松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★地方自治制度研修(館山市)

2017-06-28 | 2.講演会・研修会
 今年も千葉県安房郡市広域市町村圏事務組合「初級職員研修」にでかけた。

 今回の研修は、館山市、南房総市、鴨川市、鋸南町の採用2年目の職員が対象で、地方自治制度と地方公務員制度を教えることになる。当初は、こうした制度の基本を淡々と教えようかと思ったが、聞いてみると、採用2年目といっても、既卒者や民間経験者が、だいぶいるということで、2日目は、自治体職員マインドにも重点を置いて、研修をすることにした。

 研修においては、技術やテクニックを学ぶことも重要であるが、なんのために公務員になったのか、どのようにその理念を実現していくのかを体得することも重要である。とりわけ、多くの自治体では、就職氷河期のころに、採用を控えた関係で、管理職クラスが、部下の指導をせずに、ずっと下働きで管理職になってしまった関係で、管理職クラスの指導力が全体的に弱い傾向がある。人を使って仕事をするのが下手で、また自治体職員マインドの承継がうまくいっていないところも多い。

 そんなことで、急遽、研修内容を変えたので、模造紙などの材料がなく、A3の紙をセロテープで張り合わせて、模造紙の大きさの紙を作るなどを行うことになった。担当のYさんには、お手数をかけてしまった。臨機応変といえば聞こえがいいが、展開が急で、なんという講師だと思ったのではないだろうか。申し訳なかった。

 受講生は、みな温和でまじめで、これは土地柄なのだろう。ゼミ生のような受講生もたくさんいて、大学でゼミをやっているような感じになった。相模女子大学は、今年で定年であるが、来年になって、今回のような研修をやると、きっと懐かしく、かつ寂しく思うのだろう。

 この研修は、何年もやっているが、2年目の時に、お断りしたことがある。研修が多くなってしまったためであるが、それでも懲りずに、翌年また声をかけてくれて、それ以来、喜んで引き受けている。楽しみの一つは、会場の館山まで、わが三浦半島からフェリーで行けるからである。久里浜から浜金谷までの40分の船旅は、旅気分で、ゆったりと行ける。

 東京湾フェリーは、南房総に高速道がなく、また東京湾の横断橋ができるまでは、南房総へ渡る唯一の方法だった。船を1便待つのは当たり前だった。特に金谷は混雑し、まず駐車場に入るまで時間がかかり、国道はフェリー待ちの車で何キロも渋滞した。しかし、今では、「待たずに乗れます」がキャッチフレーズになってしまい、実際、大きな駐車場で乗船待ちしている車は、7,8台である。フェリーは、車は船底だけでなく、甲板にも駐車できる構造になっているが、甲板に車が入ることなど、見たことはない。

 徒歩による乗客も、20人から30人くらいで、大半がゴルフ客である。金谷には、いくつものカンツリークラブのバスが待っていて、送迎してくれる。ゴルフ客も大半が60歳代の後半から70歳台で、あと10年もしたら、多くのゴルフ場は、つぶれることになるのだろう。今回も2日間通ったが、港から,JRの浜金谷駅に行く人は、1,2名で、ゴルフ客がいなくなったら、東京湾フェリーは、さらに厳しい経営局面になるのだろう。

 ライバルの東京湾横断道のアクアラインは、本来は3000円以上のはずであるが、千葉県の補助で800円になっているので、これではフェリーは、とても価格競争には勝てない。我が家の場合は、船旅は小さな旅気分を味わえるし、甲板には、犬も入れるので、潮風を浴びながら、マロンとゆったりと旅ができるので、フェリーを愛用しているが、800円で行けるのにわざわざ4000円を支払う酔狂な客に頼るような経営は、やはり無理があるだろう。千葉県の施策に対して、東京湾フェリーは言いたいこともあるだろうが、800円はもうやめることはできないだろうから、この中で、東京湾フェリーも頑張るしかないだろう。大した知恵がない私とすると、大いに利用することで、ささやかな応援をしたいと思う。

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