北杜夫の『どくとるマンボウ青春記』などが好きな人はたまらないのではないかな。諸星大二郎的なユーモアも楽しめます。
(ジェフィー23)
HTMLエディターのフォームを使えば、文字の大きさやカラーが変えられると思うのですが、もしやMacは対応してないかな? ご確認ください。