自治体議会政策学会主催の第23期自治政策講座「これからの社会に備える自治体の課題」に参加した。
私の担当は、令和時代の地方自治をテーマに、これから大事な(研究や実践を深めるべき)新たな政策領域とその実践事例を紹介した。
私が提案する新たな政策領域は、①住民がまちの当事者になる住民自治、②団体自治のさらなる進展(市町村の下にぶる下がる市民公共組織(町内会などは)への権限委譲とその改革、③私的領域への慎重かつ積極的な肩入れである。
いずれも難物であるが、手を付けざるを得ない。新城市の取り組みを例に、その実践について話をした。
その中で、思いのほか関心が高いと感じたのが、「福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができるまちづくり条例」である。
人はいずれ福祉のお世話になる。その時に間違いなく手を差し伸べられる体制(安心)があってこそ、人は存分に働き、人生を楽しむことができる。しかし、地域の福祉現場では、福祉を支える人の不足が喫緊の課題となっている。このままでは福祉制度は担い手の面から、崩れてしまう。こうした問題意識からつくられた条例である。
新城の人たちの書いた『支える人を支えるまちを創る・福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができるまちづくり条例』(風媒社)は8月末くらいには、本になるだろう。ぜひ読んでもらいたい。
もうひとつ、若者参加では、御宿町の「若者と議会とのワークショップ」も、関心が高かった。新城市の若者議会や大分市の議員提案の若者条例も説明したがハードルが高い、まずは、議会として若者との接点をつくりたいと思っているのだろう。
本来ならば、御宿町の土井議長さんが、この講座に参加するはずだったので、おられたら、話を振って大いに盛り上がったはずであるが、残念ながら欠席だったので、その十分には、思いや状況が伝わらなかったかもしれないが、やってみようと思った議員さんもいたようだった。
議会と若者のわきあいあいのワークショップは、全然難しくないので、やってみたらよい。御宿町には、資料もたくさんある。礼をつくして頼めば、全部教えてくれる。ぜひ、声をかけてみたらよい。
終わったあと、たくさんの議員さんと名刺交換をした。新人で、がんばろうと思っている議員さんも多かった。がんばろうと前向きの人に会うのは、気持ちがよい。その気持ちをいつまでも大事にし、その人たちの後押しになれるように、私もがんばりたいと思う。
元気をつけるのが私の仕事であるが、こっちも元気をもらった。
この研修会の事務局はイマジン出版である。イマジンの人に実際に会うのは、初めてであったが、イメージ通りの人たちで、すぐに打ち解けて話になった。
研修では、もうすぐ出版される本を紹介したが(なぜか本の紹介は笑いのツボになった)、終了後、イマジン出版でも書いてほしいといわれ、『支える人を支えるまちづくり』をお願いすることにした。今は、「初めての〇〇」というノウハウ本しか、出せない時代なので、ありがたい話なので、この本を書き上げる元気が出た。
総じていえば、この研修は、私が元気をもらった研修になった。この研修の機会をつくってくれたイマジンの人たちには、感謝したい。