人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第169回『くしゃみ』(仏教)

2024年12月16日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第169回

『くしゃみ』(仏教)

私がお世話になっていたお坊さまは、

いろいろと生活に密着した
仏教語を沢山教えてくださいました。

そんなところからも、私が仏教に興味を持った
一因かもしれません。

今回は、生活の中で使われている身近な言葉の中で、暮らしに生きている

仏教語をひとつご紹介させて頂きます。

今回の言葉は、梵語(古代インドで使われていたサンスクリット語)から

日本語に
なった「くしゃみ」という言葉になります。


「くしゃみ」は、梵語でクサンメと音写し、その意味は「長寿」のことを表しているそうです。

長寿は、休息万命(くそくまんみょう)と同じ意味で、

お釈迦さまが説法途中で、くしゃみを
されたので、

比丘(お坊さん)たちが「休息万命(お大事にして長生きしてください)」と


申し上げたのが語源だそうです。

このように、一見何気ない日常の言葉の中にも、

深遠な仏教的意味が隠されていることがあるのですね。


参考図書
『暮らしに生きる仏教語辞典』山下民城著 国書刊行会

 

 


西善院

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第168 回「玉琢かざれば器を成さず、人学ばざれば道を知らず」(礼記)

2024年12月09日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第168 回

「玉琢かざれば器を成さず、人学ばざれば道を知らず」(礼記)

 

これは、学びの重要性を説いた言葉となります。

宝石が原石のまま磨かれなければ美しい光を放たないのと同じように、

どんなに優れた才能や秀でた素質があっても、

自分を磨くことを怠ってはその真価を発揮することはできないというたとえになります。

 

現代社会では、情報があふれ、学ぶ機会は無限に広がっています。

しかし単なる情報や知識の習得に留まらず

学びを深めることで、私達一人一人が持っている命(個性や特性)の原石が磨かれ

それがより発揮されることで人生が豊かになり

周囲との調和を生む力にもなるのかもしれません。


今回の言葉も、今から2000年以上の前に書かれたものになりますが、

時代が変わっても、何か変わらない普遍的な部分があるかもしれないので、

その部分を意識して、ヒントにして頂けたら幸いです。

 

参考図書
『中国古典一日一言』(守屋洋著 PHP出版)

 

 

 


寒川神社

 

 

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第167回『 論語と算盤』(渋沢栄一)

2024年12月02日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第167回

『 論語と算盤』(渋沢栄一)


先日、渋沢栄一さんの命日(11月11日)にお墓参りさせて頂いたご縁で

公益財団法人渋沢栄一記念財団主催の「論語と算盤セミナー2024」に参加させて頂きました。


今回、論点の中心は、「道徳と経済の同一」に関してでした。

まさに、渋沢栄一さんが本当に成し遂げたかった世界は、

道徳と経済は本質的に一致する という考え方でした。

参考:
第8回『道徳なき経済は経済にあらず、経済なき道徳は道徳にあらず』(渋沢栄一、論語と算盤)


公益が第一で、私利は第二の世界観になります。


これは単なる理想論ではなく、公益に徹することで、

結果的に健全な利益も生まれるという考え方は、今日の資本主義に対する重要な示唆となっています。


ものすごく本質的であり、ある面で合理的でもあり、納得のいく考え方かと感じました。

お金とは何か? 資本主義とは何なのか? 本来の道徳とは?

様々な歴史を紐解きながら、これからも経済と道徳の調和について、

継続的に探求していきたいと思います。



参考図書
『論語と算盤』渋沢栄一著 国書刊行会
『リーダーの指針 東洋思考』(田口佳史著 かんき出版)

 

 

 


欧州滞在中、洋装の渋沢栄一 1867年(慶應3)年
徳川慶喜の弟、昭武に随行し、パリ万博に参列した渋沢栄一(当時27歳)。
(写真は渋沢栄一記念財団にて公開されていました)

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第166回 『三学戒』(言志四録、佐藤一斎)

2024年11月25日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第166回

『三学戒』(言志四録、佐藤一斎)


「少(しょう)にして学べば、則ち壮(そう)にして為すこと有り

壮にして学べば、則ち老いて衰えず。

老いて学べば、則ち死して朽(く)ちず。」


江戸時代後期の儒学者、佐藤一斎の有名な言葉になります。

佐藤一斎は、美濃岩村藩の家老の子として生まれたのですが、

21歳のときに士藩を脱し、儒学をもって身をたてることを決意。

34歳で、江戸幕府の儒官として文教を司った林家の塾長となりました。

『言志四録』は、佐藤一斎の後半生の40年にわたって書かれた語録で、

『言志録』、『言志後録』、『言志晩録』、『言志耋録』の四篇をまとめて、

『言志四録』と呼んでいます。


参考:第103回『春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛む』(言志四録、佐藤一斎)


まさに、学ぶとは何かということを本質から説いている言葉かと思います。

 

特筆すべきは、学問の目的は単なる収入や社会的地位の獲得ではなく、

自身の人格を磨き、知性を高めることにあるという点です。

そしてその学びを通じて培った知恵や力を、世のため人のために活かしていくという視点です。

生涯学び続けることで、私たちは社会に対してより深い貢献ができるようになり、

その影響は死後もなお色褪せることなく、後世に伝わっていくことを説いています。


佐藤一斎の言葉には、現代を生きる私たちにも深く響く普遍的な知恵が込められていますね。


日々学びを重ねるたびに、自分の未熟さや知識の不足に気付かされます。

しかし、それこそが学問の持つ奥深さであり、魅力なのだと実感しています。

これからも、東洋思想の探究を通じて、微力ながらも人材の育成に少しでも関りながら、

学びを深めていけたらと思っています。



参考図書
『佐藤一斎一日一言』 渡邉五郎三郎監修 致知出版社
『リーダーに大切な「自分の軸」をつくる言葉』田口佳史著 かんき出版

 

 


長谷寺

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第165回『取り越し苦労』

2024年11月18日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第165回

『取り越し苦労』



様々な、自己修練や宗教、哲学の本にも「取り越し苦労」は、

ほぼ意味がないよと説いています。

日本にヨガを伝えた哲人でもある中村天風氏も、

「取り越し苦労は百害あって一利なし」とも言っております。

取り越し苦労をすればするほど、その心の消極的反映が

即座に運命や健康のうえにまざまざと悪い結果となってあらわれるからであると

思想家であり、宗教家でもあられた、谷口雅春氏も、

「取り越し苦労はほとんど意味がない」と、著書でも言っておられます。


ついつい、人間は不安はつきない生き物です。

だからこそ、しっかり物事の本質をつかみながら、

その都度都度でやるべきことをやっていけば、あとは余計な心配をしたところで、

なんの役にもたたないということかもしれません。


しっかり、先人の含蓄ある言葉に耳を傾けながら、

混沌とした今をしっかり力強く生きていきたいと思います。



参考図書
『中村天風一日一言』中村天風財団編 PHP研究所
『生命の実相』谷口雅春著 日本教文社

 

 

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