松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆自治基本条例-新たな市民文化の胎動(流山市)

2008-07-29 | 1.研究活動
 なぜ自治基本条例をつくるのか。この条例をテコに何をつくろうとしているのか、そのヒントとなるのが流山市民の取り組みである。
 流山市の条例づくりで特質すべき点は、次の3点である。
 第一が、徹底したPIを行ったことである。市民の強みは市民性である。法律をちょっとかじった議論をしがちであるが、この土俵では素人論議である。ところが、市民が市民を代弁しはじめたら、これは行政も学識者も、だれもかなわない。それを実践したのが流山市民である。流山では市民が市民の集まりで出向いて話を聞いた。その回数は119回、4300人の市民に直接会ったというのである。こういうプロセスを経ることで、市民の主張が説得力を持ってくる。
 第二が、市民と行政が協働で策定調整会議を行ったこと。裏取引なし、すべてオープンの場で、相互に主張し、妥協していく作業を両者がやり通した。市民は主人で、行政は雇われ人だといったら、誰も知恵を出さなくなる。自分たちのまちをよくしよう、市民が幸せく暮らせる地域をつくろう、という共通の思い、水平の関係がなければ、相手の立場や言い分は理解できないだろう。いわば民主主義の現場にかかわれたことは、幸せなことだと思っている。
 第三が、今回の市民PRである。普通は答申をしてしまうと、解散、その後は続かない。ところが、流山では市民が引き続き、条例化を進めるべく、市民に対するPR活動を行っている。
 新たな市民文化が生まれようとしている、そんな胎動を私は感じている。
 
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