人生をひらく東洋思想からの伝言

様々な東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら一緒に人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第25回 「根源様」(松下幸之助)

2022年02月24日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第25回 

「根源様」(松下幸之助)
(こんげんさま)

松下幸之助さんは、パナソニックの創業者としても有名です。

そして、「経営の神様」とも言われた方なので、その在り方からは学ぶことが多いように思います。

今回は、松下幸之助さんが大切していた 信仰心の源泉を探りたいと思います。

 

松下幸之助さんは、「根源様(こんげんさま)」という社(やしろ)を設立し、

常に祈りと共に感謝を捧げていたようです。

 

それが置かれた場所は、一つは松下電子本社創業の森、二つ目はPHP研究所、

三つ目は松下電器(現、パナソニック)の迎賓館、真々庵にあると言われています。

 

松下幸之助さんは、「人間は万物の霊長であり、この天命を自覚し、宇宙の動きと自然の理法に順応し、

生成発展する一切のものを生かす役割が与えられている」

さらに、「物心一如の真の繁栄を産み出すことが人間の使命である」と言われています。

 

根源(こんげん)とは何かを認識してその偉大な力に生かされそれに感謝する。

そして人間という万物の霊長なれば、万物の「経営」を人間は任されている。

松下幸之助の人間観は「根源(こんげん)」から人を捉えて、

その洞察力で 日本人が旧来からもっていた 衆知や和合という精神を

万物の霊長たる人類が
世界に果たす役割として 考えていたのかもしれません。

 

最後に、その祈りの全文を ご紹介致します。

 

「宇宙根源の力は、万物を存在せしめ、それらが生成発展する源泉となるものであります。

その力は、自然の理法として私どもお互いの体内にも脈々として働き、

一木一草のなかにまで、生き生きとみちあふれています。

私どもは、この偉大な根源の力が宇宙に存在し、それが自然の理法を通じて、

万物に生成発展の働きをしていることを会得し、

これに深い
感謝と祈念のまことをささげなければなりません。

その会得と感謝のために、ここに根源の
 社(やしろ)を設立し、

素直な祈念のなかから、人間としての正しい自覚を持ち、

それぞれのなすべき道を、力強く歩むことを誓いたいと思います。

 

             昭和56年5月5日  松下幸之助 」

 

 

私自身も、東洋思想全般(儒教、仏教、道教(老荘)、禅、神道)にわたって興味関心があり、

長年にわたって探求をしています。その根源は、すべてに通じていると感じています。

 

日々、いろいろな気付きが深まり、自分自身の軸が少しづつ出来ているのかと感じます。

これからも、探求をしながら自分自身の在り方を深めていければと思います。

 

 

参考文献 『松下政経塾ホームページより』  

 

 

    

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第24回「貪瞋癡」(仏教)

2022年02月17日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第24回 

「貪瞋癡」(仏教)

 

 

「貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)」

この3つの漢字を合わせて、仏教では「心の三毒(さんどく)」と言われています。

 

 

貪(とん)とは、貪(むさぼ)る心

漢字で ばらしてみると、「今」に「貝」と書きます。

貝とは、昔はお金の代わりに使用してたものなので、お金として考えますと、

「今、お金のことしか考えていない」という字でもあります。

貪る心の状態とは、今あるものでは満たされずに、

「もっと欲しい もっと欲しい」という心の状態なので、いくらあっても満足しない状態でもあります。

昔からそういう人を、「今だけ・金だけ・自分だけ」と呼ぶそうですが、

きっと、そうすると 運も逃げてしまうので 気をつけないといけませんね。

 

瞋(じん)は、怒りの心

貪るような心の状態の人は、常に怒っていそうですよね。

イライラして いつも他人のせいにしている。昔から、怒りは毒として見なされたいたそうです。

そして、怒りは心身ともに蝕(むしば)んでいく可能性があるので、気をつけないといけませんね。

 

