【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第37回
「天網恢恢疎にして失わず(てんもうかいかいそにしてうしなわず)」( 老子)
天の網は広大で目が粗いようだが、悪人は漏らさずに捕らえる、ということです。
「誰が悪い、何が悪いといろいろと思い悩む時間はもったいない。
裁きは天に任せて、自分のやるべき仕事に集中して、
人を責めたり、誰かを裁こうとする必要はない。だから、安心して懸命に取り組みなさい。」
と老子は言っています。
ついつい、人間関係の中で「あの人は許せない」「あいつが悪い」などと決めつけて、
そこにエネルギーを消耗しがちなことってありますよね。
この言葉を大事にして、人のせいにしたくなったら
この言葉を思い出していただけるといいかもしれません。
やはり、天はすべてお見通しなんですね。
参考 (『超訳 老子の言葉』 田口佳史著 三笠書房)