土屋龍一郎のブログ

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お茶室考

2006-04-26 15:03:04 | Weblog
長野県上田市にある上田女子短期大学に信養庵と名付けられたお茶室が出来て、そのお披露目の茶席に招かれた。
裏千家淡交会の長野県副支部長というお役をいただいているおかげで、こういったご案内をいただいたのだ。
とはいっても、私自身本格的に茶道を学んだことが無く、四苦八苦しながらお点前をいただいている。
信養庵は、本格的な茶室で、にじり口から入る。これは、私にとって初体験で腰からはいるものか頭からはいるものか、困ってしまった。
主客を含めて8人でお点前をいただいたので、大変に狭くていやがおうにも緊張感が増した。
こんな機会はめったに無いので、上席に座った心得のありそうな方の振る舞いを見よう見真似でお濃茶をいただいた。お披露目に合わせて「一」という文字が書かれたお軸や、京都から取り寄せたというお菓子など、おもてなしの最高峰とも思える気遣いを感じながら古式ゆかしい茶道の流儀を堪能した。

さて、お濃茶・お薄茶・点心をいただいた帰り道に味やら雰囲気など思い出しながら歩いたのだが、こういったものは招待する側とされる側の気持ちのあうんの呼吸に醍醐味があると思い当たった。この道何十年の師範格の方と接する場面と新人の学生がお手伝いする場面があったわけだが、こちらもそれに合わせて気持ちを高めたり緩めたりしなくてはならない。素人ながら知っている限りの形でお受けすることが作法であろうと思う。

さらに、どんな方とご一緒してもてなしを受けるのかということも重要であると知った。「いやあ、正座が苦手で・・」と始めからあぐらのままで愛想笑いをしながら同意を求めたり、茶器などについて知ったかぶりをしたり、絶えず無駄口をたたいている方とご一緒したときには大変につらい。リラックスさせるのも良いけれど無知をさらけ出しているようでこちらまで気恥ずかしくなる。ここら辺はほどほどにすべきなんだな、と勉強になった。

この学校は長野県を代表する建設会社である北野建設株式会社の北野次登会長が理事長をされている。だから建物も内装も見どころ満載である。待ち時間にじっくり拝見したけれど大変に感銘を受けた。美しくて機能的な建物を見るのは楽しい。
大変に良い機会をいただいた一日でした。