人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第118回『風を観る』(易経)

2023年12月25日 | 日記

【人生を開く東洋思想からの伝言】

第118回

『風を観(み)る』(易経)


易経の、「風の地上を行くは観(かん)なり。」

という言葉からの引用になります。


観とは、風が地上をあまねく吹き渡ること。

風地観の卦(か)は、時の変化、方向を知り、

兆しを察する洞察力を説いていますが、

洞察とは風を観ることだと、易経の専門家、竹村先生は仰っています。


風は常に流れゆく。目には見えず、耳で聞くこともできないでけれども、

体感によってその強さや方向を知ることができるとのこと。

まさに、東洋思想の本質は、目には見えなことを感じる、観ることです。

観えないものを観える人のことを、

「玄人(くろうと)」と日本語では読んでいます。

この「玄(げん)」という感じは、「くろい、くらい」とも読んでおり、

暗い中でも、本質が観える人のことを言います。


東洋思想を学ぶ事で、一番大切な事は、この観えないものを観える

感じることができるようになることかと、個人的には感じております。

本物の玄人に少しでも近づけるように、来年以降も精進していきます。


参考資料
『易経一日一言』竹村亞希子著 致知出版社

 


MOA美術館 阿弥陀如来像

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第117回『死ぬときに幸福な人』(小澤竹俊)

2023年12月18日 | 日記

【人生を開く東洋思想からの伝言】

第117回

『死ぬときに幸福な人』(小澤竹俊)


今回は、東洋の言葉というよりは、「死」というものに向き合う意味で

数年前にベストセラーになった本からの言葉をご紹介させていただきます。

緩和ケアの現場で、3000人以上の患者さんの人生の最終段階に関わってきた

ホスピス医の小澤竹俊さんによる本からの言葉です。


死ぬときに幸福な人に共通する7つの事として、下記のものがあげられています。

1)自分で自分を否定しない
2)いくつになっても、新しい一歩を踏み出すこと
3)家族や大切な人に、心からの愛情を示すこと
4)一期一会の出会いに感謝すること
5)今、この瞬間を楽しむこと
6)大切なものを他人にゆだねる勇気と覚悟をもつこと
7)今日一日を大切に過ごすこと

どれも、本質をついており、

もう一度初心に戻るきっかけになるような言葉にな
る感じがしました。

いつからでも、人生はやり直せると思いますので、

自分自身ももう一度
すべてのことを見直して、

今日一日を大切にすごしていこうと思います。


参考資料
『「死ぬときに幸福な人」に共通する7つのこと』小澤竹俊著 アスコム


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第116回『絶対積極』(中村天風)

2023年12月11日 | 日記

【人生を開く東洋思想からの伝言】

第116回

『絶対積極(ぜったいせきぎょく)』(中村天風)


最近では、大谷翔平選手をはじめ数多くのリーダーに影響を与えてきた

哲人中村天風先生の言葉は、まさに言葉を越えたエネルギーの塊でもあります。


特に、現代人に生命力が減退していることを憂えていた天風先生は

「体力・胆力・精力・能力・判断力・断行力」という

人間を支える
6つの力を使って生きることが基本だと考えていたからである。

積極という言葉も、あえて「せきぎょく」と読ませていました。

その背景としては、心の態度を常に、「晴れてよし、曇りてよし、富士の山」

にすることだと仰っていました。

何があっても、動揺せず、常に平常心でいること。どんな大事な局面に臨んでも

あわてず恐れず、泰然自若として淡々と対応することだと。

先日、天風先生の命日でもあったので、

その数日後に護国寺のお墓に行って参りました。

そのお墓の前で、いろいろと感謝のご報告をし、

少しでも天風先生の生き方、在り方、教えを少しでも活かせるよう、

これからも精進していきますと宣言してきました。


参考資料
『折れない心』中村天風著 扶桑社

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第115回『至人は、すなわち世に遊びて僻せず、人に順いて己を失わず』(荘子)

2023年12月04日 | 日記

【人生を開く東洋思想からの伝言】

第115回

『至人(しじん)は、すなわち世に遊びて僻(へき)せず、人に順(したが)い
て己を失わず』(荘子)


「至人(しじん)」とは、「道」を体得した人物であり、

道とともに生きている
達人のようなことを老荘思想においては、

理想の人物像として指しています。


この意味や本質としては、

「どんな社会に身を置いても、つねに自分のペースを守ってハメをはずすこともなく、

周りの人たちと協調しながらも、主体性を失うことがない」


という人のことを指しています。

「人に順いて己を失わず」

このスタンスができるのが、いわゆる至人であり、

人生の達人の領域のように感
じます。

流れに従いつつも、物にとわられず、でも人に逆らわない。

一見、矛盾するようなことも、道とともに生きているので、

心は自由で
でも、縛られていない。

そのようなスタンスが本当にすごいですね。

私も、少しでもそのような達人を目指して精進していきたいと思います。


参考資料
『荘子の人間学』守屋洋著 日経BP社社

 

 

寒川神社 神嶽山神苑

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする