人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第154回『中今(なかいま)』(神道)

2024年09月02日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第154回

『中今(なかいま)』(神道)


日本人が大切にしてきた感性の中に、

古神道から伝わる「中今(なかいま)」というものがあります。

すべては、今、今、今の連続で、

その今という瞬間を生き切るということが大切だという言葉になります。


そのように今を生きることで、過去も未来も、

今という感覚の中にすべてがあるように感じてくると言われています。

私達は、つい今を生きようとしても、大半が過去を悔やんで、

未来に不安を感じて生きてしまう可能性があります。

だからこそ、今この瞬間、すべてを受け入れ、丁寧に生きることがどんなに大切で大事かを、

私自身も日々身に染みて感じて生活しています。

日々、その実践しかないようにも感じます。

少しづつ、その感覚が日々強まってくるだけで、

感謝の気持ちが自然と湧きあがって、本当にありがたい気持ちになってきます。

かけがえのないこの瞬間を、ともに大切にしていきましょう。



参考図書
『すべては今のためにあったこと』中山靖雄著 海竜社
『おかげさまで活きる』矢作直樹著 幻冬舎

 

 

 寒川神社

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第153回 『心田開発』(二宮尊徳)

2024年08月26日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第153回

『心田開発』(二宮尊徳)


江戸時代に、全国600余りの農村の開拓などでも活躍した

日本を誇る教育者の二宮尊徳が詠んだ歌があります。

「日々(にちにち)に積る心のちりあくた洗い流して我を助けよ」 

まさに、心の浄化についての言及になります。

農村の開拓を通じて、村民の心田開発(心を耕すこと)
をしていたと言われています

日々知らないうちに、心の中でもいろいろなものが

つもりつもってしまって、目の前がくすんでしまいます。

心の塵(ちり)や垢(あか)が知らないうちに、

ついてしまっているのに気が付かないのがほとんどです。

まずは、そのことに気づくためにも、身の回りを整理、整頓、清掃をこころがけることで、

常に自分自身の状態に気づくことが大切かもしれません。

私も日々、毎朝掃除から一日を始めています。

掃除は本当に深いですね。


参考
第30回
「整理・整頓・清掃の意味とは何か?」(仏教)


第106回 
「積小為大(せきしょういだい)」(二宮尊徳)


参考図書
『二宮尊徳一日一言』寺田一清編 致知出版社

 

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第152回 『上り坂の儒家、下り坂の老荘』

2024年08月19日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第152回

『上り坂の儒家、下り坂の老荘』


論語などを代表とする、孔子を中心とする儒家の思想、

老子と荘子を合わせた老荘思想。

東洋思想の面白いところは、それぞれを人生の状況に応じて

使い分けたらいいという柔軟な発想をしています。


儒家も老荘も、「現世を肯定する」という点では、欲望も肯定し、

立身出世や富を求めることも肯定しています。

ただ、社会のあり方について、儒家の思想が「現行肯定プラス改善」で

現状の状況を受け入れた上で、改善を要求するのに対して、

老荘思想は、
「現行否定」。現在の状況を否定して、

根本から変えていくというものになります。


どちらも、とても深い思想だと思いますが、それぞれの時代の状況、国の状況に応じて、

それぞれの思想を「上り坂と下り坂」で使い分けて活かしたらいいと言っています。



このような話を聞きますと、東洋思想を生かしてきた過去の達人たちは、

本当にそのあたりの
柔軟さというか、肚がすわった在り方を感じさせてくれます。


個人的には、今の時代背景や、ここ数年の日本の状況などを鑑みると、

まさしくこれからは「老荘思想の出番」かなと感じています。

「老荘思想」の本質は、とても深いもので、私も何年もかけて探究中です。


「老荘思想」を一緒に学び合う、コミュニティを年内中にゆるやか始めようと思います。

もし、興味がある方がいましたら一緒に探究しあいましょう。



参考図書
『老子の無言』田口佳史著 光文社

 

 


茅ヶ崎海岸

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第151回『徳は身を潤す』(大学)

2024年08月12日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第151回

『徳は身を潤す』(大学)


これは、四書五経の「大学」からの一節で、

「富は家を潤し、徳は身を潤す」という
文章の一部になります。


昭和の碩学である安岡正篤氏は、

政財界の門弟によく下記のような
色紙を書いておられたようです。

「両潤 富潤家徳潤身」

安岡氏は、これを解釈して、下記のように説明していたようです。

「知識の学問と知恵の学問は、非常に違う。

知識の学問はわれわれ
理解力、記憶力、判断力、推理力など、

つまり悟性(ごせい)の働きによって、
誰でもひと通りできるものだ。

その意味で、機械的な能力である。


しかしそういうものではなく、もっと経験を積み、思索反省を重ねて、

われわれの性命(万物が天から受けたそれぞれの性質)や、

人間としての
体験の中からにじみ出てくるもっと直感的な、

人格的な学問を知恵の学問という。
だから、知識の学問より、

知恵の学問になるほど、生活的、精神的、人格的になってくる。


それを深めてゆくと、普通では容易に得られない、徳に根ざした、

徳のあらわれである
徳恵(とくけい)という学問になる。これが、聖賢の学である。

だから、学びは知識を増やすことから、知恵を学ぶところにいかなければいけない。

富は家を潤すが、徳は身を潤すようになる。

徳を積むことを心掛けると、同じ「大学」
に「心広体胖(はん)」とあるように、

心が広やかになり、体も胖(ゆた)かになっていくのだ。」


「大学」の本文は下記のようになります。


『富は屋を潤すも、徳は身を潤す。

心広くして体胖かなり、と。
故に君子は必ず其の意を誠にす。』


心にずしりと響く言葉ですね。

どうしても、つい忙しくなってしまうと大切な事を忘れてしまうこともあるので、

日々、徳を積み重ねることを意識して生活していきたいと思います



参考図書
『安岡正篤 珠玉の言葉』神渡良平著 講談社+アルファ新書
『大学に学ぶ人間学』田口佳史著 致知出版社

 


江島神社

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第150回『命もちとして生きる』(神道)

2024年08月05日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第150回

『命(みこと)もちとして生きる』(神道)


日本の神社は、2023年現在で約8万社近くあると言われています(神社本庁調べ)。

それぞれの神社には主祭神(しゅさいじん)というものがあり、

れぞれ縁のある神様をお祭りしています。

それぞれ、神様の働きなどすべてそれぞれに異なるものがあり、

主祭神を記す際には、多くは神様のお名前の最後に、命(みこと)と記されています。

もともと、「みこと」という言葉の意味としては、

神様や天皇の言葉の尊敬語として使われており、

一般名詞として、「みこともち」とは、天皇の命を受けて

土地の政治を司る者のことをいったそうです。

そのような背景から、これからの我々の生き方としては、

ひとりひとりが自分自身の天分を発揮して、

いのちを輝かして生きることが大切ではないかと感じています。

そういう意味も込めて、「命(みこと)もちとして生きる」という意志をもって生きることで、

それぞれ我々のいのちがより輝きだし、お互いに助けあいながら生きていけたら、

なんて素晴らしいんだろうと思っています。

 

参考図書 
『大祓知恵のことば』葉室頼昭著 春秋社



先日、YouTubeの専念経営チャンネルさんで、インタビューしていただきました。

「命(みこと)もち」などのことについても、お話をさせて頂きましたので、

よろしければチェックして頂けると嬉しいです。


【専念経営インタビュー/No.039】東洋思想を通じて命が喜ぶ実感を!人生を豊かに生きる。
専念経営チャンネル


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