(20010年3月21日)
前の晩からの大風の影響で、開催が心配されたが、30名の参加があった。この研究会としては、異例の参加者数であった(今回は、さがみはら市民フォーラムの主催としたが、みんなががんばってくれたせいかもしれない)。
内容的にもとてもよい研究会となった。
茅ヶ崎市の取り組みは、茅ヶ崎市と文教大学との協働事業である。この行政と大学との協働は、実務と理念、当面と将来という、考慮しなければいけない両面を補い合うという面で、絶妙のコンビになる。実際、話を聞いていて、何よりも面白かったのが、その証左だと思う。
感じたことはたくさんあるが、①まずPZは何のためにやるのか。むろん新たな参加手法であるが、新たな参加を掘り起こして何をするかと言う問題である。PZの目的であるが、意外と難しい。②どの参加手法にもいえることであるが、参加して議論ができる制度設計になっているのか。PZでいえば、最大で1時間の情報提供、その後、1時間の議論で、正しい結論が出るのかと言う問題である(市民みんなの意見であるが、それが正しい意見なのかという問題である)。この問題の根っこは、情報提供である。正確な判断ができる情報提供とは何かという難問を解決しないと、この制度も(市民の期待の大きい住民投票も)、衆愚に陥る。時の為政者にいいように使われてしまうだろう。
むろん、PZは、大いなる可能性を秘めているのは間違いないので、うまく機能するための制度設計を考えるのが研究者や実務家の役割であろう。
現時点で私が考えているこの制度の目的は、市民を政策の当事者にするというものである。前回の「市民力の源流フォーラム」の議論でいえば、支配と被支配の交代、つまり市民を「支配」の立場におく制度と言うものである。このように考えると、抽選に当たるというのは、市民にとって権利であり、責務になる。したがって、PZにつきものの謝礼はなく、拘束時間も、1日や2日ではなく、半年くらいになるであろう。1パートごとにグループを変えるていくPZ独自の方式も、変更を迫られることになるであろう。
このように考えると、この制度を「プラーヌンクスツェレ(市民討議会)」という言い方も変わってくるのではないか。現時点では、私は無作為抽出型市民会議と言っている。
もういちどくらい、この制度を考えてみようと思う。
(2010年3月17日)
参画と協働の研究会のフォーラムのお知らせです。
フォーラム 『日本版プラーヌンクスツェレ(無作為抽出型市民会議)の可能性2』-適用領域や制度設計を考える-
【趣旨】 ドイツで始まったプラーヌンクスツェレ(PZ:市民討議会)が、日本でも新たな市民参加・協働の手法として注目され始めています。無作為抽出で選ばれ市民が、そのまちの課題について討議し解決策を提案する仕組みで、実践例も増えていてきました。しかし、現状は、まだまだイベント的な取り組みにとどまっていて、自治体の政策につなげていくには、乗り越えなければいけない課題がたくさんあると考えています。
今回で2度目となるPZの研究会では、茅ヶ崎市における実践を踏まえて、今後、日本(とりわけ地域)において、無作為抽出型市民会議を導入するに当たって乗り越えるべき課題や制度設計のヒントを考えます。
【日時】 平成22年3月21日(日)午後1時から4時30分(受付12時半)
【報告】茅ヶ崎市における市民討議会の実践から
山田修嗣さん(文教大学国際学部准教授)
沢田宣夫さん(同大学院)
熊澤克彦さん(茅ヶ崎市総務部市民活動推進課)
【場所】 相模女子大学 11号館1127教室(小田急線相模大野駅徒歩10分)
神奈川県相模原市文京2丁目1番1号
アクセス http://www.sagami-wu.ac.jp/access.html
【ワークショップ】
司会進行 相模女子大学人間社会学部教授 松下啓一
住民参加・協働支援コンサルタント 今井邦人
【参加費】資料代500円
【参加申し込み・お問い合わせ】
下記のメールで。 氏名、所属等を記入してください。
市民参画と協働を考える研究会代表 相模女子大学人間社会学部 松下啓一
opin@mail.goo.ne.jp
前の晩からの大風の影響で、開催が心配されたが、30名の参加があった。この研究会としては、異例の参加者数であった(今回は、さがみはら市民フォーラムの主催としたが、みんなががんばってくれたせいかもしれない)。
