思ったのだ。恋なんて二度としない。
こんなに散々痛々しく感情を振り回されるなんてくだらないと。
らしくないと。今日はずいぶん冷静で穏やかで楽だった。
なんにも感じない。苦しみも愛おしさも。だから良かった。
二度と自分の心を持っていかれるかと思った。もう誰にも心の奥に
入ってきてほしくない。誰にも。元のかたくなで冷徹な心でいたい。
冷徹で明晰で落ち着いていて。裏ぎらない成果とか仕事とかで
自分を信じて戦いたい。私を愛する人には恋をしないで演技をする。
ちょっと笑ったり嬉しそうに穏やかにすればよい。すきになんて
これっぽっちもなるものか。疲れた。自分の感情に殺されて破滅させら
れるのがもう嫌だ。
私に似合う男のタイプ。エスコート男。
彼らには共通点がある。たったふたりだけど。
ひとつ車が好きだ。煙草をよく吸う。女の子はこうだという固定観念。
シナリオと男の美学で完全に私はゲスト。計画はいらない。
簡単だ。彼らの書いたシナリオを素直にそして忠実に実行すればいい。
彼らは幸せになれる。私が無知で愛らしい人形のように壊れ物のように
扱ってくれる。私は委ねるだけだ。笑って喜んでただ貴方を見つめればよい。
なぜだか思った。隣にいるのがマコだったらと。後悔した。
気づいた。私はすきに関わらずマコの傍にいるべきだったのだ。
マコの傍にいてたくさんもらえばよかった。私は変に知ったように
あの人の愛を手放した。大切だったのだ。気持ちとは関係なく。
彼が私に一番相応しい人だったのに気づいた。
一番愛した人ではなく一番相応しい人の愛に素直に応えればよかった。
涙がでそうだった。遅すぎるのだ。
ウミネコがいた。たくさん。海がきれいだった。どこまでも走って。
観覧車に乗った。恋はできない。もう私は恋する心を永遠に拒んだ。
失った。ひどく穏やかだった。綺麗な景色は私をなだめた。
もう恋はできない。失ったもののことを思って消えた。
これからも会う。なにもしない。なにもない。ただそれだけ。
今日はもうすぐあの人が迎えにくる。初めて遊びに行く。
今日は日常を忘れよう!携帯も電源落とそう!部活から離れよう!
軽快な音楽とスピード上げて 地球の果てまで連れて行っておくれよ
わずらわしさから離れて。離れて。うんと遠くに行こう。
安全で傷つくことのない場所で。うんと楽しもう。不安吹き飛ばして。
差し伸べられた手に 素直になれなかった 自分に
なんかね昔のこと思い出した。私は自分の気持ちさらけだしたり
表現するのが苦手で。伝えるのも苦手。隠すのは得意。平生装うのが
何より得意。苦しくてもなんでもないようにこなすことに病的にやっき
になった時期もあった。そして大事なことを見失って意固地になってた。
優しく手を差し伸べてくれる人がいる
それなのに自分は変に天邪鬼で戸惑って。不安になって失うのを恐れた。
不器用で伝えるのがひどく苦手で、私はうまく伝えられなかった
手を放してしまったことは 罪だろうか
ヒメをよく思い出す。寝る時ふいに名を呼ぶ。あの時が唯一恋愛で
幸せだったと思う。あのどこまでも優しく大人しく控えめで燐として
いたたおやかな美しい人。あの人はマリアのように私の傍にいて支えて
くれた。時にやかましくわずらわしく責め、夢見るように自分のことを
うつろに話すのがほほえましかった。おせっかいにも思える過ぎた心配
も愛おしかった。たわいないことをふたりの秘密のようにひそひそと
話して、同じシャーペンを机の上に出して笑いかけた君はとても
眩しかった。ひとつひとつが輝いていて本当に幸福だった。
だけど記憶というものは悲しくも落ち葉のようにその花を落としていく。
あった場所、たしかにあったことなのに、色を変え形を変えようとする。
僕は必死に記憶の扉を叩いて君を呼ぶんだ。最後の頃は君に何度も
悲しそうな顔させてしまって後悔してるんだけど今思い出すのは
