松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆新聞の取材を受ける・ゼミ生みたいな記者さんなので力が入る

2023-03-18 | 1.研究活動
 新聞の取材を受けた。ゼミ生みたいな記者さんだったので、力が入った。

 下野新聞という地方紙で、栃木では圧倒的なシェアを持っている。地方議会のアンケートをしたので、その評価とコメントをということである。特に政策条例の少なさと議決に対する修正の少なさが私に聞きたいことである。

 政策条例については。次のように回答した。

1.二元代表制の意義
 議員の政策立案は様々な形がある(首長への要望、本会議や委員会での質問、決議による議会の意思表明)。それをやっているという意見もあるだろう。
 しかし、王道は、議員提出条例である。日本の地方自治は、同じ住民の代表である首長と議員が、切磋琢磨する仕組み(二元代表制)。その意味では、政策条例の提案は少なすぎる。

2.条例の今日的意義
 条例の意義を権利を制限し、義務を課すものと限定的に考えていないか(裁判規範としての条例)。条例にはその機能もあるが、今は、市民の暮らしを後押しする条例も重要(行為規範としての条例)。条例はその重みから、市民の暮らしを後押しする力は強い。もっと積極的に条例を使っていくべき。

3.行政の限界・窮状を乗り越える後押し
 ・行政は縦割りで守備範囲を固定的に考えがち。しかし、今日では、どこの所管にも属さない新しい問題が生まれている。所管にこだわらず、横断的な活動ができる議 員が提案する必要。
 空き家問題:保安(建物崩壊)、治安(不審者)、衛生(ごみ)、景観(木の繁茂)、地域コミュニティ(地域のつながり)など、さまざまな問題を生み、担当課も多岐に渡る(ということは、みんな自分の担当ではないと拒否る)。
 ごみ屋敷:同じ問題。これは福祉課(本人の問題)が所管のところもある。
 今後ますます、ぴったりした担当課がない仕事が増えてくる。
 ・行政は人手不足で、新たな課題に踏み込めない(職員の負担を考えると、やりたくても言い出せない)。議会が後押し、一歩踏み出せる役割も重要(議会の提案なので決意ができる)。

4.県議会の役割
 事務局のサポートも重要であるが、小さな自治体では調査系の事務局職員を置く余裕がない。事務局が大きな自治体が先駆的に条例をつくって、県内自治体の道を開き、条例づくりをしやすくしてほしい(大都市自治体議会は矜持を見せてほしい)。とくに栃木県議会の役割は重要。埼玉県議会では、全国初のヤングケアラー条例をつくり、県内の入間市やさいたま市が続いた。

 どんなコメントになるのだろうか。楽しみ。ともかくゼミ生みたいな記者さんがんばれ!
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