松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆原点を思い出す(戸田市)

2019-09-21 | 1.研究活動

 自治基本条例の推進委員会があった。そのあり方で、議論を続けているが、あらためて忘れかけていた原点を思い出すことになった。

 自治基本条例の推進委員会は、条例で規定があるが、多くの自治体では、進捗を管理する機関である。進捗といっても、そう大きな変化はないから、年1度開いて、せいぜい1時間くらいの説明報告で終わってしまう。

 戸田市では、この推進委員会をつくるときに、自治基本条例とは別に、推進委員会の検討委員会をつくって、そのあり方を検討した。

 そこで、出た議論が、単なるチェック機関ならば、わざわざ推進委員会をつくる意義も乏しいし、もともと考えていたのは、自治基本条例では、これまでとは違う、新たな文化をつくろうということから始まったのだから、推進委員会も、これまでの附属機関とは違うものであるべきだという議論である。

 そこで考えたのが、自ら協働や自治の推進の範を示す推進委員会を標榜しようというものであった。私がイメージしていたのは、相模原市南区の区民会議のように、行政と連携しながら、新しい政策提案や実践の提案ができる推進委員会である。

 ただ、実際に推進委員会ができるとき、ちょっと気を抜いてしまったことと、また担当が企画から市民活動部に移ったこともあって、それまでの議論や経験がうまく連続されず、いったん振り出し近くに戻ってしまった。

 そのなかで、模索し、事務局や委員メンバーの奮闘もあり、少しずつ、盛り返してきたのが、今日の状況である。

 だからこそ、毎回、推進委員会のあり方で、熱い議論になる。

 昨年は、焼津市に出かけ、大いに刺激を受けた。今回も他の自治体に勉強に行こうということになり、調べてみたが、なかなか、近場でいいところがない。「案外、私たちが、先を走っているのかもしれない」という、検討当初からのH委員さんの意見は、正解なのかもしれない。

 具体的には、毎年やっているフォーラムのあり方について、こんな意見が出た。

 フォーラムでは、「こんないいことをやるので、みんな来てください」という「来いパターン」でやっているが、自治基本条例を始めたときは、みんなで、街に出たが、これは、市民自らが学ぶ姿勢を大事にしたためである。そこから、多くのことを学び、そこが原体験になっている。フォーラムも、みんなで、「出かけるフォーラム」があっていいのではないかというものである。

 たしかに戸田市の自治基本条例では、学ぶ→体験する→条例をつくるというステップを踏んだ。新しい文化をつくるので、今までのように、お役所のおぜん立てで、条例をつくりましたというのではなく、市民自らがつくるためのステップである。

 すっかり、忘れてしまったが、このステップづくりでは、大いに知恵を絞った。担当の人たちも一生懸命考えてくれた。そこから、体験にでかけ、実際に、委員さんたちは、行く先々で、口に泡を飛ばして議論してきた。

 フォーラムも、こうした出前型のものもあっていいのではないかという問題提起である。たしかに、小さくてもいいので、ちょっと時間を借りて、まちの人たちと話し合う、そういった原点をやってみたら、面白いと思う。

 戸田市は遠く、スタートは夜の7時からなので、帰りの時間を気にしながら会議になるが、とても有意義な推進委員会だった。

 なお別件であるが、京浜急行の横浜駅がようやくホームドアになった。

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