君との大切な楽しかった日々なんだよ。大切に思っていた人が自分を
頼ってくれて大切に思ってくれていたことがなんて幸福だったのだろう
と思う。何にかえても護らなければならない大切な人だったのに。
私は護れなった。護れたはずなのに。君のひどく悲しげな顔。
それが罪だとしたら、私はこの先この罰を受け続けるのだろう。
恋がいつも悲劇的で結ばれないのは、一生背負うこの罪なのだ。
マコの横顔を思い出す。クールで悪びれててかっこよくて。
煙草と重厚なライターがよく似合っていた。あの大きくて意志の強そうな
瞳ときゅっとあがった口が好きだった。なにもかも大人で圧倒された。
成し遂げる男の強さそのものだった。私は素直に寄りかかればよかったのだ。
臆病はダサい。それに気づけばよかった。自信を失くしていた時期だった。
弱くなりたくなかった。下手な意地だ。平気なフリをした。好きだった。
こんな頭から愛の為に侵食されて腐敗して滅びるような破滅的な恋に
落ちてしまうのならば、過去の彼らの優しい手を迷わず握るべきだったのだ。
それは私の望んだことだ。逃げるのではない。私は彼らが好きだったのにも
関わらず素直になれなかった。さらけだせなかった。だから罰を受けた。
逃げたいわけじゃない。捨てればいいのだ。だが何を捨てるというのだ?
相手?違う。自分のこの気持ちだ。行き先を失って燃えていて私全てを
焼き尽くすこの気持ちひとつだ。楽になりたいのならば捨てればいい。
だけど私は捨てない。意地ではない。あいつが好きだ。こんなにバカに
なってかっこ悪くなったのは初めてだ。感情に従うなんてらしくない。
野宮さんは優しい。誠実で無邪気だ。だからこの人は何も悪くないのだ。
傷つけまいと思う。知らなくてよいのだ。ヒメ子の魅惑に狂わされて
ずたずたになってること。ヒメ子しか愛せないこと。露ほども知らせない。
知らせてたまるか。もう傷つけたくない。誰一人。
野宮さんにとっての私が、私にとってのヒメであるならば、私は逃げない。
差し伸べられた手を愛することはできないけれど、無視はしない。
一緒にいたいなら居てあげよう、笑いかけてほしいなら貴方の為に微笑もう。
それは恋でも愛でもない。でもあえて知らせる必要はないんだ。
君がいいならかまわない。私のテリトリーに入ってこなければよい。
この心は渡さない。この心は私のものだ。もう誰にも恋はできないかもしれない。
僕とハルは恋の殉職者だ。いい人が現れて付き合うかもしれない。
でもその人を好きかどうかは分からない。好きでもない人と付き合うことが
セオリーになって冷たい高慢な恋愛を続けるのだろう。
私は野宮さんと付き合う気はない。あいまいにいい関係を続けていくこと。
核心を避けていくこと。深入りするのはもう嫌だ。ほっといてくれ。
もう誰にも入ってきてほしくないんだ、恋する心の鏡には。
私にとって友情はかなり大事だ。
もう耐え難くて親友のサツキを呼んで一緒に食事してもらった。
弱い部分は誰にも見せたくない自分にとって本音だせる貴重な人。
気にしてくれてたみたいで話聞いてくれた。自分の為に相手の行動
について憤慨してくれたのはなんか嬉しかった。自分のことのように
心配してくれてたんだって思って。気持ち伝えなよって言ってくれて。
だから勇気もらってメールした。今の自分の気持ちを素直に書いた。
落ち着いたら電話するとも書いた。恐いけど伝えた。だからちょっと
だけなにか満ちた。
深く深くその楔は私に刺さる。食い込んで引き裂かれて痛みをつんざきなが
らも私はそれでも平気でいるようにいる。痛くて痛くて苦しみを出さぬよう
に奥にしまいこむ。よくそうする。だから強いと思われる。大丈夫だと。
それどころではないのだ。悲鳴をあげずに耐えることで痛みは消えるのだ
ろうか。
ただ伝えたかった。答えなど求めてなんかなかった。いらなかった。
気持ちを受け取ってほしいとかじゃなくてただ知っててほしかった。
