【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第92回
「夏越の大祓い」(神道)
夏越の大祓(なごしのおおはらえ)とは、1年の半分にあたる6月30日に、
半年の間に身に溜まった穢れ(けがれ・気枯れ)を落とし、
残り半年の無病息災を祈願する神事でもあります。
(参照 第36回 「大祓詞」)
大祓祝を唱え、人形(ひとがた・人の形に切った白紙)などを用いて、
身についた穢れを祓い、無病息災を祈るために、茅の輪を神前に立てて、
これを三回くぐりながら行います。
「水無月の夏越の祓する人は千歳の命のぶというなり」
(夏越の祓をする人は、命が千年伸びると言われる)
とも言われており、日本人が生活の中で自然との調和をするために、
神道を通じて活かしてきた知恵だと思います。
夏越の大祓に際して、白いものを食べるといいとも言われており、
例えば豆腐などを食べるとよりいいとされているので、
そんなことを意識して心身ともに浄化する機会にしてみてはいかがでしょうか。
祓いと笑いは、言霊としては非常に近いと言われているので、
ご家族や仲間と一緒に半年の穢れを笑い飛ばすのも良いと言われています。
今週末の6月30日は、お近くの神社や、崇敬する神社にしていかれると
夏越の大祓式をされているかと思いますので、ぜひ行かれてみてください。
きっと気持ちがリフレッシュして、新たな気持ちで、後半の半年間を過ごせます。
参考文献
『大祓知恵のことば』葉室頼昭著 春秋社