松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆自治基本条例-新城方式をつくろう(新城市)

2011-03-05 | 1.研究活動
(2010.3.5)
 今年度、私が参加する最後の会となった。大きな流れは、次のようになっている。
 今年度は、市民の言葉による条例案の検討の素材(たたき台のたたき台)をつくる。「こういうまちだったいいだろうな」「こうした動きをしてくれたらいいだろうな」といったあるべき姿や期待を分かりやすい言葉で書く。来年は、それをベースに、具体化する仕組みを考えるというものである。
 したがって、来年度は、委員40名に倍増し、それに行政職員も参加して、一緒になって、あちこちの地域に出かけて市民と議論することになる。
 おそらくであるが、新城市といっても一様ではないので、仕組みによっては、一市多制度のほうが、よいものもあるかもしれない。それを大事にしようというということになった。
 今回の提案では、新城ならでの仕組みも提案している。とてもいいもので言いたいが、それは、最終的には新城のメンバーが決めることなので、今は、報告はしないでおこう。
 3月末には、市長さんに提案が出されるが、それが楽しみである。
 奥三河という土地柄は、派手ではないが、誠実さを感じるところである。その新城市の特徴が出た作り方や条例の内容になるのであろう。大いに期待できしたい。
 11月の大学の学園祭に、新城から来てもらって、お店を出すことになった。作手のひとたちとそんな話をしたら、大乗り気だった。学生も大挙して新城に来た。今度は、大挙して相模大野に来てもらいたい。

 お土産は、豊橋で。自家製の漬物。  

(2010.2.19)まとめに入っている。第20回の会議だった。
 しばらく、更新をサボってしまった。
 市民会議では、3月末の報告書を出すので、まとめに入っている。
 新城市の自治基本条例では、自治の文化づくりを前面に打ち出している。息の長い話なので、ほかから条文を持ってきて、拙速に条例をつくるといったことを行っていない。何しろ、文化を創るのである、基本からじっくりとやっている。
 本年度の目標は、問題の共有と方向性を出すこと。それを受けて、来年度は、検討委員会のメンバーを倍増し、それに市役所のプロジェクトメンバーが一緒になって、手分けして地域に入っていく。そこで、方向性を具体化する仕組みを提案していこうというものである。現在でも、面白い提案が出ているが、自治を実現する仕組みを新城市民にも考えてもらおうというものである。
 新城といえば、エコロジカルを大事にする都市あるが、自治づくりにも、こうした地道な取り組みを行っている。
 地道といえば、担当のMさんが講師となって、全職員を対象に自治基本条例の研修を行っている。全職員が対象というのは、全職員に声をかけたというのではなく、本当に全職員が参加する。全職員700名を何回かにわけ、全員に3時間研修をし、意見も書かせているのである。こうした地道な取組みは、いずれ効いてくると思う。
 新城は、豊橋経由であるから新幹線はひかりである(今週は福井に行ったので乗ったばかり)。豊橋に止まるのは、2時間に一本で、帰りは、いつもぴったりであるが、往きはタイミングが悪い。そこで、こだまでゆっくり行くのがパターンとなった。ゆっくりなので、コーヒーを飲みながら、原稿を直す。また、飯田線の乗り継ぎ時間もあるので、豊橋でお土産を買うことになるのである。
 今回のお土産は、駅ビルの山安で、ほうじ茶(これはうまい)と渥美半島特産のにんじん芋(これはなかなか濃い味わい)。それとカレー(豊橋は、カレーうどんでまちおこし中)。地方には、普通のもので魅力的なものがある。

(2010.12.4)回数は十数回。テーマは議会
 2回で1セットの2回目である。したがって、今回は委員さんによる検討となった。
 活発で建設的な議論となった。いくつかの論点がでたが、委員さんから「あえて問いかける」として、「議員と地域」の議論になった。難しい問題であるが、最終的に、議員が地域の声を代弁するものであるとしたら、多数が少数を数で押しつぶすものになるというHさんの意見は説得力があった(どうしたって、鳳来や作手は、数が少ない)。地域の意見を踏まえつつ、それが全体として優先度が高いのかどうかを議員一人ひとりが考えて、そして行動するのが、議員であるというSさんの意見は、そのとおりだと思う。いずれにしても、闊達な意見が出し合え、そして、そのなかで意見を形成していくことを実践することが、間接民主制を機能させることになる。市民の積極的な参加を間接民主制の危機ととらえる意見もあるが、それは違うと思う。