だって知ってるのだから。彼は私を少しだって愛してはいないこと。
付き合えないこと。知ってる。思い知ってる。そんなこと。
だけどそれでもただ伝えたかった。どれだけ本気で好きだということ。
特別だということ。ただそれだけだった。
なのに・・・・・。君の行動は果てしなく私を苦しめる。いっそ
突き放してくれればいいのに。そうやって律儀にバカ正直に対応して
ますます分からなくなる。お互い勝手だと思っているのだろう。
お互い遠慮してなるだけ傷つけないように配りながら結果一番お互いが
苦しむようにしてる。下手。伝わらない。全然。
苦しいだけなのにすがってるわけじゃないのに。だけど何度も思うのだ
好きだと。こんなに苦しくてもすきなのだ。
しばらく会えない。私をよそに今日は一日会議だった。
私は泣きそうな気持ちを押し殺して参加していた。なにもなかったかのように。
電話したい気持ちとするのが恐い気持ち。
朝起きてベットに座ってて思った「病気だ」。
これは恋の病というものだろうか。こんなに狂おしく心動くのだ。
ないなぁ。自分の恋愛スタンスは基本クールだった。
一般論では女の子は「好きな人とは毎日メールしたいw」とか
「自分の知らないとこで女の子と会うなんて許せない!浮気ありえない!」
とかよく言ってるよね。僕絶対相容れない。
好きな人でも毎日メールきたら正直うんざりだし、別にお互い今までの
知り合いというか交友はあるのだからそこまで干渉しなくてもいいと
思うし、把握する必要なんてないと思う。メールもデートも少なくても
その少ない中で幸せを詰めればいいと思ってるんだ。
あれもこれも求めないから、そばにいて幸せだなと感じる時間を持てれば
それでいいんだよね。それほど要求も束縛もしない。束縛がきらいだから
ね自分も。
毎日メールとか情熱的な甘い言葉とかいらないっての。
またメール着てたんだ昨日。楽しみで眠れないっとかさなんか無理だなあ。
バランスとれてないというかさ。温度差がつらい。
ヒメ子でも、メールは時々の方嬉しいし、たまに出かけたら貴重で
大切だし、会えない時があった方が、会った時幸せだし。
ある程度距離置いた方がちょうどいいんだ。自分の場合。
あまり相手が好き過ぎると臆してしまうんだよね。
あっこれ向こうにとってもそうかあ(汗)でも仕方ないんだよなあ。
好きで好きで仕方なくて、あいつ中心で回っててそれが押さえきれない
んだよ。マジ病気だわ。
今日はヒメ子にバレンタイン用手作りケーキ渡すという重大責務を
無事果たしっ。その後ミートやったの。そんで同期の恋に悩むハルと
ノックとうちで飲みに行って今後の方針などを話し合ったのですが…。
後半はモロ、ハルの恋愛相談でしたっ。なんか様々だねえ。
僕と被る部分たくさんあって共感したりしてね。
たくさん話して。そしたらこんな時間になってしまって。
ヒメ子のメール着てるかこええ。明日返信しよう。
案の定携帯の電池切れてたので、問い合わせしなきゃなんだけど
勇気イルねえ(笑)着てなかったらこわいし、着ててもこわい。
でもできるだけハルの力になりたい。お互いどうしようもないくらい
好きな人とバラバラになりたくないのだから。
伝わらないのだから。
無事果たしっ。その後ミートやったの。そんで同期の恋に悩むハルと
ノックとうちで飲みに行って今後の方針などを話し合ったのですが…。
後半はモロ、ハルの恋愛相談でしたっ。なんか様々だねえ。
僕と被る部分たくさんあって共感したりしてね。
たくさん話して。そしたらこんな時間になってしまって。
ヒメ子のメール着てるかこええ。明日返信しよう。
案の定携帯の電池切れてたので、問い合わせしなきゃなんだけど
勇気イルねえ(笑)着てなかったらこわいし、着ててもこわい。
でもできるだけハルの力になりたい。お互いどうしようもないくらい
好きな人とバラバラになりたくないのだから。
伝わらないのだから。