松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆審議会の作法④-行政に対する質問は極力しない・相模原市南区区民会議(三浦半島)

2016-12-29 | 審議会の作法

 審議会は、委員同士で議論する場なのに、行政の説明をずっと聞いていたり、あるいはその説明を受けて、行政に対する質疑が、中心の審議会も多いようだ。幸いというか、私は、こうした会議に遭遇したことがない。正確には、あったかもしれないが、すぐに茶々を入れて、「簡潔にお願い」と言ってしまう。

 相模原市南区区民会議でも、設立当初、驚いたことがある。本来は、市民同士で意見を出し合い、議論する会議であるはずであるが、参加した委員(自治会の代表)が、後ろを向いて、後ろの控えている行政に向かって質問しているのである。おそらく、これまで役所の会議は、こうしたスタイルでやって来たのだろう。私は議長であるので、「どっちを向いて話しているのですか。私が議長なので私の方に向かって話してください」と怒ったが、そんなことを言われたのは初めてかもしれない。

 そこで、みんなで議論できるように、机の配置を変えることにした。それまで四角に配置していた座席を丸く設定したのである。南区区民会議は、ずっと円形の会議形態でやっている。以来、会場の大きさが許せば、私の運営する会議は、机の配置は丸くする。丸くすると、全員の顔が見える。隣の人との間隔も狭くなるので、腕組みをしてふんぞり返っている余裕もない。こうするだけで、質問や苦情ではなく提案が出てくるのである。

 前に向いて、委員同士で話をすると、話に内容が違ってくる。委員同士なので、穏やかな話しぶりになるし、質問はできないから、こうしたらという提案になる。まれに、批判になると、私は間髪を入れず、その批判は、私もその通りだと思うが、ではどうしたらいいと思っているのかと、突っ込みを入れる。

 その場合、きっちりとした対案まで、求めているわけではない。対案のヒントのようなものを一生懸命考えていれば、それで充分である。大事なのは、対案を一生懸命考えるという姿勢である。対案のヒントがあれば、「いい指摘があったので、もう一息、ブレッシュアップするヒントを考えて」と、みんなに水を向ける。

 一生懸命、みんなで議論するから、区民会議は面白いのだと思う。

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