(2010.11.17) 回数は不明 テーマは議会
 今回は、議員さんも参加した茶話会である(9名の議員さんが参加したとのことである)。今井さんの進行で、笑い声に満ちたワークショップになった。
 市民と議員の距離のとり方は、とりわけ議員にとっては難しいようだ。まるで、大きな川があるかのように、それぞれが川向こうの相手を見ている。遠くてよく見えないから、誤解も生じてくる。いらぬ疑心難儀を生むことになる。その垣根をとることが、自治を進めるということであろう。その溝を埋めるのは、相手に「こちらに来い」というのではなく、双方が歩み寄るということだろう。そして、自治基本条例作りが始まった今がチャンスである。
 今回、いくつかのことに気がついた。
 ①新城市は、5万人の町であるが、ワークショップに参加した市民でさえ、顔がわからない議員さんがいるということ。首都圏に住む私などは、新城では「市民全員が知り合い」位に思っていたが、議員さんでも、顔がわからない人がいうというのである。議会基本条例で議会報告会を規定しても、何を報告するのかよく分からないといった議論があるが、まず、顔を覚えてもらうことでもよいのではないか。
 ②議員も半分は市民であること。これは参加した議員さんの弁である。抽象論でなく、給料の面から考えると、なるほどよく分かる。地方議員の給料は、とても安く、これだけでは暮らせない。小田原で一緒に仕事をした元議員さんは、元の勤務先の都庁を辞めて議員になったら、手取りが半分になり、奥さんにパートに出てもらうようになったといっていた。だから、地方都市の議員の多くは、ほかに職業を持っている。その部分では、市民であるということで、だから、市民の気持ちや考えていることがよく分かるということである。
 市民の気持ちはよくわかるけれでも、その市民の不満に対応できない。議会というひとつの存在になると、なかなか解決に進まないということだろう。そこに議会改革のポイントがある(だから議会全体で行動してみたらというのが、当面の対応策である)。
 新城市議会では、議会基本条例を作っていると聞いているが、案をもむ過程で、こうした市民とのワークショップを何度も何度もすれば、みなが納得できる穏当な案が出来上がっていく。それだけでなく、溝がだいぶ埋まると思う。声をかけてくれれば、時間をつくるので、声をかけてほしい。 

(2010.10.2) 第12回 テーマは行政
 今回は、茶話会。市民委員のほか、一般の人も参加する。今回は、テーマが行政のなので、市役所の人たちが多く参加した。他方、市民委員は少なめ。稲刈りだという。明日は雨なので、今日のうちに収穫しておかないと具合が悪いらしい。若手の議員さんも3名参加した。
 行政については、いろいろと意見が出るかと思ったら、どのグループも楽しそうに、元気よく議論していた。こういう機会が、なかなかないからだと言っていた。市民、議員、行政職員がフランクに話し合う機会があれば、それだけで自治は進むのだろうと実感した。
 飯田線に乗っていたら、穂積市長さんから電話があった。ずいぶんとアイディアを持っているようだ。時間をとって、そのアイディアを形にする手伝いをしようと約束した。そういえば、委員会に市長さんが来たのも、一度だけである。とても急がしそうであるが、一度、時間をつくってもらえるといいだろう。
 帰りがけ、委員のHさんから、栗をいただいた。コロコロに太った栗で、今夜は、山ごぼうと一緒にいただいた。我が家で、栗を一番上手に食べるのは、マロンであることがわかった。
 
(2010.9.15) 第11回 しんしろ白熱教室
 連投になった。情報共有と参加の2回目である。夜7時からの会議となった。
 前半は、前回の議論を短文化し、後半は意見交換と考えたが、反省点を残した。とりわけ前半のポストイットは、委員さんの能力を引き出す点では、あまりよい方法ではなかったようだ。メンバーも固定化し、気心も知れてきたので、自由な議論のほうが、いい意見が出るからである。後半、私が前に立ち、車座になって、市民参加、情報共有の基本的考え方を出してもらったが、闊達な意見が出て面白かった。到底、マイケル・サンデルのようにはいかないが、このメンバーならば、「しんしろ白熱教室」で、「これからの「自治」の話をしよう」もできるだろう。今後は、2回1セットのうち、2回目は、しんしろ白熱教室でいこうと思う。
 自治基本条例のつくり方は実に多様で、まちごとに違ってくる。
 今回は、夜からということで、新城の手前の豊川に泊まった。豊川稲荷の門前町である。ここでは「いなり」(食べるほう)で、まちおこしもやっている。