痴(ち)。これは、愚痴の心

「疒(やまいだれ)」という部首は、病気になっている象徴です。

何が病気になっているかと言うと、真ん中に入っている漢字が「知(知恵)」です。

だから、知恵が病気になっているということは、いい判断ができない状態。

だから、いつも愚痴ばかりいって、自分で反省をせずに、

人のせいにして、いつも責任転嫁をして、イライラしている、

自分のことばかり考えている状態が、「三毒(さんどく)」の状態です。

いかがですか?耳が痛いですよね(苦笑い)

でも、これって誰でも他人事ではないですよね。。。

だから、いつ何時 そんな状態になってもおかしくないのが、我々人間です。

だからこそ、いつも自分を振り返り、心身ともに状態を整えて、謙虚にして、浄化していかないと、

気がついたら 三毒におかされているということになりかねませんので、

お互いに気をつけていきましょう (*^^*)

 

 

参考文献 『ポケット般若心経』(大栗道榮著 中経文庫) 

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第23回「上善は水の若し。水善く萬物を利して争わず」(老子)

2022年02月10日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第23回 

「上善は水の若し。水善く萬物を利して争わず。」(老子)

(じょうぜんはみずのごとし。みずよくばんぶつをりしてあらそわず)

 

最も理想的な生き方とは、水のように生きることかもしれません。

水はいつも形を変え、低い所へと流れ、へりくだっているから他人とぶつかることもありません。

水は自分の形にこだわらないので、どんな形でもどこへでも入っていけます。

余計なプライドやプライバーシーがありません。

時には急流ともなれば、固い岩石をも打ち砕いたりするくらい エネルギーを秘めています。

 

そこから、3つのことが考えられます。

 

1) 極めて柔軟であるということ。こだわりがないから、どんな状況でも受け入れて対応することができ、
  逆らうこともない。

 

2) そして、謙虚ということ。誰とも争わないから、揉めることもないので、戦うこともない。
  どんなときでも自分の脳力や地位を誇示しようということもしない。だから、誰とでも調和している。

 

3)ただ、いざとなると一気にエネルギーを表現することもあるので、何もないわけではない。
  むしろ、存在感と影響力がすごくある。水なしでは我々は生きられない。

 

水のという表現をすることもあり、水からたくさんのことを私達は学ぶことがあります。

これからの時代、水のような在り方が求められるかもしれません。

その共鳴によって、我々はどのような人生を生きるかが決まってくるように感じます。

 

 

参考文献 『ビジネスリーダーのための老子道徳経講義』(田口佳史著 致知出版社) 

 

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第22回「君子は豹変し、小人は面を革む」(易経)

2022年02月03日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第22回

「君子は豹変し、小人は面を革む」(易経)

(くんしはひょうへんし、しょうじんはおもてをあらたむ)

 

君子(人を導くような人)は常に自分を振り返り、自己変革を意識して行動している。

小人(自分の事だけを考えて行動する人)は、表向きには改めるが、

本質は何も変わる気持ちがないというような意味合いです。

 

現代的には、「君子豹変」とは あまりいい意味合いでは 使われることがありません。

すぐにころころ態度を変えて反対に回る というようは意味合いで使われることが多いです。

ただ、もともとの意味は これとは違っていたようです。

 

「豹変(ひょうへん)」とは、豹の毛が秋になると抜け代わり、

ぶちの模様が一転して あざやかな色に変わることをしめしていて、

それと同じように、「君子」は、仮に過ちを犯してもすぐに改め、

あざやかに面目を一新していくという意味だそうです。

 

自分自身がどう生きたいのか? どういう自分になりたいのか?

などを常に考えながら生きている人は、常に自分自身を振り返り、

変えていく勇気がある人なのではないでしょうか。

そんな人を目指していくため、今回の言葉も身に染みて生きていきたいものです

 

参考文献 『経営に生かす易経』(竹村亞希子著 致知出版社)

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