松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆いろいろと思うことなど(三浦半島)

2015-05-03 | 1.研究活動

 わけあって、しばらくぶりの投稿となった。

 時間があったので、連れ合いと旅をした。山形県の酒田、鶴岡、そして新潟県の村上である。私たちの旅は、結局、私の仕事の延長のような旅になる。今回の旅でも、初めて出会う町の人と、たくさん話す旅になった。 

 旅の途中、目に異変を感じた。帰って眼科に行くと、網膜剥離だとのこと。放置すれば失明すると脅された。1日10時間以上は資料を読み、原稿を書いていると言ったら、先生から、それは職業病だと言われた。

 そのため、しばし行動の制約を受けている。この間、いくつも歯痒い思いをしているが、最も気になったのが新城市のMさんからの連絡である。手術の前で、結局、直接話ができず、申し訳けなく思っている。

 このブログでも触れているが、新城市では、住民投票があり、Mさんたちは、その事務局である。5月16日には、住民投票をテーマに、まちづくり集会が開かれる。

 新城市の住民投票は難しい住民投票である。普通の住民投票では、新庁舎を建てるか、建てないかを争うが(白黒が明白)、ここではまだ使える一部庁舎をそのまま使い、プラスして小さな市役所を建てるか、古い建物も取り壊して、新規に大きな市役所を建てるかの投票である。

 住民投票における判断の基本は、まずは町にとっての損か得かの判断であるが、新城市のケースでは、その答えは簡単ではない。せっかく使える庁舎があるのだから壊すのはもったいないので、大いに使ったほうが安上がりとも思えるし、残しておくと財政が一番苦しい時に自費で壊す(あるいは建て直す)ことになるので、国からお金が出る今のうちにうちに、取り壊して新庁舎を建てたほうが結局、安上がりともいえる。

 本来ならば、損得計算すればよいが、両案とも前提条件が流動的なので、簡単に損得勘定を出すことができない。時間も迫っている。こうした厳しい状況の中で、Mさんたちは、精一杯、住民が後で後悔しないよう、納得づくの判断ができるような資料を作ろうと奮闘しているのだろう。胃に穴が開くような作業が続いていると思う(私の場合は目に穴が開いたが)。本当にご苦労さまである。

 ちょっとでも顔を出せれば、少しはみんなの気が紛れるかと思ったが、先生から、遠距離の電車は厳禁と言われてしまった。それよりも、連れ合いが、この際、私の生活スタイルを変えようと、厳しく監視していて、それをかいくぐるのは容易ではない。今回は、遠方からであるが、Mさんたちの奮闘を応援するとともに、一刻も早くノーサイドにして、町の人が一丸となって、本来のまちづくりに取り組んでほしいと思う。

 先生からは生活を改めろと言われているが、身についた生活習慣はそう簡単には変わらない。ぼんやりしていると、面白いアイディアが浮かび、忘れてはいけないので、こっそり、ノートパソコンに打ち込むことになる。そうすると、書きかけの原稿が気になって、結局、気が付くと本を書いている。ただ、連れ合いに見つかると怒られるので、物音が聞こえる度に、こそこそとパソコンを隠す作業の繰り返しで、効率はあまり良くない。それでも、書きかけだった『励ます地方自治』は、ほぼ完成した。この本は、きっと思い出の本になるだろう。

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