松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆だれできの政策立案③考えるモノサシとしての自治基本条例

2020-07-12 | だれでもできる政策立案
 自治基本条例は、良い政策をつくるときに、とても良いモノサシである。

【マロン教授】 前に、政策は、あるべき姿と現状のギャップを埋めるものと言ったけれでも、そのあるべき姿を考えるいいモノサシがあるんだ。答えを先にいうと、「自治基本条例」なんだ。

【夏ちゃん】 自治基本条例って、理念条例ですよね。うちの自治体にもあるけど、あまり機能していないですね。

【マロン教授】 それはもったいない話だね。自治基本条例は、実に使える条例ですよ。わかりやすい例で言えば、愛知県新城市は、次から次に全国初という条例を制定しているけど、常に、自治基本条例から考え、自治基本条例をモノサシに政策を考えている。自治基本条例を使い倒している自治体ですね。

【夏ちゃん】 なぜ、そんなに利用価値があるのですか。

【マロン教授】 とても簡単な話です。自治基本条例には、あるべき自治体の姿が欠かれています。いわば目標です。目標が示されているので、その目標と現状を比べれば、大きな溝があり、それを架橋する方法を考えることで、新たに作るべき政策が生まれてきます。
 例えば、市民は主権者です。ところが、現状は、選挙で主権を行使しようとしても、立候補予定者は、名前の連呼と笑顔です。これでは、主権の行使のための判断ができません。そこで、判断のための公開政策討論会制度を作ろうという政策が生まれてきます。

【夏ちゃん】 なるほど。若者政策はどうですか。

【マロン教授】 自治基本条例では、みんなが力を出すことが目標です。他方、現状を見ると、若者の出番がありません。そこで若者の出番を作るという若者政策・若者議会が生まれてきます。
 新城市は、女性議会、地域自治区などの政策も打ち出していますが、これも同じパターンですね。あるべき姿と比べて、現状はそこまで追いついていない。だから、その隙間をテコ入れする制度を作るという発想です。

【夏ちゃん】 なるほど。わかりやすいし、簡単ですね。いいことを聞きました。

【マロン教授】 ほんとうに簡単です。これは、私の業務上の秘密ですが、私が、書いている本や論文も、同じパターンです。

【夏ちゃん】 あ、わかります。先生が、今度書いた「定住外国人活躍政策」も同じですね。(みんな活躍する)ー(現状)=どんどん増えてくる外国人が活躍するという政策提案というパターンですね。

【マロン教授】 バレてしまいましたか。では次に書こうとしているのは、何だと思いますか?





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