人生をひらく東洋思想からの伝言

様々な東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら一緒に人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第146回『素直』(松下幸之助)

2024年07月08日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第146回

『素直』(松下幸之助)


日本における代表的経営者として、経営の神様とも言われてきた松下幸之助さんが

一番大切にされてきた言葉が今回ご紹介させて頂く、『素直』という言葉になります。


「素直な心とは、私心なく、くもりのない心、とらわれない心」

参考:下記は、第25回「根源様」(松下幸之助)においてのブログになります。



先日、ご縁がありまして茅ヶ崎市にあります、松下政経塾にはじめてお邪魔させて頂きました。

松下政経塾とは、松下幸之助さんが、1979年、84歳にして、私財80億を投入し

日本におけるリーダーの輩出を目指して、設立されました。

理想の社会を実現するには、国家経営に人を得なければならない、という答えにたどりつき、

当時は、自ら塾長として舵をとり、志をもつ若者たちとともに10年間過ごし、1989年に永眠されました。

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【塾訓】

素直な心で衆知を集め
自修自得で事の本質を究め
日に新たな生成発展の
道を求めよう


【塾是】

真に国家と国民を愛し
新しい人間観に基づく
政治・経営の理念を探究し
人類の繁栄幸福と
世界の平和に貢献しよう


【五誓】

1、「素志貫徹の事」

常に志を抱きつつ懸命に為すべきを為すならば、いかなる困難に出会うとも
道は必ず開けてくる。成功の要諦は、成功するまで続けるところにある。


2、「自主自立の事」

他を頼り人をあてにしていては事は進まない。自らの力で、自らの足で
歩いてこそ他の共鳴も得られ、知恵も力も集まって良き成果がもたらされる。


3、「万事研修の事」

見るもの聞くことすべてに学び、一切の体験を研修と受けとめて勤めしむところに
真の向上のがある。心してみれば、万物ことごとく我が師となる。


4、「先駆開拓の事」

既成にとらわれず、たえず創造し開拓していく姿に、日本と世界の未来がある。
時代に先がけて進む者こそ、新たな歴史の扉を開くものである。


5、「感謝協力の事」

いかなる人材が集うとも、和がなければ成果は得られない。常に感謝の心を
抱いて互いに協力しあってこそ、信頼が培われ、真の発展も生まれてくる。

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本気でリーダーの輩出を願い、

日本の未来におけるリーダーに託する松下幸之助さんの想いを感じると

心から敬意を表するとともに、本当に頭が下がります。

私自身は、卒塾生ではないですが、松下幸之助さんの想いに共感する一人として、

少しでも自らができることで、実践して社会のお役に立てるように精進していきたいと思います。


参考文献
『道をひらく』松下幸之助著 PHP研究所
公益財団法人松下幸之助記念志財団 松下政経塾資料より

 

 

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第145回『曲なれば則ち全く、枉なれば則ち直し』(老子)

2024年07月01日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第145回

『曲なれば則ち全く、枉なれば則ち直し』(老子)
(きょくなればすなわちまったく、おうなればすなわちなおし)


老子の「不争謙下(ふそうけんか)」の考え方を現している有名な言葉になります。

まさに、争わないで謙虚に生きることが、長生きの秘訣だとも言っています。

幹が曲がりくねっているような木は、材木としてはなかなか使い道が少ないが、

だからこそ、伐採されずに年輪を重ねていくことができる。

人間も一緒ではないかということを老子は説いています。

人間においても、優秀だとそれはそれで素晴らしい事でありますが

一見役に立たないとか、個性的で組織にとっては扱いにくい方は、

長期的な視点で見ると、余計な争いもないので、

愉快に生きていけるのではないかという考えになります。

後半の、「枉(おう)」とは、つまり尺取虫を例にあげています。

くねくねと身を曲げたり伸ばしたりしながら進んでいるようにみえても、

結果的にはまっすぐに進んでいる。

人間に例えると、だからこそ、どんな不器用でも、遠回りしていても、

長い目で観ればちゃんと生きているよと、老子は言っています。

この言葉に、自分もかなり救われました。

10代、20代はなかなかうまく生きれずに悩みながら葛藤の連続だったからです。

どこか周りの人と比べて、なんで自分はこんな感じなんだと、

自己嫌悪に苛まれていたことが多かったように今を思うと感じます。

そんな時に、老子を読んでから

少しづつ自分の人生を受け入れていけるようになっていった感じがします。


参考文献
『老子の無言』田口佳史著 光文社

 

 寒川神社

 