(2010.9.11) 第10回
 2回を1セットとし、議論を前に進めるのが新城モデルである。
 今回のテーマは、情報共有と参加。ミニオープンスクエアと名づけて、30名が参加して意見を出した。次回は、市民会議メンバーによる検討で、意見交換用のたたき台をまとめていくことになる。
 今回も豊橋での乗り換え時間は1分。走って走って、ちょっと待ってと新幹線を制して乗り込むことが2回続いた。ブラックリストにあがっているだろうか。
 12月には、相模女子大学の学生も参加しての大茶話会になる。それまで新城モデルを続けていくことになる。
 
 お土産は、豊橋のたまり醤油と作手のお茶。

(2010.8.29) 第9回
 市民が、ほかの市民に思いをはせ、それを咀嚼して自分たちの意見を出す。さらに、それを文章に表現していく。これが現在、新城で行って自治基本条例づくりである。市民が要望を出し、行政が形にするのとは違う。自ら提案し、形にできないと、いつまでたっても、要求型にとどまるし、行政の風下から脱することはできないだろう。
 もちろん、これは言うは易く行う難しである。自分だけではない。20名の委員がいるのである。考え方も違うし、同じ言葉でも、受け取り方が違う。その違いを乗り越えて、合意をつくるという作業をしなければならない。よいまちにしようというテーマである。こんなよいテーマで、こうしたことができないと、自治は、いつまでたっても私たちのものにならないだろう。自治基本条例づくりは、自治の実践の機会である。うまくできれば、市民の自信になるし、行政も安心する。それをステップに、さらに次の高みに行くことができるだろう。
 これをうまくやるには技術が必要である。無論、教科書はない。
 新城でやっているのは、2回をワンセットとし、1回目は傍聴者も含めたオープンスクエアである。思いがあって傍聴にきているのである。大いに知恵を出してもらおうと考えた。2回目は、それを形にする。こちらは検討委員会の専権である。志願して、やろうと決意して集まった委員さんの経験、知恵を大いに活かしてもらいたい。
 2回ワンセット方式で、一歩ずつ歩を進めていくと、それが一巡するれば、ある程度のまとまりができる。むろん、足りないこともあるから、さらに補強すれば、ワンランクアップすることになろう。これを順次、繰り返していけば、普通の市民だって、行政の負けない提案ができるのではないか。そんな思いでやっている。
 いろいろなやり方があるだろうし、これだけが正解はないかもしれない。でも、やってみて、足りなければ変えればよいだろう。その試行錯誤のなかで、より正解に近いものが見つかると思う。それをさらに磨きをかければ、もっとよいものになる。
 今回のお土産は、豊橋で水羊羹。いろいろな種類を買った。いつもの濃口醤油も買おうと思ったら、キッコーマンに変わっていた。地元の醤油は、地元では人気がないのだろうか。今度、ゆっくり探してみよう。
 
 列車からみえる景色は、一面広がる田んぼ。少し黄色になっている。日本は本当にきれいだと思う。


(2010.8.7) 第8回
 第8回から条例内容の検討に入った。自治基本条例の背景や町の現状については、これまで何度もやってきたので、それを少し形にしてみようという段階である。2回を1セットとし、1回目では、重要なこと、これは条例に乗せるべきだあると考えることを抽出し、2回目でそれを表現してみるということである。ばらばらに出ていた意見を集めてきて、島のようなものを形作っていく作業である。今回はコミュニティをテーマとした。
 やってみた感想であるが、新城では、助け合いがキーワードとなった。新城の自治基本条例では、「信頼」がキーワードになるのではないかと考えていたが、その延長線なのだろうか。
 メンバーも顔見知りになり、いろいろな話をするようになった。ここでも話したが、自治基本条例づくりは、自治づくりの実践という意味がある。この条例を作りながら、市民自治を体験していくものだと思う。自治とは、抽象的なものではなく、日々の暮らしそのものだからである。いくら自治とは何かを議論しても、実践できなければ先に進まない。実践しつつ、具体的に考えつつ、自治を一歩ずつ形にしていくのだろう。その意味で、自治の進み具合は、見えにくいものだと思うが、10年後には、ずいぶんと変わっていることに気がつくことになる。
 気になるのが、参加者の減少。この時期、地域の行事がたくさんあり、やりくりが難しいようだ。今回から、地域担当の市の職員の人たちが検討の輪に入った。明るい議論ができる人たちで、場が盛り上がった。混然一体(協働ということだろう)となってやっていける時期になったということである。
 今回は、豊橋でのお土産はなし。行きでは、印紙屋さんを探すのに手間取ったこと(金券やにあった)、帰りは走って新幹線に乗らなければいけなかったためである。
 戻った横須賀は、今日は開国祭の花火の日である。舞台は、家の前のうみかぜ公園。何とか間に合った。今年もりっぱな花火で、神奈川県随一という。なるほど納得。小心者のマロンは花火はなぜか平気である。長男夫婦たちも、やってきて、にぎやかな花火日になった。

