松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆自治体若者政策の展望(相模大野)

2013-07-21 | 1.研究活動
 私たちの未来は、若者にかかっていると思う。それは若者が、元気で、持てる力を存分に発揮して、社会を支えるという現実的側面とともに、若者が未来に展望を持っているかどうかが、いわば私たちの社会の未来の展望を占うリトマス試験紙だからである。その若者が存分に力を発揮できる社会をつくるのには、どうしたらよいのか、それを考えるシンポジュームを開催した。

 今回のシンポジュームではパネラーの人選は、学生たちが行った。そして現地に行った交渉し、話を詰めてきた。私は特に異論をはさまず、学生たちの関心と興味に最大限、従うことにした。結果、学生の目から見て、話をしてもらいたい人が来てくれることになったのだと思う。私が人選をしたら、収まりはよいかもしれないが、予定調和的な結論になってしまったろう(つまり、私は学生たちに任せて得をしたことになる)。

 多くの自治体では、体系的な若者政策がない。これまでは個別で縦割りの若者対策が行われていたが、それでは、若者が未来に希望を持て、そのエネルギーが社会に戻っていく社会は実現できないであろう。基本理念をきちんと持ち、個別の若者施策を束ねる若者政策が必要になる。第一、高齢者政策があるのだから、若者政策もあってよいはずである。

 その若者政策では、親のセーフティネットからの自立と、公共市民としての社会的自立が主たる内容になるのだろう。
 前者では、特に若者の雇用がポイントになる。シンポジュームでは、京丸園の鈴木さんが、障碍者雇用による持続可能な農業経営を説得的に紹介されたが、これを若者に引き戻すと、「若者を受け入れると得になる」という発想が大事なのであろう。
 後者は、特に、地域が若者を育てる機能が重要だろう。それには、まず、地域の価値をきちんと認識し、それを自治体のなかでちゃんと位置付け、そのもとで、具体的施策を打っていくことが大事なのだろう。地域は自信を無くしているが、自信を持ってもらうから始めることになる。

 私にとって嬉しかったのは、今回のシンポジュームで、ゼミ生たちが、公共的な社会性にふれ、それを他の学生や市民に提供する機会を作ったことである。シンポジュームについれ、授業でも紹介したので、一般の学生たちも参加していたが、うなずきながら報告を聞き、メモを取っていたことが印象的だった。学生たちが社会性に触れる機会を提供できたことが何よりの収穫だった。
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