表千家一期一会

「岡倉天心『茶の本』を読む」


「岡倉天心『茶の本』を読む」 PHP文庫
山崎武也 著



岡倉天心が西洋人向けに英文で書いた
古典的名著『茶の本』を
茶道に精通した著者が
忠実に末オたものです

その中から
私の心に響いた
珠玉の言葉のいくつかをご紹介します

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この世における毎日の生活の中にあるのは
きれいなものばかりではありません

つまらないこと 嫌なこと 煩わしいことなど
いろいろですが

その中に少しでも美しいものを見出し

それを大切にしていこうとするのが

茶道の基本的な姿勢です

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茶室は 

人生という荒涼とした砂漠の中にあるオアシスです

疲れ果てた旅人たちは そこに集まって

件pの鑑賞という共通の泉の水を飲みます

茶道の場は

お茶 花 絵画などを題材にして

筋書きが書かれた一つの即興劇です

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完全を求める者は

自分自身の生きていく生活の中に

内に光輝く真理を捜し出さねばなりません

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茶道が理念とするところは

すべて重要なことは

毎日の生活の場で起こる

小さなことの中にあるとする

禅の考え方から出てきたものです

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道教や禅の「完全」に対する考え方は

「完全そのものという静的なもの」よりも

「完全を求めるという動的な過程」の方に

重きを置いたのです 


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茶室は

簡潔であって 俗悪さがなく

洗練されているために

外なる世界の騒々しさから離れた

聖域ともいうべきところになっています

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茶人によると

真に件pの鑑賞のできる人は

件pを人生に生かすことのできる人だけであるというのです

(中略)


どのような状況の中でも

心の平静を失ってはいけません

会話をするにしても

周囲の調和を決して乱さないように

話さなくてはなりません 

(中略)

毎日の細かいことだからといって

軽く考え無視してはいけません

人は 

自分自身を美しくしてしまうまでは

美に近づいていく資格がないからです

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