京都紫野の大徳寺では
毎月28日に
利休忌の月次茶会が開かれています
さて
本日の大慈院でのお席のお床に
利休百首の一つ
茶の湯には
梅寒菊に黄葉み落ち
青竹枯木
暁の霜
という歌が
掛けられていました
これは
茶の湯には
陰陽の調和が大切です
という教えなのだそうです
十五夜が過ぎ
秋のお彼岸も過ぎ
暑さも次第に遠のいていく
今の季節は
どことなくもの寂しい
陰の時季
今日のお道具の取り合わせは
台目棚で囲まれた点前座に
鱗灰の美しくまかれた
土風炉
その上に
瓢箪の形をした小ぶりの釜
横には
菊置き上げの曲水指
薄茶は
なんと
割蓋の老松茶器で持ち出されました
お茶碗は
黒織部に似た楽焼
銘「つわもの」
対する
お茶杓は
「寒山拾得」
いかにも重たそうな
虫明焼の食籠の蓋を開けると
中には
まるで山から拾ってきたような
栗のお菓子
そして
大きな干菓子盆には
「露」という
真っ白でふわふわの
どう見ても「干菓子」には見えない
丸いお菓子が
行儀よく並んでいます
お客様は皆びっくり!
訪れる人が
愉快な気分になるようにと
考えられた
亭主の遊び心が
随処に感じられるお席でした
そうか・・・
もしかしたら
その愉快な気分(陽)と
今の季節(陰)の調和を
ご亭主は
意図されていたのかも・・・と
ふと
そんなことを
考えてしまいました