表千家一期一会

野村美術館・春季特別展

野村美術館で開かれている
春季特別展に行ってきました



今回のテーマは「高麗茶碗」



高麗茶碗には
井戸や伊羅保など
様々な種類がありますが

今回の企画展では
それぞれの高麗茶碗を

その生産時期により
三つのグループに分けて
展示してありました


高麗茶碗は
「韓国の民衆が使っていた日用雑器」と
よく言われています

私も
これまで高麗茶碗とは
単純にそういうものだと思っていました

しかし一方で
もしそうだとしたら
韓国の人々にとって
どこにでもあるさほど価値のないご飯茶碗のようなものを
日本の茶人が大量輸入して
貴重品としてもてはやしてきたということが
何となく腑に落ちないような気がしていました


ところが
今回の展示を通じて

高麗茶碗の多くが
日本で茶の湯で使われることを前提に
朝鮮半島で作られたものであるということを知り

これまでの漠然とした疑問が
解けたような気がしました


今回の展示では
高麗茶碗がその生産時代により

朝鮮半島に従来あった民窯で制作された時代
(1570年頃まで)

日本人が朝鮮の窯を借りて製作した借用窯の時代
(1570年~1640年頃)

日本の対馬藩が釜山につくった倭館窯で生産した時代
(1640年~1720年頃)

という三つの時代に分けて整理されていました


この中で
数量的には
三つ目の倭館窯で生産されたものが
圧涛Iに多いのだそうです


つまり
日本に伝わっている高麗茶碗の多くは
初めから日本の茶の湯で使われることを前提にして
作られたものであって

従来から言われていたような
「民衆が使っていた飯茶碗」というものは
”ないことはない”
という程度なのだそうです


朝鮮の窯を借りて
作っていた時代もあったということも
とても興味深いと思いました


高麗茶碗のことをもっと知りたくなり
美術館に置いてあった本を1冊買い求めました



『わかりやすい高麗茶碗のはなし』(淡交社)

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