【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第67回
「大晦の意味と来年(2023年)の干支について」(日本の暦より)
晦(みそか)とは、太陰太陽暦の暦法である中国暦、和暦の毎月の最終日のことであり、
月相を表すもので、「朔」(さく)は月が現れることを意味するのに対して、
「晦」は月が隠れることを意味します。
そこから、晦は、本来の意味としては「暗い」という意味合いで、
そこから転じて、よく分かっていない状態や物事に精通していない事を表現しています。
経営者や主婦の方でも、月字決算や家計簿でも月末になると月の清算をしますよね。
「大晦(おおみそか)」は、この集大成で、一年を振り返って、
「人間関係に暗かった」「計数が暗かった」など、除夜の鐘を聞きながら、
一年の自己を振り返って、次の年に改めるべき自分が明らかになると、
東の空から新年の太陽が昇り、
「明けましておめでとうございます」ということになります。
この暗いというところを自覚することで、自分の立ち位置をしっかり受け入れて、
そこからどこを明るくしていこうかなども含めて、
棚卸しをすることが この大晦の過ごし方として大事かと思われます。
それと同時に、毎年 田口佳史先生から、干支の情報を教えて頂くので、共有させて頂きます。
令和5年、2023年は癸卯(みずのと う /きぼう)という干支になります。
「癸」 みずのとは、「揆」はものを、「はかる」という意味で、
はかるには基準が必要となることから「のり」規則の側の意味ともなり、
諸事を取り仕切る意味ともなり、国を取り仕切るは「総理」、
各省庁を取り仕切るは「大臣」、各企業を取り仕切るは「社長」、
これみな「揆」である。したがって、今年はトップが諸事取り仕切れるかが問題となる。
取り仕切れなければ、「一揆」ということになる。
「卯」うは、真ん中の二本の棒が門柱を表しており、これまで閉じられていた門が、
今年はじめて開いた。開いてみれば中は、未だ未整備、雑草や樹木の無駄におい茂った野原がある。
これを整備開拓して有効地にする意味がある。
「癸卯」では、何らかの新しい可能性が出てくるが、これを見事に開拓できるかどうか、
また正しい道理に則り、諸事が進めば、順調な一年にもなろうが、
少々でも誤れば混乱ともなり、一揆ともなる。
2024年の甲辰(きのえ たつ /こうしん)は、天災の意も読めるそうで大混乱になる。
そこで何とか2023年を平穏に乗り切りたいものである。
というのが、田口先生から教えて頂いた干支の情報です。
かなり難しい年回りになってきそうですが、しっかりそれぞれの立ち位置で、
宇宙の道理に則して、自分がやるべきことをしっかりやっていくこと、
そして今まで避けてきたことなどにも しっかり向き合うことなどをやっていけば、
新しい時代の流れや波にも乗れる機会も多い感じがしますので、
そこを自覚してしっかり過ごしていきたいと思います。
参考文献
『干支の活学』安岡正篤著 プレジデント社
『東洋からの経営発想』田口佳史著 悠雲舎