人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第67回「大晦の意味と来年(2023年)の干支について」(日本の暦より)

2022年12月27日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第67回 

「大晦の意味と来年(2023年)の干支について」(日本の暦より)


晦(みそか)とは、太陰太陽暦の暦法である中国暦、和暦の毎月の最終日のことであり、

月相を表すもので、「朔」(さく)は月が現れることを意味するのに対して、

「晦」は月が隠れることを意味します。

そこから、晦は、本来の意味としては「暗い」という意味合いで、

そこから転じて、よく分かっていない状態や物事に精通していない事を表現しています。

経営者や主婦の方でも、月字決算や家計簿でも月末になると月の清算をしますよね。

大晦(おおみそか)」は、この集大成で、一年を振り返って、

「人間関係に暗かった」「計数が暗かった」など、除夜の鐘を聞きながら、

一年の自己を振り返って、次の年に改めるべき自分が明らかになると、

東の空から新年の太陽が昇り、

明けましておめでとうございます」ということになります。

この暗いというところを自覚することで、自分の立ち位置をしっかり受け入れて、

そこからどこを明るくしていこうかなども含めて、

棚卸しをすることが この大晦の過ごし方として大事かと思われます。


それと同時に、毎年 田口佳史先生から、干支の情報を教えて頂くので、共有させて頂きます。

令和5年、2023年は癸卯(みずのと う /きぼう)という干支になります。

「癸」 みずのとは、「揆」はものを、「はかる」という意味で、

はかるには基準が必要となることから「のり」規則の側の意味ともなり、

諸事を取り仕切る意味ともなり、国を取り仕切るは「総理」、

各省庁を取り仕切るは「大臣」、各企業を取り仕切るは「社長」、

これみな「揆」である。したがって、今年はトップが諸事取り仕切れるかが問題となる。

取り仕切れなければ、「一揆」ということになる。

「卯」うは、真ん中の二本の棒が門柱を表しており、これまで閉じられていた門が、

今年はじめて開いた。開いてみれば中は、未だ未整備、雑草や樹木の無駄におい茂った野原がある。

これを整備開拓して有効地にする意味がある。

「癸卯」では、何らかの新しい可能性が出てくるが、これを見事に開拓できるかどうか、

また正しい道理に則り、諸事が進めば、順調な一年にもなろうが、

少々でも誤れば混乱ともなり、一揆ともなる。

2024年の甲辰(きのえ たつ /こうしん)は、天災の意も読めるそうで大混乱になる。

そこで何とか2023年を平穏に乗り切りたいものである。

というのが、田口先生から教えて頂いた干支の情報です。


かなり難しい年回りになってきそうですが、しっかりそれぞれの立ち位置で、

宇宙の道理に則して、自分がやるべきことをしっかりやっていくこと、

そして今まで避けてきたことなどにも しっかり向き合うことなどをやっていけば、

新しい時代の流れや波にも乗れる機会も多い感じがしますので、

そこを自覚してしっかり過ごしていきたいと思います。



参考文献
 『干支の活学』安岡正篤著 プレジデント社
 『東洋からの経営発想』田口佳史著 悠雲舎

 

 

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第66回「切磋琢磨」(論語)

2022年12月17日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第66回 

「切磋琢磨」(論語)


一生懸命にお互いに健闘をたたえあいながら、頑張っていくことを表す四字熟語で

なじみがある言葉かと思います。

今週は、切磋琢磨(せっさたくま)するという言葉をご紹介致します。


これは、論語という書物の中に出てくる言葉で、

「切(せつ)するが如(ごと)く、磋(さ)するが如く、

琢(たく)するが如く、
磨(ま)するが如し。」

という言葉からの引用です。


「切磋琢磨とは、「切」はナイフなどで切り出すこと、

「磋」はやすりなどで削ることで、

この「切磋」は動物の骨や象牙を美しく装飾すること。

「琢」は のみなどで叩くこと、「磨」は砂などで磨くことで、

「琢磨」は玉(ぎょく)や宝石を磨くことを表します。

磋(と)いだり、琢(う)ったり、磨いたりして立派な工芸品などをつくるように、

人間も学問や仕事、そして生活を通じて、人間性を育みながら、

品格を磨いていくことを表した言葉となっています。

どんなに裕福になっても、地位が高くなっても、このような気持ちを持っていることで、

自分自身の在り方や言葉遣い、心を整えることができるということで、

磨くということは 自分としては 常に初心を忘れない ということと理解をしており、

心を浄化する という意味合いとしても理解しているので、いつも心掛けたい言葉ですね。

そして、一人ではなかなか ぶれることも多いので、

一緒に学び合い、
そして高め合えるような仲間の存在も大きいと思います。

同じ先生のもとで学び合う仲間の事を、東洋思想的には朋友(ほうゆう)とも言い、

とても重要な存在でもあります。

仲間と師というのは、本当に有難い存在ですね。

 

