五月晴れの本日
八幡市の松花堂庭園内の茶室をお借りして
初風炉の稽古茶事をいたしました
今回は
二人の方に半東をしていただき
お客様六名をお迎えいたしました
梅隠
梅隠は
千宗旦の居室にあった茶室を
古図に基づいて
中村昌生氏が再現されたものだそうです
写真で
にじり口のように見えるところは
実は中潜りになっています
客はここで迎え付けを受け
中潜りをくぐって内露地に入ると
そこは土間になっていて
小さな蹲踞がしつらえてあります
蹲踞で手と口を清め
貴人口より四畳半の茶室に入ります
茶室の床は
宗旦好の土床(つちどこ)になっています
土床とは
床の三方の壁と天井・床板を土壁で塗り廻したもので
床板の部分には和紙が張ってあります
本日のお茶事は
午前十時にご案内し
前茶形式で行いました
席入り後に初炭
お菓子を出して中立
後入りして濃茶
広間に移っていただいて懐石
今日は
松花堂庭園内の吉兆さんにお願いして
松花堂弁当を作っていただきました
部屋伝いに
再び小間に入っていただいて
後炭
そして薄茶と続きました
***
障子ごしの淡い光の中
静かに茶筅を動かしていると
突然
露地を吹きぬける
一陣の風の音が聞こえました
その後ややあって
気づくと
どうやら雨音のようです
「雨・・・ですか・・」
いっとき続いたその音は
やがて小さくなりました
すると今度は
どこからか鳥のさえずりが
聞こえてきて
再び日射しがもどってきたことを
ほの暗い茶室にいる私たちに
教えてくれました
思いがけない
ひとときの通り雨のおかげで
まるで
洞窟の中で身を寄せあって
雨宿りをしているかのような
不思議な一体感が生まれました
社中の皆様と共に
また一つ
楽しい思い出が増えました
***
今回
裏方の半東を申し出てくれた方
また
最後まで残って
道具の後片付けを
お手伝い下さった皆様
本当に
ありがとうございました