松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★まちづくりのルールを考える(尼崎市)

2014-03-22 | 2.講演会・研修会
 尼崎市でまちづくりのルールを考える市民塾があった。

 尼崎市は、平成28年に市政100周年を迎えるが、それに向けて自治基本条例をつくり始めている。今年は、市民塾を開催して、まちづくりとは何かを考えている。その最終回に私が話をすることになった。

 自治の基本を抽象的に考えていては、自治基本条例は市民に遠いものとなる。暮らしの中から、何が大事で、何に困っているかを考えながら、自治基本条例を考えていくことが大事である(これがコツであろう)。

 たとえば、大災害である。市政の最重要課題である。大地震が確実にやってくる中で、最も市民の関心が高い。では、大地震から身を守り、少しでも被害を減らすにはどうしたらよいか。自治基本条例は、それに役立つものでなければならない。

 たとえば、市民概念である。地方自治法は住民という概念を定めているが、住民だけでは、住民自身を守れないので市民という概念をつくることになる。例えば、尼崎の場合、昼間、自分の住所の近辺にいる人は、おそらく50%を切るだろう。大阪に働きに行く人、買い物に行く人がたくさんいるからである。反面、尼崎の3分の1は工場地帯であるが、そこに働きに来ている人もたくさんいる。この人たちは、住民ではないが、こういう市民をまちづくりに巻き込んでいかないと、住民の安全は守れない。ここから、市民概念の必要性や範囲が決まってくる。

 情報共有や参加の仕組みも、災害から身を守るためには、大事な仕組みである。こうしたことを記述して、そのための仕組みを作っていくのが自治基本条例である。この仕組みづくりでは、一番しんどいのは、役所の人たちである。これまでの仕事の仕方が、大きく変わるからである。しかし、それをやっていかないと、次の未来はない。

 私の話のあと、パネルディスカッションがあった。パネラーがそれぞれの活動を紹介した。それ自体もなかなか興味深いものだったが、今回、特に良かったのは、私の話を受けて、それぞれの活動と自治基本条例の関係を話してもらった点である。こういうパネルディスカッションの進め方は、初めてだったが、これがなかなか良かった。自分たちの活動を通して、具体的に自治基本条例の意義を考えることができたからである。

 尼崎は、大阪から快速電車で5分という近さである。尼崎で話をするのは、2回目になるが、こんなに近いとは思わなかった。大阪国際大学にいた時、ゼミの学生も尼崎に住んでいたが、今頃どうしているだろうか。今回の会場は、JR尼崎駅の近くであったが、阪神線の沿線には、魅力的な下町商店街が残っていて、商店街フェチの私とすると見逃せない。今度行くときは、ゆっくり歩いてみよう。ちなみに尼崎は、忍たま乱太郎の聖地である。
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