参考文献
 『論語の一言』田口佳史著 光文社

 

 

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第65回「袖振り合うも他生の縁」(仏教)

2022年12月10日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第65回 

「袖振り合うも他生の縁」(仏教)


昔から、「縁は異なもの味なもの」という言葉があるように、

縁という言葉は仏教用語では多く使われてきましたが、

今回ご紹介する言葉も、昔からのことわざのような言葉ですが、

仏教の言葉になります。

「袖振り合うも他生の縁(そでふりあうもたしょうのえん)」と読みます。


道で知らない人と袖がふれあうような、ほんのささいな偶然の出会いであっても、

それは前世からの深い縁で起こっているという意味になります。

例えば、お互いに食事をしあうような関係性は、

仏教においてはお互いに500回くらい前世で過ごしているという話もあるようなので、

やはり人は人との関係性を通じて、自分という存在を確認してきたと思います。


日本人は、すべてのものに神や仏を見出してきました。

人だけではなく、お花やお花を活けている花瓶などにも同様です。

ですので、人でも物でも、あたたかな愛情をかけると、

すべては響き合っているという見方をしてきました。

だからこそ、すべてはつながりあって、響き合っているのです。

ありがたいことに、「他生の縁」のおかげで、このブログを通じて、

皆様ともつながることができました。

このブログの言葉を通じて、皆さんの心がほっこりしたり、

笑顔になったり、悩みが少しでも軽くなったり、

明るい方向に向いて頂けたら、とても嬉しく思います。

人生は良いときばかりではなく、苦しい事や悲しい事、つらいことも少なくありません。

そんなときは、このブログにあった言葉を思い出していただけたらと思って、

祈りを込めながら、毎週毎週書かせて頂いています。

みなさまのこころが少しでも癒されて、安らぎに包まれますように

こころからいつも祈っております。

参考文献
 『すべておまかせ』信楽香仁著 TWO VIRGINS

 

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第64回「天の時 地の利 人の和」(孟子)

2022年12月03日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第64回
 
「天の時 地の利 人の和」(孟子)


四書五経とは、数ある中国古典の中から、特に儒教で重視されている9つの文献のことで、

四書とは、「大学・中庸・論語・孟子」、

五経とは、「易経・書経・詩経・春秋・礼記」
になります。

今回は、四書の中にある「孟子」からの一節になります。


「天の時は地の利に如(し)かず、地の利は人の和に如かず」

戦いに勝つための条件として、昔からこの3つのことが言われてきました。

孟子(もうし)は、この3つに優先順位を あえてつけています。

経営や人生においても、何か始めようというときに この言葉は参考になるかと思います。

「天の時」とは、まさにタイミングが大事だよ と言っています。

時代の波や、景気などの
状況をどう見極めるかなどが とても重要だということになります。

ビジネスなども、どの
タイミングでスタートするかによって、

どれだけの利益を得られるかなども 決まってきま
す。

次に、「地の利」です。いくら天の時に恵まれても勝てないのは、

地の利を得ないからだ
というのです。戦い不利な地形に布陣したのでは、

これまた初めから苦戦を免れません。
ビジネスにおいても、

お店を出すなどにしてもどこで お店を出すかはとても重要になって
きます。

ただ、この天の時と地の利が整ったとしても、

もっと大事なものがあると孟子は
言っているのです。

それが、「人の和」です。まさに、これは 内部の結束力になります。

組織の中で、いくら
資金面や戦略や、業績が良かったとしても、

この人間関係が整っていないと 一時的なもの
となってしまう可能性があります。

ただ、この組織の和 ばかりが強調されてしまうと、

人一人の個性も消されて 埋没してしまいます。

理想的な組織とは、個性が発揮されるよう
な環境がありながらも、

組織的に調和してお互いに活かしあって、支え合っている組織と
いうことになります。

ですので、組織で成果を得るためにも、この「人の和」はとても重
要なものになってきます。

現代的にいえば、日本の組織は 伝統的には、この「人の和」というものを重視してきていたので、

これが日本企業の強さと呼ばれた時期もありましたが、

様々な環境的な変化や時
代の流れで、多様性が求められるようにも、

「人の和」の定義もどんどん変化してきてい
るようにも感じます。

異質な背景やバックグラウンドを持った人たちだからこそ、

お互い
に認め合いながら、活かしあうような時代になっているように感じます。

個人的には、3
つ目の「人の和」を 特に大事にしていきたいと思っていますし、

だからこそ この東洋思想
を通じて、自分を磨きながら、

みんなで仲良くしていけるような 社会を作っていきたいと
考えています。


参考文献
 『四書五経の名言録』守屋洋著 日経ビジネス人文庫

 

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