松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆政策のやめ方(本郷台)

2014-07-15 | 1.研究活動

 県下職員による政策研究会の2回目である。テーマがだいぶ見えてきた。

 共通テーマは、2025年時代の総合計画である。団塊の世代が後期高齢者になる2025年は、自治が大きく変わるときでもある。その時の総合計画は、どのようなものになるのか、それを考えている。

 運営・研究方針は、次のようなものとなった。
 ①この研究会は、モデルとなるような総合計画をつくるものではない。同じ神奈川県でも、横浜川崎と県西地区とでは状況が大きく異なり、総合計画もその内容は大きく異なるからである。第一、10回くらいの研究会で、とてもやりきれない。
 ②2025年時代の時代背景を人口減少少子高齢化を基本に、国際化・グローバル化、双方向の情報化時代の3点から押さえることにした。
 ③新しい公共という発想で政策を考えてみよう。これによって新たな行政領域や政策手法を考えることができるだろう。

 この研究会では、あらたな政策と同時に、既存の政策をやめる基準や、そのやめ方も考えることにした。税収減で現在の政策をそのまま継続することは困難になるので、やめるという判断をせざるを得ず、では、どうすれば止める(削減する)ことができるかがポイントになるからである。

 首長や議員が活動する基本(動機)は、再選されるためというのが政治学の基本である。4年間の活動は、次の選挙で再選されるために行っているという説明は、あまりに夢がないが、現実でもある。しかし、これは要するに市民のために頑張らないと、次の選挙では落ちてしまうということで、その意味で、4年の任期制というのはよくできた制度である。

 しかし、この制度がうまく機能するためには、選挙する市民が適切に判断してはじめて有効に機能する。税収減のなか、これまでの事業の見直しやカットが必要なことは明らかであるから、市民が、相変わらず、今までと同じように歳出を続ける首長は市民のためにならないと言って次の選挙で落とすように行動することが期待されている。

 こうした行動は、家庭で考えればそう難しいことではない。会社を退職して年金生活に入り、この先、収入が減ることが分かっていれば、生活の規模を縮小するなどといったことは、どこの家庭でもやっている。これを地方自治でやればいいのである。

 ところが、地方自治という大きな家庭になると途端に難しくなる。歳出カット→首長や議員の評価→次の選挙で当選と言うサイクルにならず、歳出カット→サービスの低下→首長や議員の評価を下げ→次の選挙で落選と負のサイクルになるのが実際だからである。

 今回は、このサイクルが逆回転せずに、本来の通りに回るシステムも考えてみようというのである。答えのヒントのひとつは、市民が、自分の家計のように自治を考えるようになれば良いということであるが、問題は、ではどうすれば、そのように考えることができるようになるのか。ここが難しいところである。難しいが、面白いテーマなので、あと半年、大いに知恵を出してみよう。

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