松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆熟議の市長選挙⑳これまでの公開討論会との違いー熟議の市長選挙といわれる所以(三浦半島)

2017-07-27 | 1.研究活動
 これまでもJCなどが中心となって、公開討論会が行われた。どこが違うのか。

1.これまでの公開討論会
 マニュアルがあって、大要次のように、行われている。
 ・自己紹介や立候補に至った決意
 ・一問一答方式の「政策コーナー」
  例えば、「未来の〇〇市」「産業政策」「少子高齢化」「まちづくり」について、3分づつで話す
 ・お人柄などをお尋ねする「○×コーナー」
 ・自由討論
  来場者に会場入り口で「質問表」を書いてもらい、コーディネーターからパネリストの方々にお尋ねする。
 ・最終アピール

2.もの足りなさ
 これまでの公開討論会の意義はむろんあるが、参加者は、物足りないとも思うだろう。
 ①言いっぱなしで、政策が深まっていない
 ではどうやって実現するのかといった肝心の議論ができない。
 ②候補者の強み、弱みが伝わらない
 突っ込まれてたじろぐ、その逆に、なかなか自信あふれるなどといった人の魅力が伝わらない
 ③壇上と会場が隔絶している
 ④総花的で一応カバーしているが・・・

3.この政策公開討論会では何をしたいのか
 ①政策を鍛える
 突っ込んだ議論をする中で、最初に掲げていた政策を鍛えることができる。批判や追及は政策を深化させる。それによって、市長になったとき、より実現性の高い政策になる。突っ込んだ議論をした結果、マニフェストを変更することもあるだろう。実現可能性の乏しいマニフェストに固執するのは、「候補者のための選挙」である。
 ②接戦を作る
 政策のせめぎあいの中で、論点、争点が明確になれば、住民の関心も高まっていく。投票率も上がるだろう。また住民に関心を持ってもらうためのPRも大事である。
 ③住民自身が考える
 住民にとって、市政が身近なものになり、自分たちの問題として、政策課題を考える機会となる。住民に問いかける公開政策討論会であってほしい。そこから、自立や助け合いという住民自治が生まれてくる。

4.おのずと制度設計は決まってくる。
 これはすでにいくつか書いた。前の記事を振り返る余裕がないので、思いつくまま、重複もあるだろう。
 ①一回ではなく、住民が気軽にいかれる会場で連続的に開く。連続的にすることで、政策が深まる。
 ②どう実現していくのか、その裏付けも含めて議論が行われる。それぞれの重点政策を様々な観点から、やり取りすると、いいのでは。一事が万事のたとえ。
 ③会場とのやり取りも欠かせない。「立候補予定者の選挙」から「有権者市民の選挙」に変えることになる。他方、会場の大きな声やマナーとの調整もある。市民の力量が問われるが、同時に毅然とした司会進行も必要(自分勝手な発言はほかの人に迷惑)。
 ④立候補予定者同士の丁々発止の議論がある。その人の思考の深さ、あるいは人となりをクローズアップさせる。
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