松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆令和時代の政策法務(3)政策法務推進計画の次の展開

2020-09-15 | 1.研究活動
 要するに、地方分権による法務改革が徹底していないということなのだろう。

 いくつかの自治体で、政策法務推進計画というのがある。政策法務を導入しようという意図は分かるが、では実際に、原課(自治体職員)は何をしたらよいのかということになると、漠然としてしまう。
 つまり、どんな条例をつくったらいいのか、よくわからなくなってしまう。

 推進計画には、大要、次のように書かれている。
「地域の特性及び県民のニーズに適切に対応し、主体的かつ独自に政策を実現していくため」(熊本県)
「地方分権時代にふさわしい政策法務管理による政策の立案・執行を推進するととも」(静岡市)
「市民志向・地域志向を貫く自立した自治体経営を実現するための政策法務の推進」(豊田市)

 ここにしめされたことは当たり前のことで、では市民志向とは何か、地域志向とは何か、具体的にどんな条例を目指せと考えているのか、そこが知りたい。

 答えは簡単な話である。地方分権で目指したのは、住民自治の充実と、団体自治の自己革新である。ここから立論すれば、作るべき条例が見えてくる。

 住民自治の充実を考えれば、信託を担保する公開政策討論会条例がそのひとつである。団体自治の自己革新を考えれば、制度疲労を起こしている地方公務員法を越える現代職員のあり方を示した職員基本条例などが、すぐ出てくる。そのほか、5つくらいは出てくるだろう。

 さらに令和の時代になると、住民自治、団体自治に加えて、私的領域の公共化の問題が顕在化してくる。空き家条例やごみ屋敷条例である。ここは無尽蔵である。

 作るべき条例は、いくつもあり、政策法務管理部門は、この方向性をはっきり示さないと、原課は戸惑うばかりで、思わずマスク条例に行ってしまう。これが政策法務推進計画の次の展開内容になるだろう。



 

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