人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第166回 『三学戒』(言志四録、佐藤一斎)

2024年11月25日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第166回

『三学戒』(言志四録、佐藤一斎)


「少(しょう)にして学べば、則ち壮(そう)にして為すこと有り

壮にして学べば、則ち老いて衰えず。

老いて学べば、則ち死して朽(く)ちず。」


江戸時代後期の儒学者、佐藤一斎の有名な言葉になります。

佐藤一斎は、美濃岩村藩の家老の子として生まれたのですが、

21歳のときに士藩を脱し、儒学をもって身をたてることを決意。

34歳で、江戸幕府の儒官として文教を司った林家の塾長となりました。

『言志四録』は、佐藤一斎の後半生の40年にわたって書かれた語録で、

『言志録』、『言志後録』、『言志晩録』、『言志耋録』の四篇をまとめて、

『言志四録』と呼んでいます。


参考:第103回『春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛む』(言志四録、佐藤一斎)


まさに、学ぶとは何かということを本質から説いている言葉かと思います。

 

特筆すべきは、学問の目的は単なる収入や社会的地位の獲得ではなく、

自身の人格を磨き、知性を高めることにあるという点です。

そしてその学びを通じて培った知恵や力を、世のため人のために活かしていくという視点です。

生涯学び続けることで、私たちは社会に対してより深い貢献ができるようになり、

その影響は死後もなお色褪せることなく、後世に伝わっていくことを説いています。


佐藤一斎の言葉には、現代を生きる私たちにも深く響く普遍的な知恵が込められていますね。


日々学びを重ねるたびに、自分の未熟さや知識の不足に気付かされます。

しかし、それこそが学問の持つ奥深さであり、魅力なのだと実感しています。

これからも、東洋思想の探究を通じて、微力ながらも人材の育成に少しでも関りながら、

学びを深めていけたらと思っています。



参考図書
『佐藤一斎一日一言』 渡邉五郎三郎監修 致知出版社
『リーダーに大切な「自分の軸」をつくる言葉』田口佳史著 かんき出版

 

 


長谷寺

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第165回『取り越し苦労』

2024年11月18日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第165回

『取り越し苦労』



様々な、自己修練や宗教、哲学の本にも「取り越し苦労」は、

ほぼ意味がないよと説いています。

日本にヨガを伝えた哲人でもある中村天風氏も、

「取り越し苦労は百害あって一利なし」とも言っております。

取り越し苦労をすればするほど、その心の消極的反映が

即座に運命や健康のうえにまざまざと悪い結果となってあらわれるからであると

思想家であり、宗教家でもあられた、谷口雅春氏も、

「取り越し苦労はほとんど意味がない」と、著書でも言っておられます。


ついつい、人間は不安はつきない生き物です。

だからこそ、しっかり物事の本質をつかみながら、

その都度都度でやるべきことをやっていけば、あとは余計な心配をしたところで、

なんの役にもたたないということかもしれません。


しっかり、先人の含蓄ある言葉に耳を傾けながら、

混沌とした今をしっかり力強く生きていきたいと思います。



参考図書
『中村天風一日一言』中村天風財団編 PHP研究所
『生命の実相』谷口雅春著 日本教文社

 

 

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第164回『渋沢栄一さんの命日』

2024年11月11日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第164回

『渋沢栄一さんの命日』


東京の谷中霊園に、母方先祖のお墓がある関係で、同霊園内にある

渋沢栄一さんのお墓は、以前よりお参りさせて頂くようになりました

本日、11月11日は(昭和6年、享年92歳)命日なので、

ある時から御縁を感じて
近年は先祖のお墓も含めてお参りするようにしています。

参考:第112回『蟹穴主義』(渋沢栄一、論語)

日本の資本主義を牽引して下さった、大変偉大な方です。

同時に、晩年は社会福祉事業にも貢献された方で、

四書五経含めて特に論語に関しては
かなり幼少期より読み込み、

実践された方でもあります。


墓前にて、感謝と祈りを捧げながら、心の中で毎回対話をさせて頂いております。

よりよい日本の社会、新たな日本らしい資本主義の創出、

そしてその先にある世界の平和に向けて、少しでも貢献できれば嬉しく思います。

本当に1人の力は小さなもので、大変微力ではあります。

ただ、志を結集させていけば
偉大な力になっていくと信じています。


参考図書
『論語と算盤』渋沢栄一著 国書刊行会
『渋沢栄一と論語と算盤』齋藤孝著 フォレスト出版

 

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第163回『清明正直』(神道)

2024年11月04日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第163回

『清明正直』(神道)


「清明正直(せいめいせいちょく)」と読みます。

これは、神道の大切な教えであり、日本人の背骨のような考え方でもあります。


清く、明るく、正しく、まっすぐに。

心を清らかに浄化し、正しく素直にたもち、神に近づくように生きるという、

すべての森羅万象に神が宿る「八百万の神」をもととする日本古来

日本人の在り方が、この言葉の本質であると感じます。


私利私欲のない、正直な気持ちを本来持ち合わせていると

信じるだけでも、大変有難い気持ちになりますし、励みにもなります。

日々、様々な出来事や感情に振り回されがちですが、

少しでも、そのような気持ちを思い出し、毎日を生きたいと思います。



参考図書
『世界一美しい日本のことば』 矢作直樹著 イースト・プレス

 

 

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第162回『菩薩行』(仏教)

2024年10月28日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第162回

『菩薩行』(仏教)


前回は、人間界を含めた「6つの迷いの世界」をご紹介しました。

第161回『お天道さま』(仏教)


今回は、その先にある4つの悟りの世界を簡単にお伝えさせて頂きます。


7、声聞界(しょうもんかい)

釈迦(仏)の説法の声を聞いて、この世の道理を悟ることができる人が
住む世界になります。

8、縁覚界(えんがくかい)

自然界の動きをみて、この世は縁によってうまれ、
縁によって滅びる
ものであると悟る人の世界になります。

9、菩薩行(ぼさつぎょう)

自分が悟ったならば、今度は大衆の苦しみや悩みを救い、
悟りの世界に
引き入れる努力をする。そのような人を菩薩といい、
こういう行いを菩薩行といいます。


10、如来界(にょらいかい)

すべての執着がなくなり、永遠の宇宙の大生命と同じ心になる。




前回ご紹介したものを含めた十界を絶えず出入りしている我々のことを、

「凡人(ぼんじん)」と
いいます。だからこそ、常に移り変わるこころを

絶えず確認しながら、目の前の事をしっかり行うことが

我々人間として大切なことなのかもしれませんね。


参考図書
『空海感動の人生学』 大栗道榮著 中経出版社(現KADOKAWA)

 

 

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