【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第127回
『蝸牛角上の争い』(荘子)
(かぎゅうかくじょうのあらそい)
むかし、魏という国の恵王という王様が斉という国を攻撃したとき
ある賢者が願い出て、こう語りかけたそうです。
「王は かたつむりというものをご存じでしょうか?」
「知っておる」
「そのかたつむりの左の角には触氏という者の国があり、
右の角には蛮氏という者の国があって、
絶えず領土争いを繰り返しておりました。
あるときなどは、激戦で双方に数万の死者を出すに及んで、
ようやく兵を引いたと聞いております。
この地上の争いも、みなこのたぐいではないでしょうか?」
ある意味では、昔から今もこの状況は変わっていないとすると、
人間の本性はなかなか変わらないものですね。。。
その状況を少しでも、変えていく小さな偉大な一歩は
まずは自分が、平和な一日を過ごし、
平和を祈ることからはじまるかもしれませんね。
参考資料
『中国古典一日一言』 守屋洋著 PHP文庫