人生をひらく東洋思想からの伝言

様々な東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら一緒に人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第83回「花は半開を看、酒は微酔に飲む」(菜根譚)

2023年04月23日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第83回 

「花は半開(はんかい)を看(み)、酒は微酔(びすい)に飲む」(菜根譚)


花を観賞するなら五分咲きのころ

酒を飲むならホロ酔い加減のあたりで やめておくといいという言葉である。

酔っぱらって、ぐでんぐでんになるほど飲むなよ という教訓である。


これは、自分も酒が入るとついつい調子に乗ってしまうところがあり(苦笑)、

今までも人様や家族に 迷惑をかけたことがありましたので、

自分自身の戒めのために今回書いております(反省)。

例えば、結婚したてのころ、会社勤めをしていましたが、

当時の上司や先輩を飲みに行って、マッコリを飲んでついつい飲み過ぎてしまい、

電車で降りるべき駅を乗り過ごしてしまい、

気が付いたら、全く知らない場所にいて、何度か妻に車で迎えに来てもらったことがありました。。。

(今でも、家族にネタで話されて、笑い話になっていますが、、、、)


このくだりで、次のようにも書き記されています。

「盈満(えいまん)を履(ふ)むものは、よろしくこれを思うべし」

満ち足りた境遇にある人は、このことを良く肝に銘じて考えて欲しいということです。

花の見方や、酒の飲み方を語りながらも、人生の所作を説いているのが、

この菜根譚の深さであり、優しさを感じます。

ついつい、満ち足りた境遇の時は、謙虚さを失い傲慢になりやすいので、

気を付けていかないといけない ということで、

そういうときこそ、
初心を思い出して行うことが大切なんでしょうね。



参考文献
『中国古典一日一言』 守屋洋著 PHP研究所

 

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第82回「お釈迦様が教えるお金持ちになる方法」(仏教)

2023年04月16日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第82回
 
「お釈迦様が教えるお金持ちになる方法」(仏教)


仏教においては、お金を罪悪視もしていません。

そして、お金を稼ぐことも否定はしていません。

ただ、煩悩や欲にまみれて執着しすぎたりせず、

社会のためになるようなお金を儲けることが大事だと言っています。

同時に、いかに社会に還元していくか、利他の心が重要であるということ、

いわゆるバランスが大事だと言っています。


今回は、YouTubeチャンネル大愚和尚の一問一答でも有名な、

大愚元勝さんの『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社)の本を参考にしながら、

仏教を通じてのお金との向き合い方、付き合い方について考えていきたいと思います。


『大荘厳論(だいしょうげんろん)』という経典には、

「人間が幸せになるためには、次の4つが大事である」と記されています。

1) 健康第一の利・・・健康であること

2) 知足第一の富・・・生活を安定させること

3) 善友第一の親・・・善き友を築いていくこと

4) 涅槃第一の楽・・・自分以外の人たちの役に立ちながら、生きていくこと

この4つの教えの中から、

お釈迦様が考える「お金との向き合い方」を読み解いていくことができます。


アメリカ富裕層研究の第一人者である トマス・Jスタンリー博士とウィリアム・Dダンコ博士は、

1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートを実施し、

資産、年収、職業、消費行動のタイプを調査しました。

彼らは、億万長者の共通点を次の7つにまとめています。


(かっこ内で、お釈迦様の上記4つの視点との関連を入れてあります)

1 収入よりはるかに低い支出で生活する(知足)

2 資産形成のために、時間・エネルギー・お金を効率よく配分している(健康、善友)

3 お金の心配をしないで済むことの方が、世間体を取り繕うことよりも
   ずっと大切だと考えている(知足、健康)

4 社会人になったあと、親からの経済的援助を受けていない(善友)

5 子供たちは経済的に自立している(善友)

6 ビジネスチャンスを掴むのが上手だ(健康、知足、善友、涅槃)

7 ぴったりの職業を選んでいる(健康、知足、善友、涅槃)



これをみると、『健康で、いい人間関係(家族関係も含む)を持ちながら、

心の状態がよく、社会との関わりもバランスよく調和している方が

お金と健康的に付き合っているので、自然とお金持ちにもなっている』と考えられます。

それは、2500年前でも、アメリカでも時代や国境を越えても、

共通していることが浮かび上がってきます。

ということは、
物事の本質であり、宇宙の道理なんでしょうね。


「たくさん稼いでいる人」が決してお金持ちなのではありません。

仏教では、「自分の収入に見合った等身大の生活が出来る人」

「困っている人のためにお金を使う心の豊かさを持っている人」のことをお金持ちと解釈をしています。


だからこそ、禅寺には「お金持ちには4つの種類がある」と言い伝えられているそうです。

1) お金持ちのお金持ち・・・お金を持っていて、そのお金を「人の役にたつこと」に使える人

2) お金持ちの貧乏人・・・十分なお金を持っているのに、「もっと欲しい」と欲張る人。
             自分の欲を満たすためだけにお金を使う人。

3) 貧乏人のお金持ち・・・あまりお金は持っていないが、困っている人がいたら、私財を投げ出す人。

4) 貧乏人の貧乏人・・・お金もなく、心の豊かさもない人。


現代においても、お金と心のバランスはとても大事なテーマだと思います。

だからこそ、お金に振り回される人生ではなく、

そしてお金がないと生きていけないと思い込んでいる側面も強いので、

そのあたりの感情にも気づきながら 、その感情を浄化していくことも大切だと思います。

お金とどのように付き合い、心のバランスや人間関係、

健康など目に見えないものと調和をいかに保っていくかが、

これからの時代でとても大切なテーマかと思い、

今回 お金について改めて考えてみました。いかがでしたか?


