松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆美観地区とまちづくり法務(倉敷市)

2015-09-25 | 1.研究活動

 倉敷市でまちづくり法務を考えた。倉敷には3日間いたことになるが、多くの人たちのお世話になるとともに、楽しい時を過ごすことができた。感謝申し上げたい。

 シルバーウィークの最終日、大学のゼミを終えて、倉敷市に向かった。普通ならば、中途半端な時間のため、新幹線はガラガラのはずであるが、さすがに大連休の最後の日ということもあって、ほぼ満員だった。倉敷には岡山で乗り換える(新倉敷はこだまな乗り換えなので、むしろ時間がかかる)。

 倉敷市の観光客は、毎年 300 万人以上とのことである。目当ては、江戸時代の商家の街並みが残された美観地区である。倉敷美観地区の保全の取り組みは、極めて早く、昭和 40 年代から活発な活動が行われている。その保全は、自主条例である、倉敷市伝美保存条例(1968年)、倉敷市川畔伝統的建造物保存地区背景保全条例(1990年)と委任条例である、倉敷市美観地区景観条例(2000年)と伝統的建造物保存地区に関する条例を合わせた運用を図っている点が特徴である。

 今回、倉敷で特に見たかったのは、平成27年4月1日から施行された眺望保全地区の運用である。日本では、どこでもそうであるが、歴史的な保存地区等とその周辺に建つ近代建築との調和という問題に悩んでいる。倉敷市でも、美観地区は倉敷川周辺の一部エリアでしかないため、周辺地区に高層の建物が建つ。それが美観地区から見えてしまうとせっかくの景観も台無しになるので、その調和に取り組みことになる。

  倉敷市では,倉敷川畔美観地区の歴史的景観に都市景観が調和するように,倉敷市景観計画を変更して,倉敷川畔美観地区周辺眺望保全地区を指定した。これに伴って、地区内での一定の行為(高さ 13m又は建築面積 1,000 ㎡を超える建築物の新築等)は,届出対象行為になる。

 今回は、視点場である、今橋及び中橋の橋上(写真)、今橋から中橋と高砂橋の中間までの間の倉敷川両岸の道路、倉敷公民館前交差点、国指定重要文化財「井上家住宅」東側交差点のそれぞれに立って、眺望状況を確認するという至福の時を過ごすことができた。シルバーウィークが終わったといっても、さすが倉敷で、観光客も多くいたが、こんなマニアックな視点で、倉敷のまちを楽しんでいる人は、ほとんどいないであろう。

 

写真から。上手く木に隠れているが、マンションが一部見える。

  

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