松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★協働研修(岩国市)

2019-01-22 | 2.講演会・研修会
 昨年度は、市民を対象とする研修だったが、今年は、市の職員を対象とする研修となった。

 二部構成で、午前中は幹部職員、午後は協働推進員といって、若手を中心に、ある程度、協働事業に係る職員である。

 協働は、社会構造の変化の現れである。団塊の世代が20代になるのが、1970年、30代になるのが、1980年である。そして、最も働き盛りになるのが、1990年代で、この時期、日本は、個人一人あたりのGDPが世界3位という時代が続く。
 
 働き盛りがたくさんいれば税収は上がる。その税収で、住民サービスをするのが役所の仕事だった。他のまちに負けずに、サービス競争が繰り広げられた。この成功体験が、今日まで続く。

 ところが、2000年に入ると、団塊の世代が、続々とリタイアし始める。昭和30年代には、もう合計特殊出生率が2を切るので、旗r気ざかりは補給されず、当然ながら、税収は頭打ちになり、社会保障費はかさむ。もう従来型の行政が税金でサービスする時代は終わってしまい、新たな公共サービスのあり方が模索されるが、そのなかで出てくるのが、協働という考え方である。

 役所とともに、市民が、その得意分野を存分に発揮して、公共を担っていく双輪型の社会である。協働は、自治体と市民が、一緒に働くといったレベルの話ではなく、新たなまちづくりのパラダイムであり、新たな文化づくりとなる。前半は、この点を強調した。

 このあたりの話は、受講生に、これからの自治をどう守っていくのかという問題意識がないと、他人事になってしまう。こうした視野を持っている管理職や職員さんには、よくわかった話になったと思う。
 
 終了後、二人の課長さんが、わざわざ私を訪ねてきてくれて、楽しいひとときを過ごすことができた。こんな座談のような雰囲気の研修ができれば、思っていろいろと試しているが、なかなか難しい。

 岩国へは、羽田8時発のANAの最終便でいったが、お客さんの何人かは、アメリカ人の若者だった。東京に遊びに来て、岩国に帰るのだろう。泊まったホテルも、アメリカ人がたくさんいて、アメリカのホテルにいるような気がした。まかないのおばちゃんの話では、半年も泊まっている人がたくさんいるらしい。基地の関係者のようだ。岩国は、海兵隊の基地があって、厚木から、航空母艦の艦載機も移転したので、基地の関係者がたくさんいるのだろう。

 日本人や東洋人とアメリカ人の違いは、エレベータで顔を合わせると、ニコッとするかどうかである。三浦半島で、マロンの散歩をしているときも、そうであるが、アメリカ人はすれ違うと、ニコッとする。その自然さは、本当に羨ましいし、見習いたい。

 この日も、エレベーターで「おはよう」挨拶すると、たどたどしい日本語で「おはよう」と返してくれる。この点、中国人は、「おはよう」と言っても、無言が多い。挨拶をする習慣がないわけではないだろうから、ただ、戸惑っているだけだろう。日本人は、相手から「おはよう」と言われることは少ないが、必ず返事が帰ってくる。シャイなのだと思う。

 岩国市の協働担当の人たちは旧知の人たちで、話が弾み、今回もいろいろとお世話になった。ただ、今回は、一人で来たので、岩国市への経済効果の寄与は、極めて少なかったと言わざるを得ない。
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