人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第88回「縁について」

2023年05月28日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第88回

「縁について」


改めて縁に関して、いろいろと考察していきますと本当に深いものであり、

本当に有難いなと感じることばかりです。

今回は、安岡正篤さんと松下幸之助さんの

「縁」についての お言葉から考えてみたいと思います。


日本を代表する東洋思想の第一人者であった、安岡正篤さんは、

このような言葉を残されています。

「縁尋機妙(えんじんきみょう) 多逢聖因(たほうしょういん)」


良い縁がさらに良い縁を尋ねて発展していく様は 誠に妙(たえ)なるものがある。

これを「縁尋機妙」という言葉で表現しています。

また、いい人に交わっていると良い結果に恵まれる。

これを「多逢聖因」と表現しています。


人間は、できるだけいい機会、いい場所、いい人、いい書物に会うことを

考えなければいけないと安岡正篤さんは仰っています。

本当に含蓄のあるお言葉ですよね。その縁に気付き、

縁を活かせる自分になりたいと真摯に思います。


松下幸之助さんも、国民的大ベストセラーの『道をひらく』の中で、

「縁あって」という項目があり、少しご紹介したいと思います。

「お互いに、縁あってこの世に生まれてきた。

そして、縁あっていろいろの人とつながりを持っている。

「縁あって」・・・何だか古めかしいことばのようだけれど、

そこにはまた一つの深い味わいがひそんでいるように思える。

(中略)縁のあったことを謙虚に喜びあい、その喜びの心で、

誠意と熱意をもって、おたがいのつながりをさらに強めていきたい。」


50代になり、このブログを書きはじめて、東洋思想を本格的に整理して発信するようになり、

さらに学びが深まり、この「縁」についても実感が深くなってきて、

感謝の念がより深まってきました。

ここ数ヵ月は、今までお世話になってきた方々に

直接お目にかかり、感謝のお気持ちをお伝えするような場面があり、

本当に有難い気持ちで一杯です。

ご縁のある皆さま、
引き続きどうぞよろしくお願い致します。

有難うございました。



参考文献
『安岡正篤一日一言』 致知出版社
『道をひらく』松下幸之助著 PHP研究所

 

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第87回 「天に応じて時に行う ここをもって元いに亨るなり」(易経)

2023年05月21日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第87回

「天に応じて時に行う。ここをもって元(おお)いに亨(とお)るなり」(易経)


易経は宇宙の陰陽に関する、リズムや変化に関して説いた書物でとても深い書になります。

その中で、まさに易経を端的に表したような言葉が今回ご紹介するものであります。

「天に応じて時に行う」ということは、それを行うにあたって

まさに一番最適な時を射る行いをすることを表現しています。


農作業が一番わかりやすい例かと思いますが、春夏秋冬でその気候などにあわせて、

最適なタイミングを外さずに行うことで、収穫物の出来が変わってきます。

天の運行に応じて、その時をしっかり外さずに対応していくには、

宇宙のリズムに乗った生活や意識をしていくことがとても大事だということを、

この易経は説いています。その感覚を少しでも研ぎ澄ませるように、

日々精進していきたいものです。


参考文献
『易経の一日一言』竹村亞希子著 致知出版社

 

 

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東洋思想を学ぶセミナーのご案内

2023年05月19日 | 日記

5月31日(水)に勉強会を予定しておりますので、
もしご興味のある方は、ご参加をお持ちしています。
 
参加費3000円 
お支払いは当日現金にて
※別途懇親会あり 
 
 
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第86回「無為を為し 無事を事とし 無味を味はふ」(老子)

2023年05月14日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第86回 

「無為を為し、無事を事とし、無味を味はふ。」(老子)


この言葉は、老子の「恩始六十三」からの引用になりまして、

とても老子らしい表現で味わい深いものになっています。

「何も問題のない人生ほど、すばらしいものはない」というニュアンスで、

「無為」「無事」「無味」がこの世で一番大事だと老子は言っています。


「無為」は、自然のままで作為のないことで、

自然の成り行きに任せることという意味合いとして使われることが多いですし、

「無事を事とし」は、何事もないこと、

「無味を味はふ」は、格別の味わいがないこと。


どれも、一見 無味乾燥的な感じですが、

これがものすごく大切で味わい深いものだと、老子は言っています。


そして、この文章の後に続く文章を見ていきますと、

「小を大とし少を多とし、怨みに報ゆるに徳を以てす」と言っています。

「小さな物事を大きなことだと思え」「少ないものほど多いと心得よ」と言っています。

問題が大きくなる前に、小さな段階でしっかり対応することの大切さを説いていますし、

怨みに怨みで返さずに 徳をもって対応すれば、決して争いごとや問題にならないと、

物事の本質を説いています。


変化が早い今この時代に 改めて今、老子の本質を体感していきたいと思いました。



参考文献 
『老子の一言』田口佳史著 光文社

 

 

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第85回「千日の稽古を鍛とし万日の稽古を練とす能々吟味有るべきもの也」(五輪書)

2023年05月08日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第85回 

「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす。能々(よくよく)吟味有るべきもの也。」(五輪書)


宮本武蔵の『五輪書』は、晩年の武蔵が剣の達人としての極意をまとめたものである。

極意と言っても、たんなる抽象的な奥義を述べたものではなく、

実践的な構え方や視線の
おきどころや 相手の隙の突き方などや、

意識の置き方など具体的なものに満ちています。


そのひとつが、今回の言葉になります。


鍛錬というのは、もともとは金属を火や水を通して鍛え練り、

刀剣に仕上げていくことを意味していまして、

武蔵はこれを具体的な練習日数の単位として鍛と錬の二語にわけて意
味づけしなおしています。

一般的に技の習得にとって、具体的な目安でもあります。

スポー
ツや芸事でも千日(約3年)の練習を経た動きは

一生の技として身につくと言われていま
す。

万日という10年単位の稽古が積み重なると、

千日の稽古で得たものより格段に質的にも高
い技術と認識が生まれ、

それを重ねたことによって、質的にも深い変化が起きると言われ
ています。

それが、量から質の転化といわれているもので、

そのことを武蔵はこの極意の
中で伝えているように感じました。

続けることによって得られる気づきや感性が重なり合
うことで、

より深い認識力が生まれて、新たな境地に達していくのではないかと感じます


「継続は力なり」ですね。



参考文献
『声に出して読みたい日本語』齋藤孝著 草思社

 

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