おやじライダー

　女房と散歩をしていたら、大きな爆音を響かせて３台の大型バイクにまたがったおやじが大通りから善光寺方面へ曲がっていった。どうも県外からツーリングできたおやじライダーのようである。
　ぴかぴかに磨かれた車体とお約束の皮のツナギが映える。
　「あの人たち、ただ走ってるだけじゃもったいない。なにか事件のあるところに現れる正義の味方とかの仕事もあるといいね」
　「おやじライダーが不良高校生が悪いことしているところへ現れて、両手をかざすと『ジライダー』とかに変身するってのは？」
　「おお！しかも得意な攻撃の技は説教のみ」
　「バク転とか空中技は禁止」
　「腰痛が出るから」
　
　女房は中型までの二輪免許を持っているのだが、世間様への危険を考えて「乗らないでくれ」と頼んでいる。
　かく言う自分は、実はナナハンとかの言葉に弱くて、いつかはターミネーターのようにでかいバイクに跨ってみたくてしょうがないのだ。身体が貧弱では見劣りする。シュワルツェネガー氏のような筋骨隆々が、無理であれば、やはり迫力から言ってもおやじ体型を極めてバイクにまたがることになるだろうな。