今日は三月三日
お雛祭の日です
春雨のそぼ降る京都にて
二つの月釜を
楽しんで参りました
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八坂神社
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清々館
待合には
「雪」
の一文字
本席の掛物は
「時々勤払拭」
”お茶のお点前では
羽根で炉縁を払い
帛紗で茶器を拭き清めます”
宗匠のお言葉に
あらためて
「払拭」の
二文字に込められた教えに
感じ入りました
点前座には
旅箪笥ならぬ
「茶箪笥」
小ぢんまりとした
その佇まいが
ケンドン蓋に書かれた
「閑座聴松風」の禅語と相まって
静かに存在感を
放っていました
主菓子は
鶯餅
ここまで書いてきて
ふと気づいたのですが…
清々館のお道具組と
その後に行かせていただいた
真葛庵のお道具が
一つも重なることなく
二席があたかも一つの茶会のように
取り合わされていたことに
驚きました
お二人の宗匠が
事前に相談されていた様子は
全く無いのですが
それぞれのお席が
今の時節に相応しい
美しい世界をそこに顕現させ
それでいて互いに重複すること無く
不思議なほど調和が取れていました
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真葛庵
例えば。。。
真葛庵のお席と清々館のお道具を
並べてみると
【寄付掛物】 立雛の絵 『雪』
【香合】 菱餅形 扇形
【敷帛紗】 染帛紗 出帛紗(本年籤当り)
【本席掛物】 『鶯奏春音』 『時々勤払拭』
【花入】 鶴亀 水盤
【花】 桃と菜の花 蕗の花
【棚】 木屋町棚 茶箪笥
【水指】 白地に貝の絵 南蛮風備前
【茶器】 茶桶 出世柳
【茶杓銘】 佳日 好日
【茶碗】 赤(塩笥形) 黒『田子の浦』
【主菓子】 あこや 鶯餅
【干菓子】 五色豆? みちとせ
以上は
今私が覚えている限り
書き出したもので
もしかしたら
記憶違いもあるかもしれません
その場合は
どうぞご容赦下さいませ
ただお二人の宗匠が
何の打合せも無く
このようなお道具組で
私たちを楽しませて下さったことが
お伝えできましたら幸いです
こうして
お茶の奥深さと広さを
お示しいただいた
お二人の宗匠に
あらためて
感謝の思いが湧いて参りました