東洋思想を通じて、お金との付き合い方、向き合い方については

これからもいろいろと考えていきたいと思います。


参考文献
『苦しみの手放し方』 大愚元勝著 ダイヤモンド社

 

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第81回「大器晩成(たいきばんせい)」(老子)

2023年04月09日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第81回 

「大器晩成(たいきばんせい)」(老子)


この言葉は、老子 同異第四十一からの言葉になります。

この言葉は、なんらかで日常の会話の中にも出てくる言葉でもあります。

では、この言葉の本質はどんな意味なのでしょうか?


同異第四十一は、こんな文章から始まります。

「上士は道を聞けば、勤めて之を行ひ、中士は道を聞けば、存するが若く亡きが若く、

下士は道を聞けば、大として之を笑ふ。」


「道」いわゆる、宇宙の根源を意識して生きている人は、道の教えを聞けば 素直に実行するが、

中途半端に信じて疑う人は、半信半疑になってしまう。

そして、宇宙の根源や道理に全く関心がない人は、最初から信じることもなく

大笑いをして馬鹿にするような態度をとる、ということが書かれています。


その後の文章が痛快で、

「笑はざれば以て道と為すに足らず。」

ゆえに、人から大笑いされるようでなければ、

「道」いわゆる宇宙の根源に基づいて実践しているとはいえないのだ、

と言っています。老子らしい文章ですね。



世の中で認められようとか、好かれようということは一切考えずに、

ただただ宇宙の根源、道理に沿った生き方をすることが一番だ という在り方。

本当に本質をズバッと言っています。


そして、今回の言葉が出てくる文章は こんなくだりから始まります。

「大方(たいほう)には隅(ぐう)無く、大器は晩成し、

大音は聲(こえ)希(な)く、大象(だいしょう)は形無し。」



意味合いとしては、

あまりにも大きな箱は、四隅が見えないから無いようにみえ、

器の大きな人は、
本領発揮に長い時間がかかってしまう。

あまりにも大きな音は 音が無いようにも思えるし、

大きな形は、形が全部見えないから形が無いようにみえてしまう。という意味になります。



実は、私は小さい時から要領があまり良い方ではないので、

様々な試験では苦戦し、恋愛もなかなか上手くいかないし、

グズでのろまなで、コンプレックスの塊の人間でした。

そんな自分をいつも励まし、支えてくれた言葉が、今回紹介する「大器晩成」という言葉でした。


そんな自分でしたが、ここ最近思うようになったのは、

自分が経験してこと良い事も辛かったことも、それがすべて材料になって、

肥やしになっているなと すべて感謝だと思えるようになってきました。

だからこそ、これからもあせらずに じっくり熟成させていきたいものですね。


参考文献
『ビジネスリーダのための 老子道徳経講義」田口佳史著 致知出版社

 

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4/24(月)東洋思想を学ぶセミナーのご案内

2023年04月05日 | 日記

4月24日(月)に勉強会を予定しておりますので、
もしご興味のある方は、ご参加をお持ちしています。
 
第4回は下記のテーマを中心にお話をする予定です。

・東洋思想とドラッカーの共通点
・運と徳、縁について
・今までの振り返りなど
 
 
 
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第80回「積善の家には必ず余慶あり、積不善の家には余殃あり。」(易経)

2023年04月03日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第80回 

「積善の家には必ず余慶あり、積不善の家には必ず余殃あり。」(易経)
(せきぜんのいえにはかならずよけいあり、せきふぜんのいえにはかならずよおうあり)


この言葉は、易経からの言葉になります。

「善行を積み重ねた家には、その功徳により幸せが訪れ、

不善を積み重ねた家には その報いとして災難がもたらされる」ことを説いています。


まさに、日々の生活や仕事を通じて、善を積み重ねていくことが大切だと

昔の方は伝えています。

では、善とは何でしょうか?それは、目の前の事で

自分ができることを 精一杯していくことかもしれません。

ちょっとしたことでも、自分ができることに意識を向けることで、

何かしら行動が生まれ、お役に立てることが 必ずでてくるのだと思います。

同時に、善とセットである「悪」のこころが芽生えないようにしたり、

悪の行動をできるだけ控えたり、抑えることも大事だと思います。

なぜなら、人間には必ずどんな人にも、「善」があれば「悪」もあるからです。

光があれば、影がある、この宇宙には かならずどんなものにも 二面性があるので、

そこを自覚していくことで、バランスが取れていくのだと思います。


「陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転ずる」という言葉があるように、

あまりにも極端にやりすぎるのも、バランスが悪くなるかもしれませんし、

そのあたりのバランスを取りながら、

できることを真心こめて 丁寧にやっていきたいと思っています。


参考文献
『人間学を学ぶ 月刊誌 致知「特集 運と徳」2019年4月号』致知出版社

 

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