松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆氏名公表・政策法務論の観点から⑥・処分性にこだわる意味

2020-01-13 | 氏名公表
 氏名公表は、取消訴訟(処分性)から、もっぱら議論されるが、正直、その意味がリアルに分からない。

 たしかに、処分性が認められないと、行政事件訴訟と行政不服申し立てが認められない。しかし、公表が違法であれば、処分性がない情報提供型の氏名公表でも、国家賠償請求訴訟や民事上の損害賠償請求訴訟が可能である。裁判になって負けてしまっては、これは困ったことになるし、今後は、氏名公表という手法も使えなくなる。

 処分性が認められれば、行政手続法による細部の手続きに違反するかどうか、突っ込むところが多くなるのだろうか。一般には、行政はそんな下手を打たないであろうから、突っ込みようがないと思う(とても、そんなところまで手が回らない、小さな自治体では、突っ込まれるような手続上のミスが起こるのだろうか)。

 それとも、これら行政事件訴訟法にのっかると、釈明処分などの制度があって、訴える方は、がぜん楽になるという事実上の効果があるのだろうか。処分性に、これだけこだわるのは、きっと、実益があるのだと思うが、この辺りは、実務未経験の弱さが露呈して、実感としてリアルに分からない。富山市役所の福島さんなら、よくわかるかもしれない。休み明けになったら、聞いてみよう。

 まったく別のことであるが、実務体験のない研究者は、これらを調べ、考えて、答えを出すのだろう。大変だろうと思うし、一抹の不安をいつも、感じているのだろうか
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