松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★住民自治の課題と展望(市町村アカデミー)

2012-06-28 | 2.講演会・研修会
 市町村アカデミーでは珍しい5日間コースの研修で、メインテーマは、住民主体のまちづくりと政策法務である。私に与えられたテーマは、住民自治の課題と展望というまとめのような講義である。2コマしかないので、主に私が一方的に話す研修となったが、それでも、席の前後4人が一緒に考えるワークショップを取り入れてみた。
 この5日間コースには、あまり時間が取れない人が参加する。その分、管理職やベテランの職員が参加することも多い。
 さて、席の前後4人のワークショップは、次のような想定である。
 与えられたテーマを10分で考えてもらうが、たいていの場合、大勢で議論すると無難な結論になる。その回答を見て、「そういった既存の発想でやっていると、人口減少時代、地方分権時代、自治体は乗り切れない」と指摘するのが私のシナリオであった。ところが、解答を見てみると、私の期待に反して、私が正解と考えている解答が圧倒的に多かった(これは第一線の実務家がこのコースに参加しているためである)。焦った私は、「皆が誤った回答を出したという前提で考えてほしい」という訳の分からないお願いをして、「これではダメなのだ」という理由を力説することになった。受講生にはウケたが、確かに間が抜けている。
 住民自治とは、既存の考え方では、市民が信託した行政や議会をコントロールすることとされる。たしかにそれも大事であるが、それだけでは、自治はできないというのが私の26年の体験である。そもそも自治の歴史は、人が集まって暮らし始めたときからであるのに対して、国民国家は、できてから、たかだか200年しかたっていない。その理論である信託論にとらわれすぎる必要ないというものである。住民自身が存分に力を出すことも重要であって、それも住民自治の基礎的な要素である。住民が力を出せるようにするために、行政が変わっていくことも大事であるというのを伝えるのが、今回の主眼で、そのためには、職員採用や個人情報保護など、今までのやり方を改めて、組み立てなおすべきことはたくさんあるという話をした。単線思考では、もうだめである。
 私の話は、やたらに具体例が多く、しかも個人的な話が多いのに驚いたろう。また、話があちこちに飛び、ついていくのが大変ではなかったか。1日かけて話すことを2時間半で話したためである。ヒントはたくさん言ったので、あとはそれを自分のものとしてほしいと思う。
 今回も笑い声いっぱいの研修となった。

 写真は送迎のバス(お客さんは2名のみ)
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