松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆『シビック・プライド』本の書評から

2021-09-10 | シビックプライドをつくる(実践編)
 そうなんだよ、と思わず唸った。『シビック・プライド』本のアマゾンの書評である。

 自分でも、やや曖昧にしていたことを、第三者が、ズバッと指摘してくれた。まさに、「実践の積み重ねが心豊かな市民性を育む」である。ネットで、あれこれ評論しているのでなく、まちや地域に出て、まち(他者)のために、実際に活動することを通して、シビック・プライドは高まっていく。

 シビック・プライドを標榜する自治体は多いが、この当事者性をあいまいにするから、結局、シティセールスの浮ついたシビック・プライドになってしまう。

 まちのために活動する市民をたくさん知っているが、彼、彼女たちの豊かな市民性は、さまざまな活動を通してだということを何度も感じてきた。そうした市民の話は、いつも穏当で、他者への目配りがきいていて、信頼が置ける。そこが、シビック・プライドでは、「当事者性」がポイントになるという所以である。松下理論とは、やや大仰であるが、こうした市民との協働活動によって、私は学んできた。

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 実践の積み重ねが心豊かな市民性を育む、という「目からウロコ」の気づき(2021年9月6日に日本でレビュー済み)

 精力的に次々と新著を出している松下啓一氏。「今度はこうきましたか」というのが第一印象。

 「シビック・プライド※」というと、何か精神論というか、お高くとまってるんじゃないの?みたいな感じもあるが、この本を読むと、松下理論でのシビック・プライドの核心、イコール、この本の要点はすべてタイトルに込められていることに気づく。

 「わがまちの誇り」は「市民がつくる」。つまり、居住地域(または縁のある地域)の魅力や地域への愛着を、市民自らが具体的なプロジェクト(まちづくり)に参画し、対象となるモノ(ハード)やコト(ソフト)をつくり込んでいくことで育み、心の内面まで「まち」の当事者となっていくプロセスが重要であると、実践例も紹介しながら松下氏は説く。

 サブタイトルの「シビック・プライド政策の理論と実践」では、敢えて『政策』と位置づけることで、市民が持つ内発的なパワーを活かすための制度・仕組みづくりが重要であることを、松下氏は「シビック・プライド条例(試案)」の提起も含め、自治体の活動の各側面から多角的にわかりやすく解説している。

 従来的な自治体運営が行き詰まっている中で、本格的な市民主体・市民協働の自治へと転換していくためのひとつの旗印(メイン・コンセプト)として「シビック・プライド」をいかに位置づけ、市民・議会・行政が当事者としてどのように「わがまち」に関わっていけば良いのか、大いにヒントをもらえる本。

 自信を持って星5つ(★★★★★)。オススメ。

※「シビックプライド」は読売広告社の登録商標(初めて知った)なので、この本では「シビック・プライド」としたとのこと。 今後は気をつけないと。
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