 新城へ向かう昼食は、いつもの飯田線内。壷やのおいなりさんは定番。

(2010.6.26) 第4回市民会議 背骨を決めよう
 ようやく新城に行くことができた。本日の会議は、「自治基本条例の背骨を決めよう」をテーマにした。いつもは、ポストイットであるが、全員が一同に会し、人の話を聞き、自分の意見をいう、フリートークの場とした。20名もいると、委員さん同士でも名前がわからないということが起こっている。自由に話すことで、それぞれの人となりを知る機会になるだろう。
 少し心配したのは、私のブランク。2回ほど休んでいるので、「松下 WHO?」と思っている人もいるだろう。バリアが取れるには、なんといっても回数をこなすことが必要だからである。
 しかし、余計な心配。それぞれが、人の話を受けて、自分の思いを語った。いい会議だったと思う。
 背骨となるキーワードは、人と人との連携、地域のふれあい、市民自治、主体性、主体的参加など、重要な言葉が出た。これらをさらに吟味し、持続可能なまち新城をつくるキーワードが決まれば、条例の大黒柱ができあがる。
 全市的な統一性と地域性も重要な論点である。それぞれの地域に個性があり、文化がある新城ならではの論点でもある。結論は急がないが、ほぼ、みんなの思いはわかったような気がした。
 担当のMさんと日程調整したが、土曜日にずいぶんと日程が入っていた。新城は、何回行くことになるのだろうか。なお、Mさんは本物のお坊さんとのこと(米子のTさんは寸劇上のお坊さん)。頭をカットしているので、怖い関係の人かと思って避けていたが、目が優しいので、なるほど、いい人だということがわかった。

 新幹線の乗り継ぎで、豊橋で買い物をするが、写真は三ケ日みかんで作った羊羹ゼリー(飯田線)。
 追伸。我が家で大好評。


(2010.6.12)「まちづくり大茶話会(カフェ)・しんしろ~あんきにやらまい、新城市のルールブック(自治基本条例)づくり」 
 自治基本条例の関心を盛り上げるために、お茶のまち、新城で、大茶会と名づけたワークショップを行った。参加は約100名。にぎやかで楽しい会議となった。あちこちで笑い声が起こり、どのテーブルでも盛り上がっていた。今回の新方式は、席替えがあったこと。いろいろな人と知り合う機会も増えるし、なによりも動きがあるということが、活気につながるのだろう。
 なるほどと思う発表もあった。「だまされて参加したけれど、自分の意見が受け入れられてよかった」という感想は問題の本質を突いている。考えてみると、行政の会議だけでなく、市民の会議でも、すでに答えが決まっていたり、そもそも発言がしにくい会議が、どれだけ多いことか。こうした会議の運営方式は、主催者がつつがなくやるには好都合であるが、その結果、多くの人たちのやる気を削ぎ、お任せの気持ちを蔓延させてしまった。もはやつつがなくやっている時代は終わった。少し戸惑い、混乱するかもしれないが、「自分の意見が言えた。それが受け入れられた。受け入れなくても、なるほど腑に落ちた」といった体験を積み重ねていき、それを体得する段階に入ったのだと思う。そうしないと、まちや地域は凋落の一途をたどるのだろう。踏ん張りどころはなったのだと思う。
 次は、委員さんの各自が、自ら考え、他者の意見を聞き、地域を考え、よりよい答えを出していく段階に入る。どんな風にしたら、それができるのか。どうも標準形はないようである。新城では新城の方式(もっといえば、その会議ごとの方式)を開発していかなければいけないのだろう。難しいが楽しみである。ともかくそろそろ、委員さんに、思いを語ってもらう段階になったのだろう。がんばろう。
 終了後、委員さんとの懇親会があったが、残念ながら欠席。その足で、長野県上田市に行かなければならなかったからである。新城から豊橋まで出て、新幹線で名古屋に行き、特急しなので長野に行く。長野から最終新幹線で上田である。電車の遅れ等があり、走った、走った。やはり鉄道トリックは、本の上の世界である。殺人を犯すには、あまりにリスクが多すぎる。

