松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆議会基本条例のつくり方(小田原市)

2010-02-02 | 1.研究活動
 自治基本条例について、市民が自由参加で話し合うオープンスクエアに、議員さんが10名ほど参加して、「議会と市民のコミュニケーション」をテーマにワークショップを行った。
 全国で議会基本条例がつくられているが、その多くは市民との対話が不十分ななかでつくられている。市民から信託を受けた議員が、その力を存分に発揮していこうと宣言し、それを担保する仕組みである議会基本条例が、市民から遠いところでつくられていくというのは、やはり奇妙である。その点、議会基本条例を考えるに当たって、まず市民の思いや期待を聞こうと考えた小田原市議会は、いいセンスだと思う。
 最初は、やや緊張気味に始まったワークショップも、途中から笑顔に変わり、席を立ち上がってのワークショップとなった。
 たくさんの意見がでたが、ポイントは2点である。
①市民と議会の双方が対話の機会を求めていること。これはどこのグループからも出た。川のこっちとむこうで、お互い何をしているのかと気にしているから、いらぬ誤解や思い込みがでてくる。ワークショップのなかで、「議員さんはそんなことを悩んでいるのか」といった、気づきもでたが、対話を続けていけば、いずれ溝が埋まり、双方で知恵を出す関係に変わっていくだろう。
②議会の政策形成能力である。それには、議会によるアンケートや議会報告会など、執行部に負けないような市民意見収集・意見交換手法の開発と、それを政策の形にする議員さん自身の努力・事務局のサポートの仕組みが大事になる。
 実は、これらが議会基本条例のポイントでもある。ここを基点に組み立てていくとよい条例になると思う。
 条例のつくり方についても、大いにヒントになったろう。小田原市の自治基本条例では、他都市の条例を一切見ていない。他都市の条文を寄せ集めて形をつくるのではなく、市民の意見を聞きながら、小田原市の自治の基本となる条例をつくっている。
 議会基本条例でも、他都市の条例を寄せ集めれば、簡単に条文はできるが、それでは市民から共感をもたれる条例はできない。今回のようなオープンスクエアを設定し、PTAの集まり、町内会の集まりといったさまざまな場に、議員さんたちが出向いていって、そこでワークショップをやりながら、意見を集めていけば、小田原らしい、そして他自治体から視察がたくさん来る、いい条例案ができあがる。この勢いで頑張ってもらいたいと思う。
 今回のワークショップでは、ファシリテーターの今井邦人さんが、がんばった。最近では、一緒に仕事をする機会が多いが、安心して任せることができる。
 
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