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第144回『思考の三原則』(安岡正篤)

2024年06月24日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第144回

『思考の三原則』(安岡正篤)


東洋思想を学ぶ上で、まず最初に教えて頂いたのがこの3つの思考についてでした。

1、長期的・・・目先にとらわれないで、出来るだけ長い目でみること。

2、多面的(多様性)・・・者の毎の一面にとらわれないで、出来るだけ多面的に出来得れば全面的にみること、

3、根本的(根源的)・・・何事にもよらず枝葉末節にとらわれず、根本的にみること。


私が指導を受けていた、東洋思想の第一人者である、田口佳史先生からも、

ひとつが習得できるまで何度も、その思考について連呼して習得しなさいと。

「長期・長期・長期・・・・」

などと、自分の中に沁み込むまでやりなさい。

沁み込んだと思ったら、次の思考に移りなさいと言われていました。

昨今の風潮だと、すぐに「タイパ・コスパ」などと、すぐに効果はあるのか?など、

効果効用をすぐにはかるような流れは どこか自分の中にもあるのは否めませんが、

人間関係などもすぐに相手から何かを得ようとせずに、

長い目で相手の方とご縁を じっくり楽しむような気構えでいたいなと、

思う今日この頃です。


参考文献
『安岡正篤一日一言』安岡正泰著 致知出版社

 

 


大山阿夫利神社

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第143回『おのが身は有無の湊の渡し船 ゆくも帰るも風にまかせて』(二宮尊徳)

2024年06月17日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第143回

『おのが身は有無の湊(みなと)の渡し船 ゆくも帰るも風にまかせて』(二宮尊徳)


これは、日本の偉大な教育者であられた二宮尊徳の生き様を表現した言葉になります。

二宮尊徳に関しては、今回は、あえて詳細は割愛いたしますが、

本人としては
世界に誇るべき代表的な日本人の一人です。

下記は、以前に投稿したものですが
そちらに、人物に関しては詳しく書いてあります。

第106回「積小為大」(二宮尊徳)


意味合いとしては、

有無の湊(みなと)とは、生から死への港を意味し、

人生とは、まさに
生から死への渡し船のようなもので、

その往来は、風という天意に一切全託する
ほかありません、

というような意味合いになります。


自分という「自」には、二種類の読み方があります。

自(みずか)ら、自(おのずか)らという読み方です。

自分で自分の意思で選んだともいえる人生ですし。

ある意味では、

様々な流れやご縁の中で、運ばれるかのようにたどり着いた人生でもあります。

「一切全託」

という心境は、すべて人生でやるべき事をやり切った人がたどり着く心境かもしれませんが、

二宮尊徳のように、天命に従って生きられるように

人生をより丁寧に生きていきたいと感じました。


参考文献
『二宮尊徳一日一言』寺田一清著 致知出版社

 

 


明治神宮

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第142回『民芸が大切にする5つの要素』(柳宗悦)

2024年06月10日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第142回

『民芸が大切にする5つの要素』(柳宗悦)


柳宗悦(やなぎむねよし、1989年-1961年)は、民芸運動の主唱者である。

民芸とは、思想家である柳宗悦が提唱した民衆的工芸を表現した造語であり、

仏教思想で解明した美の概念でもあります。

柳氏は、無名の工人たちが生み出した日用雑器にこそ、

用と美が一致した至高の美が存在すると考え、

その真相を究明するために民芸運動を主導したとも言われています。

日本各地に残る、工芸品は柳氏によって、

伝統工芸品として大切に保存され復活したものも沢山あるとも言われております。

「手仕事の復権」、「美の生活化」を体現され、

生活文化運動を起こし日本文化を支えた功績は本当に素晴らしいものだと思います。


彼が民芸において大切な要素とは、下記の5つとも言われています
(監修:日本民藝館)

1、実用的
鑑賞を目的に作られたものではなく、用いるために作られた

2、無銘
無名の職人によって作られたもので、名を誇るための仕事ではない

3、適正価格
民衆の日用生活の需要に応えるために、数多く安い価格で作られた

4、地方色
各地の生活様式に根ざした独自の色や、形模様といった豊かな地域性が現れている

5、協業
伝統に培われた熟練の技による、協同の作業から生まれた


この5つの視点は、

まさにこれから日本が世界に文化を発信する上でも大切な視点だと思いますし、

今後地方創生という点から見ても、とても大切にしていくものだと感じましたので、

ご紹介させて頂きました


参考文献
『民芸とは何か』柳宗悦著 講談社学術文庫

 


日本民藝館

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