(2010.5.20)
 今日は議員さんの集まりがあって、そこで自治基本条例の話をした。まさに、議員さんということで、千差万別、いろいろな意見が出た。
 自治基本条例については、賛成論だけでなく、不要論や疑問という意見もあるだろう。評論的議論ではなく、自分たちのまちの自治に結び付けて、「だから不要」という議論をすれば、結論はともかく、それだけで十分価値がある。
 新城では、すでに議会基本条例に取り組んでいることもあって、こうしたら市民の間で、自治基本条例を共有できるのではないかといういくつかの提案もあって、今後の進め方のヒントになった。
 老いも若きも、新人もベテランも、夢中になって議論していれば、その姿が外にも見えるようになる。世間は、「議員はいらない」という短絡的な志向が強いなか、定数削減やボーナスカットで勝負すると、それでは、ズルズルと土俵際まで押し切られてしまうだろう(少しくらい減らしても、実際たいした金額にならない。市民の思いや、さらには市民のパワーを引き出すという議員本来の役割が弱まる方が、市民全体にとってはずっとマイナスになる)。チェック機能も重要であるが、監査役でいくと、結局、3人いればよいということになってしまう。まさに多様な価値を政策で体現し、市民を巻き込んだ政策で勝負するしかないであろう。
 要するに、昭和22年に作られた地方自治法の仕組みが、今、様々な分野で制度疲労を起こしているのだと思う。それを超える仕組みをつくるのが今で、その仕組みが自治基本条例である。
 次は、今回のような闊達な議論を、市民もまじえてできないだろうか。
 今回のおみやげは、奥三河茶セットを買ったが、新城はお茶の産地で、ずいぶんのシェアがあるらしい。こうした潜在力を打ち出すときだと思う。それは、お茶だけでなく、政策も自治もである。微力ではあるが、私もがんばろうと思う。
 横須賀は雨であったが、こちらは晴れていて、飯田線の車窓からみる新緑が気持ちよかった。

  ペットボトルも売り出している。

(2010.4.24) 
 新城市は、奥三河地域といわれるように、全体に市街地は少なく、多くは農村地域、かつては林業で栄えた中山間地域で構成されるまちである。この新城市で自治基本条例の検討が始まり、昨日、第1回の市民会議が開かれた。
 通常は、第1回目なので、顔合わせ、そして私の話となるが、今回は、今井さんにも入ってもらい、参加者の思いを出し合う機会とした。
 これまでいくつかの自治基本条例づくりにかかわってくるなかで、多くのことを学んできたが、新城でも、そうした経験を活かして、一歩でも、前に進むように心がけていこうと思う。そこから、新城方式といわれる方式が編み出されてくるのだろう。大いに期待してほしい。
 冒頭に短い話をしたが、現在の到達点は次のようなことである。
 ①自治基本条例は、単なる条例づくりにとどまらない。いわば自治の運動であり、新たなたな市民文化づくりである。民主主義(他者を思いやるということ)を自分たちのものとする絶好のチャンスともいえる。こうした機会を大いに活かさないともったいない。
 ②議論するのは、自治の基本である。自治の基本というと何か難しいが、要するに、市民の幸せな暮らし、住みやすいまちづくりである。だから、だれでも議論できるはずである。それゆえ誰でもが議論できるように進行しなければいけない。
 ③市民会議に集まった人は、決して市民代表ではない。実際、今回の会議でも21人。新城市民5万人のほんの一部である。日々の生活に忙しく、出たいけれども出ることもできない人のほうが、ずっと多い。市民委員は、こうした市民への配慮、目配せが必要である。
 ④自治は、市民だけでつくっているわけではない。市民から信託された議員、行政職員も重要な作り手である。こうした担い手の持ち味が、議論に反映するような運営が必要である。早い段階から、議員と議論し、行政職員と議論する機会をつくりたい。
 ⑤楽しくやろう。角突きあわせて、怖い顔をしながら議論したって、いい意見が出るわけはない。第一、いいまちにしようと議論するのである。楽しい気持ちにならないほうがおかしい(楽しい気持ちになる進行が必要ということである)。
 こうしたことを基本に、運営していったらどうだろうか。
 終了後、傍聴に来ていた議員さんと話をしていたら、赤引温泉という温泉があることを知った。新城といえば、湯谷温泉であるが、ここは秘湯の温泉らしい。今度、泊まってみようと思う。新城に来る楽しみが、またひとつ増えた。
 
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