松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆委員の任期を年度にあわせる②

2020-08-07 | 1.研究活動
 マニアックな話であるが、知恵がある人からヒントをもらった。

 まず、条例制定時である。4月の年度当初には、委員会がスタートできないことも多い。その場合は、経過措置として「この条例の施行後最初に任命される……委員の任期は、第〇条の規定にかかわらず、当該委員の任命の日から当該日の属する年度の翌年度の末日までとする。」といったような規定を置けば足りる。なるほど。実際、これは、そう難しくもなく、経過措置なので、違和感もなく了解されるだろう。

 すでに、任期は2年という条例があって、年度区切りにするために、今期は3月31日までとする場合である。最初の対応が十分でなかったために、困難性は倍加する。

 本筋は、条例改正で、「令和〇年〇月〇日において……委員である者のその任期は、第〇条の規定にかかわらず、令和×年×月×日をもって終了するものとする。」といった改正が考えられる。

 しかし、理屈はよくわかるが、内部から、すぐに、こんなことで条例改正するのかという反論が出て、内部決裁が通らないであろう。この条例改正は、条例の作り方が、不備だったということになるからである。謝らないといけなくなる。
 逆に、上司からは、条例改正もせずに、任期2年と書いてある委員を今期だけ短縮して、帳尻を合わせる方法を考えろと言われしまうだろう。

 多くの場合、それで面倒くさくなって、だったらそのままにして、そして次の人にバトンタッチすることになる。委員会の方も、問題意識はあるが、そこまで、エネルギーを使う人も少なく、結局、そのままとなる。こうやって、私たちの国は、どんどん遅れてしまった。

 白岡市で、この前の委員会で、今期は3月31日までに委員任期を短縮しようという話になって、実際そうやることになったが、実際は別にして、その論理をどのように説明するか(こんな面倒くさいことを誰かが言っているわけではない。きちんと頭を整理するために、私が、面倒くさいことを言っているにすぎない)。

 白岡市の場合は、2年以下という書き方なので、実際の任期は、それを辞令で補強するという論理になるが、この辞令の書き換えということなのだろう。実際は、そんな面倒くさいことはせずに、口頭辞令を貰って、心の中で書き換えたという理屈になるのだろう。

 多くの自治体の場合のように、条例で2年ときっちり書いてある場合は、辞令で、それより短いものは出せないし、口頭辞令で、心の中で書き換えたと言った文化程度の高い論理は使えない。

 考えられるのは、みんなで示し合わせて、3月31日で辞任することにして、4月1日から、新規でスタートするという方法だろう。白岡市の場合も、実質的には、そういうことなのだろう。

 ただ、こういう阿吽の作業は、委員会がフランクで問題意識を持っていること。同時に、事務局と委員会が、フランクに話し合える条件でないとできないだろう。

 上司から条例改正をせずに帳尻合わせをしろと言われた担当職員が、その上司の命令にうまく答えられるかどうかは、委員会との日ごろの関係性、信頼関係の深さで決まってくる。要するに、誠実に、前向きになっているかどうかという、当たり前のことに戻っていく。
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