松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆大和市おもいやりマスク着用条例を考える(5)なぜこうした条例ができたのか、分かったような気がする

2021-05-07 | 1.研究活動
 なぜこの条例ができたのか、ずっと不思議であったが、何か分かったような気がした。

 今日の神奈川新聞に、大和市長さんのパワハラが出ていた。

「大和市長が職員にパワハラ」 抗議の辞職、元副市長が証言( | 神奈川新聞 | 2021年5月7日(金))

 大和市副市長だった金子勝氏(64)が4月に任期途中で辞職したことを巡り、大木哲市長(72)による職員へのパワーハラスメント的な言動が改まらないとして、抗議の意思を込めた辞職だったことが6日、分かった。
 金子氏は神奈川新聞社の取材に「市長が職員に対し『自分の言うことを聞かないと交代させる』と人事異動を示唆したり、理不尽な理由で叱責(しっせき)したりするなど、職員へのパワハラ的な行為が続いている。精神的な不調を訴える職員もいて、(市長に)やめるよう何度も進言した。しかし、言動を改める様子はなく、苦しんでいる職員を見るのが耐えられなくなった」と、辞職に至った理由を明かした。
 金子氏は市総務部長、文化スポーツ部長などを経て2018年4月に副市長に就任。21年3月29日に「一身上の都合」を理由に大木市長に辞職を申し出て、4月13日付で退職した。任期は22年3月だった。
 市長さんは、なぜ辞職したのか、「分かりません」といって、取材には応じていないという。

 市長さんにも、言い分があるだろうが、市役所一本できた副市長さんが、こうした証言をするのは、よほどのことだろう。

 すでに書いたように、このマスク条例は、内容も乏しく、わざわざ条例にするほどのものではない。しかも、専決処分で議会にかけず、条例としている。全国初と喧伝されているが、なぜ、こうした条例を作るのかと不思議に思っていた。

 小さな自治体である。庁内でちゃんとした議論ができていれば、市長さんが、思いついても、普通は、とどまるものである。

 市長さんが、これはどうだろうといっても、課長さんは、困った顔であいまいに答える。後ろに控える係長は、露骨に首をかしげる。そこで、部長さんが、「市長、もっといいアイディアがあります」と言って、対案を出す。市長さんは、「お、そうか」といって、その話に乗る。ふつうは、こんな感じだと思う。私は、係長・課長補佐の役割が長かったので、部長や課長が言えないことを代弁するのが役割である。

 市長さんが相手で、こうした場面はあまりなかったが、議員さん相手の場合は、時々あった。やりすぎてクレームが部長さんに行くが(私には直接、言わない)、「厳しく、注意しときましたと言っといたよ」と、部長は私に言い、ウィンクする。

 ドラマでも、取調室で犯人を追い詰めるのは若手刑事で、もう一人は、温情刑事で、「まあまあ」といって、硬軟の両面から、犯人を追い詰めていく。役所の仕事はチームプレーである。

 今回の件では、市長さんも言い分があるだろうから、きちんと説明されることを期待したい。

 ちなみに、大和市の市長さんは、県会議員の出身で、横浜市議出身の菅さんと同じで、「人事で脅す」などの手法は、議員さん出身の首長さんの典型パターンだと思う。

 ちなみに私は、国の事務次官出身の市長さんの下で仕事をしたが、金一封を2回もらったことがある。こちらは、ほめて人を使うパターンである。事務次官になる人は、なるほど人の使いがうまいものだと感心したものである。


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