松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆北風と太陽(相模大野)

2015-09-12 | 1.研究活動

 区民会議があった。この日は変則で、3時半から。以前、3時15分(2時45分?)からという会議もあったが、開始時間にも、この会議の変幻自在差が出ている。

 テーマは、まずは、総合戦略の報告。これを素材に、次期区民会議で取り上げるテーマを出していこうと考えた。ただ、時期が早いこともあって、質疑に集中し、狙い通りにはいかなかった。総合戦略の話を聞いての印象としては、具体的に、人や仕事を増やす各論は難しいということ。1年間で、自治体で実現可能な、あっと驚く対応策は、そう簡単にはできそうもない。

 委員さんからの意見。この人は、元大会社の社長さんであるが、有用な外国人を増やすという提案。人口はそう簡単には伸びないことを前提にしたうえでの提案である。日本は、いい国であるとの評価も高いので、有為な外国人が日本に来るというのも現実的な話だろう。外国人の移民問題については、感情論的な異論もあるが、世界の中で、とりわけフツ―の国を目指す日本としては、いやでも早晩、受け入れることになる。逃げ回っていると、結局、最後のババをつかむことになるので、その前に、早めのうちから手を打って、いくべきだろう。

 議題のほうは、プレゼン大会と無作為抽出会議の途中経過。相模原市南区では、この事業は、若者たちのグループ「若プロ」が企画運営している。区民会議からも委員がでて、一緒に作業している。ちなみに、今回の会議の中で、新城市の若者政策が紹介された。

 会議のなかで、若プロと一緒に作業をしている委員さんの意見を聞いてみた。すると異口同音に、「区役所の職員が本当によくやってくれる」という評価。実際、職員のみんなは、大いに頑張っているが、職員が頑張るのは、委員さんたち市民に励まされているからである。頑張った点を素直に評価してくれるという安心感が、さらに頑張るきっけかになるのだと思う。もし、「自分たちは主権者としての市民である」あるいは「上から目線で自分たちは委員である」という態度だったら、職員は、決まったことしかしないであろう。

 社会体験が豊かであれば、物事を一面的に見ることはしない。世の中は、白黒や善悪の二分法では割り切れるほど単純ではないことは、社会生活をすれば自然に体験するが、そのなかで程よい決定をできるようになっていくのが社会体験である。大人でも、こうした社会体験ができていない人がいる。区民会議メンバーは、会社や組織で、一定の評価を受けている人ばかりなので、こうした基本を自然に体得しているのだと思う。北風と太陽ではないが、北風では身を縮めるばかりで、とても120%の力は出てこない。

 太陽の程よい暖かさが、一人ひとりの力を引き出す・・・。そんなことを考えながら、気持ちよく議事を進めることができた。

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