内容的にもとてもよい研究会となった。
茅ヶ崎市の取り組みは、茅ヶ崎市と文教大学との協働事業である。この行政と大学との協働は、実務と理念、当面と将来という、考慮しなければいけない両面を補い合うという面で、絶妙のコンビになる。実際、話を聞いていて、何よりも面白かったのが、その証左だと思う。
感じたことはたくさんあるが、①まずPZは何のためにやるのか。むろん新たな参加手法であるが、新たな参加を掘り起こして何をするかと言う問題である。PZの目的であるが、意外と難しい。②どの参加手法にもいえることであるが、参加して議論ができる制度設計になっているのか。PZでいえば、最大で1時間の情報提供、その後、1時間の議論で、正しい結論が出るのかと言う問題である(市民みんなの意見であるが、それが正しい意見なのかという問題である)。この問題の根っこは、情報提供である。正確な判断ができる情報提供とは何かという難問を解決しないと、この制度も(市民の期待の大きい住民投票も)、衆愚に陥る。時の為政者にいいように使われてしまうだろう。
むろん、PZは、大いなる可能性を秘めているのは間違いないので、うまく機能するための制度設計を考えるのが研究者や実務家の役割であろう。
現時点で私が考えているこの制度の目的は、市民を政策の当事者にするというものである。前回の「市民力の源流フォーラム」の議論でいえば、支配と被支配の交代、つまり市民を「支配」の立場におく制度と言うものである。このように考えると、抽選に当たるというのは、市民にとって権利であり、責務になる。したがって、PZにつきものの謝礼はなく、拘束時間も、1日や2日ではなく、半年くらいになるであろう。1パートごとにグループを変えるていくPZ独自の方式も、変更を迫られることになるであろう。
このように考えると、この制度を「プラーヌンクスツェレ(市民討議会)」という言い方も変わってくるのではないか。現時点では、私は無作為抽出型市民会議と言っている。
もういちどくらい、この制度を考えてみようと思う。
(2010年3月17日)
参画と協働の研究会のフォーラムのお知らせです。
フォーラム 『日本版プラーヌンクスツェレ(無作為抽出型市民会議)の可能性2』-適用領域や制度設計を考える-
【趣旨】 ドイツで始まったプラーヌンクスツェレ(PZ:市民討議会)が、日本でも新たな市民参加・協働の手法として注目され始めています。無作為抽出で選ばれ市民が、そのまちの課題について討議し解決策を提案する仕組みで、実践例も増えていてきました。しかし、現状は、まだまだイベント的な取り組みにとどまっていて、自治体の政策につなげていくには、乗り越えなければいけない課題がたくさんあると考えています。
今回で2度目となるPZの研究会では、茅ヶ崎市における実践を踏まえて、今後、日本(とりわけ地域)において、無作為抽出型市民会議を導入するに当たって乗り越えるべき課題や制度設計のヒントを考えます。
【日時】 平成22年3月21日(日)午後1時から4時30分(受付12時半)
【報告】茅ヶ崎市における市民討議会の実践から
山田修嗣さん(文教大学国際学部准教授)
沢田宣夫さん(同大学院)
熊澤克彦さん(茅ヶ崎市総務部市民活動推進課)
【場所】 相模女子大学 11号館1127教室(小田急線相模大野駅徒歩10分)
神奈川県相模原市文京2丁目1番1号
アクセス http://www.sagami-wu.ac.jp/access.html
【ワークショップ】
司会進行 相模女子大学人間社会学部教授 松下啓一
住民参加・協働支援コンサルタント 今井邦人
【参加費】資料代500円
【参加申し込み・お問い合わせ】
下記のメールで。 氏名、所属等を記入してください。
市民参画と協働を考える研究会代表 相模女子大学人間社会学部 松下啓一
opin@mail.goo.ne.jp
たくさんの意見を聞くと、程よいところに落ち付くというのが、私の体験です。PIもそのひとつですね。
公共の委員になりましたら、「市民のため」という、もともとの気持ちを忘れないように心がけてくださいね。
「指導」というのは、苦手だけれども、何かのヒントはあるかも知れません。月曜日と金曜日は、研究室にいますので、大学のHPから(教員紹介)、私のメールあてに、来られる日を連絡ください(4月はだいぶ来客予定がありますので要調整ですが)。