第105回
(とくをふくむことのあつきものは、せきしにひす)
柔軟性にも富んでいると言っています。
自己のあり様にしている理想的な生き方であり、
「徳」
頭を柔軟に保ち、
【参考文献】『老子の無言』田口佳史著 光文社
【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第104回
「四時の序、功を成す者は去る」(十八史略)
(しじのじょ、こうをなすものはさる)
季節は常に移り変わるものです。
四時の序とは、春夏秋冬の順序の事を指しています。
春は春で、しっかり春にしかできない役割を精一杯果たして、次の夏に繋いでいきます。
夏は夏で同様に夏の役割に徹することで、次の秋に繋いで、冬へと移行していきます。
そして、また春へとなっていきます。
このように、四季が巡るように、
人の役割も、次の人へとバトンタッチしていけないといけません。
それが、宇宙の道理でもあるからです。仏教的には、諸行無常という言葉がありますが、
まさにすべては移り変わるということを端的に説いています。すべては、無常であると。
今回、ご紹介させて頂く言葉は、まさにその本質を表現している言葉だと思います。
この一瞬の輝きがもたらされるのは、今までの先人の叡智や恩恵によるものだと思いますし、
それを見守ってきた大宇宙そのものへの感謝以外に、なにものでもないように感じます。
先日、人間学を学ぶ月刊誌である「致知」創刊45周年式典が行われ、
御縁を頂き、参列させていただきました。
まさに、そこには人間学を究めようとする同志と偉大な先輩方が
一堂に集まっている稀有な時間と空間でした。
まだまだ、日本も捨てたものではないと改めて感じました。
これから創刊50周年、100周年と時を重ねるごとに、
自分自身もさらなる精進を心に誓い、そして、さらに社会へお役に立てるよう、
益々人間力と品格を磨いていきたいと切に思いました。
参考文献
『致知2023年10月号』 致知出版社
【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第103回
「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛む」(言志四録、佐藤一斎)
【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第102回
「事業とは」(易経)
これは、易経の中からの言葉になります。
「化して、これを裁する。これを変と謂(い)い、推してこれを行う、これを通と謂い、
挙げてこれを天下の民に錯(お)く、これを事業と謂う。」
事業という言葉の由来や語源は、ここからきたともされており、
感慨深い言葉になります。
本来、事業とは 社会貢献を指すものであったそうで、
世の中のニーズに応じて、適宜に処置し変化させながら、
推進して物事を通じさせていく、この「変通」の道理によって、
社会の道を整え、国民を導いていくことを「事業」といったそうです。
そのような想いから導きだされた事業というのは、
100年先をも見据えて行われていくようなものも多く、
本当の意味で、国民の生活を豊かに幸せに導いていくものだと感じます。
参考文献
『易経一日一言』竹村亞希子著 致知出版社