渡辺眸/著 山本義隆/寄稿
新潮社 2,415円(定価)
発売日 2007/10/18
学園紛争の嵐が吹き荒れた1968年から69年。ロックアウトされた東京大学駒場キャンパスと本郷キャンパスに、唯一出入りを許された写真家が、本書の著者、渡辺眸さんです。
ロックアウトが進むキャンパスの状態から、安田講堂陥落までの日常を写した白黒写真は貴重な歴史史料であり、何よりもあの闘争に参加した大学生たちの真摯な、それでいて時になごやかな視線は、胸を打ちます。安田講堂の壁に書かれた有名な落書き「連帯を求めて孤立を恐れず」の写真。黙して語らず、されど雄弁に語るもの――写真というメディアのすばらしさがひしひしと伝わってきます。
当時を実体験できなかったぼくにとっては歴史の一こまかもしれませんが、リアルタイムであの時代を生きた人たちにとって、この写真集はどのような存在になるのでしょうか。S山さん、いかがですか。
(天馬トビオ)
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