キングダンの政策の窓モデルから考えてみよう。
政策の窓モデルは、ゴミ箱モデルを出発点として、1984年にJ・W ・キングダン(Kingdon)によって提示された理論である。
この理論は、政策アジェンダの設定、複数の政策代替案の生成、そのうえでの政策代替案の選択・決定というプロセスが、どのように行われるかを解明しようとするものである。
キングダンによると、アジェンダ設定過程を問題、政策、政治という3つの流れに整理している。まず、問題の流れである。
第一の問題の流れとは、様々な問題の中から特定の問題が注目され、政府アジェンダとして関心を集める過程である。取り組みべき課題が無数にあるはずであるが、それが注目される要因である。若者政策で考えてみよう。
キングダンは、特定の問題が政策決定者の注目を集める要因として、
(1)統計資料など社会指標の変化(indicators) を上げている。人口減少や高齢化、出生数等の社会指標の変化である。最近では人口ビジョンがつくられ、まちの動態が、数字でわかるようになった。
若者の比率の減少、投票率の低下、公共活動への若者参加比率である。
(2)事件や事故などの注目が集まる出来事(focusing events)。 大きな事件・事故災害の発生である。
18歳選挙権の導入などが当たるだろう。シルバーデモクラシーをめぐる問題、地方創生で、若者が注目されるようになったことも入るだろう。
(3)政策の評価結果(feedback)。政策評価がどこでも行われているが、その水準や現状から見えてくるものである。
相模原市南区の若者政策では、7つの地区の課題評価から、若者政策が生まれてきた。
(1)から(3)によって生まれてくる問題は無数にある。これがアジェンダになるのは、政策関係者によって、意味がある、重要だと解釈されることによって、問題として定義されるからである。
政策関係者が、この「認識」をするきっかけには、大別して、①能動的認識、②受動的認識、③他律的認識の3つがある。
①能動的認識
政策関係者が政策課題を主体的・能動的に認識する場合である。若者政策では、これが重要な課題だと発見して、そのための政策を立案する場合である。
②受動的認識
政策関係者が、他からいわば受動的に政策課題を認識させられるケースである。この受動的に認識する手段は、自治体では重層的に用意されている。その代表例が広聴ツールである。こうした公式の広聴ルート以外でも、議員・NPO・各種団体から要望・陳情も受動的に政策課題を認識させられるケースである。受動したもののなかで、その重要性を嗅ぎ分ける能力が高ければ、政策課題として取り上げられる。
③義務的認識
義務的に政策課題に取り組むケースである。法律が制定されて、その執行が義務付けられた、あるいは国の予算措置(補助金)がついたといったケースである。
新城市は、この内、能動的認識、あるいは、受動的認識能力が優れていることが、全国初と言った政策を提案できる背景にあるのだろう。
多くに声に後押しされて受動的認識したり、義務的認識で仕事をしていると、二番煎じ、あるいは、付和雷同的な政策になってしまうのだろう。
問題は、どのように能動的認識や受動的認識力を高めるかであるが、一番の近道は、自治の基本をしっかりと体得することだと思う。自治の基本が、いわば目標なので、常にそこにさかのぼって考えていけば、良いヒントが生まれてくるからである。
では、どうすれば、自治の基本を学べるかであるが、まず、私は、木鐸社の私の本(励ます令和時代の地方自治)を勧めるが、やや厚かましいので、小さな声で書いておこう。
ちなみに、この本は、アマゾンなどに出ていない。木鐸社といえば、リヴァイアサンなど、政治学の老舗で、ものすごいハイレベルの本を出している孤高の出版社である。「本屋さんで売らない」と言っていたが、本当なので驚いた。
政策の窓モデルは、ゴミ箱モデルを出発点として、1984年にJ・W ・キングダン(Kingdon)によって提示された理論である。
この理論は、政策アジェンダの設定、複数の政策代替案の生成、そのうえでの政策代替案の選択・決定というプロセスが、どのように行われるかを解明しようとするものである。
キングダンによると、アジェンダ設定過程を問題、政策、政治という3つの流れに整理している。まず、問題の流れである。
第一の問題の流れとは、様々な問題の中から特定の問題が注目され、政府アジェンダとして関心を集める過程である。取り組みべき課題が無数にあるはずであるが、それが注目される要因である。若者政策で考えてみよう。
キングダンは、特定の問題が政策決定者の注目を集める要因として、
(1)統計資料など社会指標の変化(indicators) を上げている。人口減少や高齢化、出生数等の社会指標の変化である。最近では人口ビジョンがつくられ、まちの動態が、数字でわかるようになった。
若者の比率の減少、投票率の低下、公共活動への若者参加比率である。
(2)事件や事故などの注目が集まる出来事(focusing events)。 大きな事件・事故災害の発生である。
18歳選挙権の導入などが当たるだろう。シルバーデモクラシーをめぐる問題、地方創生で、若者が注目されるようになったことも入るだろう。
(3)政策の評価結果(feedback)。政策評価がどこでも行われているが、その水準や現状から見えてくるものである。
相模原市南区の若者政策では、7つの地区の課題評価から、若者政策が生まれてきた。
(1)から(3)によって生まれてくる問題は無数にある。これがアジェンダになるのは、政策関係者によって、意味がある、重要だと解釈されることによって、問題として定義されるからである。
政策関係者が、この「認識」をするきっかけには、大別して、①能動的認識、②受動的認識、③他律的認識の3つがある。
①能動的認識
政策関係者が政策課題を主体的・能動的に認識する場合である。若者政策では、これが重要な課題だと発見して、そのための政策を立案する場合である。
②受動的認識
政策関係者が、他からいわば受動的に政策課題を認識させられるケースである。この受動的に認識する手段は、自治体では重層的に用意されている。その代表例が広聴ツールである。こうした公式の広聴ルート以外でも、議員・NPO・各種団体から要望・陳情も受動的に政策課題を認識させられるケースである。受動したもののなかで、その重要性を嗅ぎ分ける能力が高ければ、政策課題として取り上げられる。
③義務的認識
義務的に政策課題に取り組むケースである。法律が制定されて、その執行が義務付けられた、あるいは国の予算措置(補助金)がついたといったケースである。
新城市は、この内、能動的認識、あるいは、受動的認識能力が優れていることが、全国初と言った政策を提案できる背景にあるのだろう。
多くに声に後押しされて受動的認識したり、義務的認識で仕事をしていると、二番煎じ、あるいは、付和雷同的な政策になってしまうのだろう。
問題は、どのように能動的認識や受動的認識力を高めるかであるが、一番の近道は、自治の基本をしっかりと体得することだと思う。自治の基本が、いわば目標なので、常にそこにさかのぼって考えていけば、良いヒントが生まれてくるからである。
では、どうすれば、自治の基本を学べるかであるが、まず、私は、木鐸社の私の本(励ます令和時代の地方自治)を勧めるが、やや厚かましいので、小さな声で書いておこう。
ちなみに、この本は、アマゾンなどに出ていない。木鐸社といえば、リヴァイアサンなど、政治学の老舗で、ものすごいハイレベルの本を出している孤高の出版社である。「本屋さんで売らない」と言っていたが、本当なので驚いた。
予約していた「定住外国人活躍政策の提案」は本日届きました。こちらも楽しみです。
本は送ります。前の現代自治体論より、読みやすいと、思います。
それから、今度、新著を書いたら、買わないでください。サインで送ります。
職員の人達は、なかなか雑誌に出ることはないので、よい記念になると思っています。
ガバナンスの8月号かな。これは、送りますので、よろしく。